日本人で注目の研究者は 東京大学 藤田誠さん

“物質がひとりでにできる” 東京大学 藤田誠さん

分子どうしがひとりでに結びつく「自己組織化」と呼ばれる現象の研究で注目されるのは、東京大学卓越教授の藤田誠(ふじた・まこと)さんです。

藤田さんは「自己組織化」を利用して、金属のパラジウムと窒素でできた100万分の1ミリほどの「正方形」の形をした分子をつくることに世界で初めて成功しました。

その後も、藤田さんは「ボール」や「かご」などさらに複雑な構造をもつ新たな分子を次々に作り出しています。

これは、人工的に化学反応を起こさなくても、材料を混ぜ合わせるだけで複雑な構造の物質がひとりでにできあがることから、化学の常識を覆したとして国内外で高く評価されています。

藤田さんは、「藤田ナノサイエンス基金」を立ち上げて一般の人から寄付を呼びかけることで、この分野の研究を強化し、若手研究者を支援・育成する取り組みも始めています。

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