これもノーベル賞?! ビタミン
今の私たちの健康管理にもつながっています
秋山記者
ビタミンは、人間が生きていくために欠かせない栄養素です。
ビタミンの発見は病気との戦いから生まれたもので、その発見に対してノーベル医学生理学賞が贈られています。
一方で、ノーベル化学賞でもビタミンについての研究がいくつも選ばれています。
中でもビタミンC。
私たちの生活でもよく見かけるビタミンの代表格です。
このビタミンCの人工合成に大きな役割を果たしたのが、イギリスの化学者、ノーマン・ハースです。
ビタミンCが不足すると壊血病と呼ばれる病気になります。この病気は古くから特に新鮮な野菜をとることが難しい船乗りの間で恐れられてきました。
ハースはビタミンCの構造を突き止めることに成功し、人工合成の道を開きました。今、私たちがビタミンCを多く含んだ食品が食べられるのは、ハースの功績が大きいと言えます。
ビタミンCをたくさん作れるようになったから、たくさん食べられるようにもなった
秋山記者
そして、もうひとつなじみの深いのがビタミンAです。
このビタミンAを魚の肝油から抽出し、その構造を突き止めたのがスイスの化学者、ポール・カーラーです。
ビタミンAも人間の成長には欠かせない栄養素ですよね。カーラーの研究成果はビタミンAの人工合成に大きな役割を果たしました。
さらにカーラーはほかにもビタミンB2の構造も決定しました。
ハースとカーラー、2人の化学者に1937年、ノーベル化学賞が贈られています。
科学文化部
秋山 度(あきやま たく)
2012年入局。福井局・水戸局を経て2019年から科学文化部。