2020年ノーベル経済学賞に
「電波オークション」貢献の研究者2人
2020年のノーベル経済学賞に、電波の周波数の割り当てなどに使われるオークションの研究や実用化に大きく貢献したアメリカ・スタンフォード大学の2人の研究者が選ばれました。
スウェーデンの王立科学アカデミーは、日本時間の10月12日午後7時前、2020年のノーベル経済学賞の受賞者を発表しました。
受賞が決まったのは、いずれもアメリカのスタンフォード大学の、ポール・ミルグロム氏、それに、ロバート・ウィルソン氏の2人です。
オークションの研究や実用化に大きく貢献したことが理由で、王立科学アカデミーは、「電波の周波数の割り当てなど、従来の方法では売ることが難しかったモノやサービスに使われる新たなオークションの制度設計を行い、世界中の納税者などの利益につながった」としています。
2人の研究成果は、1990年代のアメリカで、それまでは政府の認可手続きが必要だった電波の利用免許について、より高い金額を示した事業者に割り当てる、「電波オークション」の制度設計に役立てられました。
電波の周波数は地域や帯域によってさまざまで、事業者ごとに必要な種類や数も異なりますが、多くの周波数と買い手から、オークションによって、最適な組み合わせを導き出せるようになったということです。
電波オークションは手続きの透明性や効率性を高めるとして、現在までに世界各国で実施されているほか、日本でも一時、検討されるなど、大きな影響を与えました。
ウィルソン氏「環境分野への適用も可能だと思う」
ノーベル経済学賞の受賞が決まったロバート・ウィルソン氏は電話での会見に臨み、「とてもうれしいニュースでした」と喜びを語りました。また、「環境への適用も可能だと思います」と述べ、自身の研究成果が温室効果ガスの排出権など、さまざまな分野に応用できるという認識を示しました。