化学賞

受賞なるか 日本人で注目の研究者は

北川進さん(左) 水島公一さん(中央) 吉野彰さん(右)

ノーベル化学賞では、日本人の研究者も注目されています。

新材料研究 京都大学 北川進さん

アメリカの学術情報サービス会社「クラリベイト・アナリティクス」が注目すべき日本人研究者として挙げたのは京都大学特別教授の北川進(きたがわ・すすむ)さん(68)です。北川さんは「多孔性金属錯体(たこうせいきんぞくさくたい)」と呼ばれる材料を合成しました。

この多孔性金属錯体は極めて小さな穴がたくさん開いていて、その中に、気体の分子を自由に取り込むことができます。

北川さんの研究で材料化学に新たな分野が確立したとされています。

リチウムイオン電池 水島公一さん 吉野彰さん

また、現代社会には欠かせない「あるもの」の開発に大きな役割を果たした2人の日本人研究者も注目されています。そのあるものとは「リチウムイオン電池」です。いまやスマートフォンからノートパソコン、それに電気自動車まで幅広く活用されています。

このリチウムイオン電池の実現に道を開いたのが大手電機メーカー「東芝」のエグゼクティブフェロー、水島公一(みずしま・こういち)さん(78)です。水島さんは昭和50年代、イギリス・オックスフォード大学の研究員として「コバルト酸リチウム」と呼ばれる化合物が軽量で大容量の充電池に適していることを見つけ出しました。

そして、その研究成果を実際の電池に応用したのが大手化学メーカーで電池の研究を進めていた吉野彰(よしの・あきら)さん(71)です。「コバルト酸リチウム」と炭素などの材料の最適な組み合わせを見つけ出し、今のリチウムイオン電池の原型を作り出しました。

2人の研究成果がリチウムイオン電池の実現につながったとして世界中から注目されています。