2022年06月09日
最近、就活を始める友人が増えてきた、自分もそろそろ・・・でも、まだ現実的に感じられない。そんな24年卒の就活スタートの不安と悩み、コピーライターの阿部広太郎さんにぶつけてみました。
(聞き手:梶原龍 佐藤巴南 芹川美侑 藤原こと子)
学生
芹川
今大学3年で、これから就活なのですが…
そもそも、根本的に就職活動って何か分からないんです。
なるほど。おそらくなのですが、「就職活動」ということばのうち、たぶん「就職」ということばに重きが置かれてしまっているのではないかと思うんです。
阿部広太郎さん
でも、僕は「活動」のほうが大事な気がしています。
どういうことですか?
「就活=世界を広げていく活動」だと思っているんですよね。
一人一人答えがあっていいと思うのですが、僕が就活をしていた時、「就活って世界を切り拓いていくエキサイティングな行為だよね」と先輩に言ってもらったことがあって。
エキサイティングですか!
学生が社会人と出会う中で、「こういう仕事があるんだ」とか「こういう働き方があるんだ」とか、どんどん知ることができてワクワクできる経験だなと。
「エキサイティング」という言葉のおかげで気分の上がる入り口をつくれたんです。
「自分にとって就職活動とは何か?」って就活を始める前に考えたほうがいいなと思います。
阿部広太郎さん
電通に人事で入社後、社内試験を経てコピーライターに。「今でしょ!」のフレーズで知られる東進ハイスクールのCM「生徒への檄文」篇の制作に携わる。自身の経験をいかして、SNSやポッドキャストの番組「#好きに就活 好きに進もう羅針盤ラジオ」で就活生に寄り添ったアドバイスを届けている。
芹川さんは何だと思いますか?
シンプルですけど、就職するための活動でしょうか?
まだあまり考えられてないんですけど、「自分の可能性を見つける活動、自分の幅を広げる活動」なのかなって。
いいですね。
じゃあ、自分の可能性を見つけるにはどうしたらいいかを考えると、次のアクションが見えてくると思います。
今、自分が気になっている企業を調べてみたり、人に会いに行ったりするのもいいですよね。
はい!
可能性って想像できる範囲を広げることだと思うんです。
目に入った企業の説明会をとりあえず見てみるとか、まずは視野を広げながら自分のやり方を見つけていけるといいですね。
学生
藤原
私は就活に不安を感じていて、まだ現実を見られないです。
いいスタートダッシュが切れない気がしていて…どうすればいいですか?
初めてのものは未知数だし、やったことがないことは不安ですよね。
まず、不安になるということは、新しい何かに立ち向かっている証拠だなと思うので、いいことだと思うんですよね。
そうなんですね。
すごく大きなものに自分が直面すると心細いと思ったり、飲み込まれてしまうような漠然とした感覚があると思います。
でも、どういうことが不安なのかを調べてみると案外自分で作り出していたイメージだったりします。
例えば今日のように、社会人に話を聞いてみたりすると、もやもやしたものがクリアに見えるレンズが手に入るかもしれない。
それを繰り返していけばいいのかなと思います。
ありがとうございます。
不安の原因の一つがコロナで、ちょうど1年生の時にコロナがはやり出して、ずっとオンライン授業だったんです。
3年生になってやっと学校に行き始めたんですけど気づいたら友達や先輩とのつながりが全くなくて、周りの状況が見えていないのでどうすればいいか悩んでいます。
この2年間、誰も経験したことのない大学生活を体験されていて、そういうふうに悩んでいる方は一人じゃないと思います。
最近、誰かと会ったり対面で話を聞いたりする機会が少しずつ増えてきましたよね。
オンラインの時に霧がかかっていたとするならば、今、少しずつ自分が動くことで霧を晴らしているところではないでしょうか。
そうですね。
その中でまず、自分が何に対して不安に思っているのか、一つ一つ整理してほしいなと思います。
上の学年の人が近くにいる機会があるなら話を聞いてみるとか、本を読んでみるとか。
少しずつモヤっとしているポイントを整理していくと、気づいたら青空が広がるような感覚になるんじゃないかなと思います。
ありがとうございます。
学生
梶原
自分は4年生ですが、今でも社会人になって働いている姿が全然想像がつかなくて。
これから就活をする24年卒の学生も不安だと思うんです。
そうですよね、やったことがないから想像がつかないですよね。
働くことの前提には「生活」があると僕は思っていて、どういうふうに生きていくか、それは社会の中で自分の居場所や役割を見つけていくことだと思うんですよ。
はい。
アルバイト経験がある人なら、自分の役割に対価をもらうことを経験していると思うし、ゼミでもサークルでも自分の役割を意識したことがある人はその延長線上にあると思います。
自分はこういうことを求められているなとか、喜んでもらえるなということを感じてさえいればきっと大丈夫です。
働くうえで必要なことは、誰かに喜んでもらいたいと思うことでしょうか?
「誰か」もそうですが、実はその前提となる「自分自身」がどう思うかも重要だと思うんです。
アルバイトでもそうだと思いますが、自分が仕事をして楽しめるか、納得できるかということですね。
楽しいこともある、大変なこともある。その中でどうやって折り合いをつけるのかも、重要だなといつも感じています。
就活というと「自己分析」ってよく聞くんですけど、阿部さんはどうしていましたか?
分析ということばには顕微鏡をのぞき込んで何か答えが見つかるとか、明確な何かが出てくるというイメージがありますよね。
でも、どれだけ分析しても研究しても、自分自身のことって捉え方しだいだなって。
僕は自己分析じゃなくて自己選択が大事だと思います。
「自己選択」ですか。
まさに「選択」をどうしてきたか。
例えば、中学受験をしたのなら「どうして受験したんだっけ?」ってことだったり、部活に入っていたなら「なんでサッカー部だったんだろう?」とか。
そういうふうに人にはそれぞれ選んできたものがあると思うんですけど、それはどうしてだったのかなって振り返ってみてほしいです。
自分を振り返ってみるんですね。
選んだところにその人の個性や「らしさ」がすごく出る気がするんです。
学生
佐藤
それが自分の軸になっていくんですか?
きっとその選んできた理由が、自分の価値観という1本の物差しになっていくのかなと思いますね。
就活を始めると企業研究をすると思うんですけど、おすすめの方法はありますか?
企業の採用ホームページに、企業側のメッセージと同時に社員の人のインタビューってよく載ってるじゃないですか。
どういう思いでその人が働いているのかな?というのを知るのがすごい好きで、くまなくチェックしていましたね。
社会人になった今も見ていて、紹介されている事例は最新のものが多いので、そこで今の会社の状況を知ることができるんですよね。
あと、最近は企業の「ビジョン」や「ミッション」と呼ばれるものも注目されていると思うんです。
よく聞きます。
なぜこの企業が経済活動をしているのかという山頂(目標地点)がどこなのかを確かめるのもいいと思います。
方角で言うと、自分は北に行きたいのに南に行こうとしている会社には入らないですよね。
会社が目指そうとしてるところに自分が共感できるか、その点は確認してみてください。
ありがとうございました。
※記事中の「お悩み」は聞き手の学生の経験や、ツイッターなどの投稿をもとに編集部が設定しました。
編集:秋元宏美 撮影:小野口愛梨
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