就活ニュース

抽象的な夢より、具体的なアクション 20代のキャリア選択(1)

2022年01月05日

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「これから、どう働くのか?」。就活中、就活を終えた時、社会に出た瞬間、きっと常に考えることです。そんな悩みを学生が若手のキャリア研究の専門家にぶつけました。今回はファーストキャリアの選び方を聞きました。

就活終えても、キャリアに不安が・・・

学生
白賀

今、大学4年生で就活を終えたのですが、キャリアへの抽象的な不安がすごくあります。

ファーストキャリアの企業ってどういう基準で選べばいいのか、お伺いしたいです。

ひと言でいうと正解はないんですよ。

リクルートワークス研究所
古屋さん

・・・なるほど。

リクルートワークス研究所 古屋星斗さん
新卒で経済産業省に入省し、2017年から現職。労働市場の分析と若手社会人のキャリア形成を主に研究。若い社会人へのインタビューも継続して行っている。

例えば50年後、人生を振り返って「あの企業よかったな」と思うかもしれませんが、答えを得るためには時間がかかるものです。

ひとつ言えることは相手である企業と自分、この両方を精度高く知ることができる人のほうがフィットしやすくなります

まずは自分が何をしたいか、これを掘り下げて考えられているか。

学生
佐藤

何をしたいか。

もうひとつ、「相手を知る」。

こっちのほうが大事で、業種や経営理念も大事ですが、その企業から何を得られるかということです。

「自分が何をしたい」という問いに対して、その企業から「何を得られる」か。

この2つの精度が高ければ高いほど、掘り下げられているほど、入社後に「楽しい」と感じる瞬間に出合える確率は上がっていくと考えています。

「企業から何を得られるか」っていうのは具体的にどういうことなんですか。

いろんなものがありますが、中でも大事といわれているのは、先輩・上司との出会い、分かりやすく言うとロールモデルとの出会いですね。

「職業人生において、仕事のしかた生き方に強く影響を受けた人はいますか」という問いに対して、影響を受けた人の数が増えるほど、その後の仕事の満足度が高まっていく傾向が見られるんです。

リクルートワークス研究所「若手社会人のキャリア形成に関する実証調査」をもとに作成(2019年9月実施 回答2126人)

0人だと20%ほど、これが3人になると50%の人が仕事に満足している。

あとは学生の皆さんも意識されている専門性、スキルも明確に獲得できるもののひとつですよね。

そうですよね。

これはある職種を極めるというのもあると思いますし、何かしらの技能、例えばプログラミングとか。

あと「企業から得られるもの」といえば給料も明らかにひとつの報酬ですよね。

その中で自分がやりたいこととの関係で、大事だと思うものを獲得できる会社を選んでください。

福利厚生、気にしてもいい?

就活で企業を見ている時、育休がとりやすいかとか、子育てがしやすい環境なのかっていうのを重視しています。

けど、仕事より家庭を優先してしまうと、キャリアアップできないのかなって思うところもあって・・・

そういったことは企業のアピールポイントにもなっているし、重視する学生さんも男女問わず増えてきていますよね。

バランスが一番大事だと思います。

バランス・・・

福利厚生もあって、成長したいと思った時には成長できるというのが大事です。

10年後ぐらいのキャリアイメージをモヤモヤと想像しながら選ばれる学生が多いと思うんですけど。

もっと短い間隔、5年後、2~3年後のイメージも同時に考えていただけると、解像度が上がるんじゃないかと思うんですよね。

なんで短い期間で考えたほうがいいんですか。

端的に言えば、将来が予測不可能になっているからですね。

アメリカの研究で、18歳の時になりたかった仕事に就けている人は2%しかないっていうのがあるんですよ。

えー!

2%ですか…

そうなんです、50人に1人しかいないんですよ。

今、非常に変化が激しくて曖昧で、白黒はっきりしていなくて大変だという時代に入っている。

その中で10年後の社会ってどうなってるかさっぱり分からないですよね。

確かにそうですね。

もちろん10年後をイメージし続けるということは大事なんですけど、自分が描いてるキャリアモデルに近づける人はほんの一握りなので。

世の中にはいろんなアクシデント、偶然の出会い、きっかけがあふれているわけですよね。

そういったものをうまく利用できた人が、生き生きと仕事ができていると思います。

まず “スモールステップ”

キャリアイメージをなるべく自分の想像できる範囲でしっかり作るのが大事なんです。

抽象的な夢よりは、具体的なアクションです。

どういうアクションをとればいいんですか。

私は「スモールステップ」と呼んでいるんですけど、研究している中で分かった、若い人がやるといいアクションっていうのがいくつかあって。

例えば、自己開示

自己開示?

自分がやりたいことをアウトプットするっていうことです。

何かに興味があるとか、ロングインターンしてみたいとか、こういう社会人に会ってみたいでもいいかもしれません。

そういうやりたいことをSNSなどでもいいですし、友人・知人に話すのでもいいのでアウトプットしてみる。

あとは試しにやってみるのもすごく大事ですね。

試しにやってみる?

本腰を入れて「これだ」という前に、ちょっと興味あるからやってみようと、トライですね。

あともうひとつ忘れてはならないのが、自分の体験を自分のものにする、振り返りです。

こういった小さなことから始めると、いずれ「この人、何か面白そうだな」と思われるような大きなアクションにつながっていくことが分かってきたんです。

そういうアクションをとって、自分のプレゼンスを高めなきゃいけないっていうことですか。

そうですね、今はキャリアの主導権が否応なく個人に移ってきたんです。

ちょっと前までは企業が主導でキャリアを作ってくれた。

でも、社会の変化が非常に大きくなって、どの人材が自分の会社に必要なのかって実は企業も明確には分からなくなった。

そうなんですね。

だから、個人が自分で、どうすればこの分野を極められるかとか、成長できるかとか考えなきゃならないんです。

次回は学生がよく話題にする疑問、「就職先は大手か?ベンチャーか?」。古屋さんに率直に聞いてみます。

編集:加藤陽平 撮影:田嶋瑞貴

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