2021年10月07日
入社したら、仕事ができると言われる人になりたい。でも、具体的に何をすれば仕事ができる人になれるんだろう?
まずはこれから取り組むべし!というシンプルなポイントについて『内定者への手紙』著者、北野唯我さんに、4年生の学生リポーターがききました。
(聞き手:白賀エチエンヌ 堤啓太)
学生
堤
では、よろしくお願いします。
こちらを挙げた意味を教えてください。
時間に関する概念として、「タイム」と「タイミング」があります。
北野さん
多くの人が「タイム」の方を気にするのですが、会社の上司やマネージャーは大抵「タイミング」を気にしています。
つまり、タイミングをうまく使いこなす方がコスト効率がいいですよ、ということになります。
「タイム」と「タイミング」の違いについてもう少し教えてください。
「タイム」は(仕事に)かかった時間で、「タイミング」は(仕事を)いつやるのかということです。
同じ10時間の仕事をしても、締め切りに遅れるのと、締め切り3日前に出すのは全然結果が違うじゃないですか。
たしかに。
なぜ「タイム」よりも「タイミング」の方が重要かというと、「タイム」は個人で解決できる問題ですが「タイミング」は自分1人が遅れるとチーム全体のタスクに影響を与えてしまうからです。
学生だと「タイムの方をもう少し短くしよう」と考えがちですが、それよりもいつ取りかかるのかに、重きを置いた方がいいということですね。
もちろん「タイム」も重要ですけどね。どちらか1つ選ぶなら「タイミング」の方が、会社で働く上では重要です。
それは、チャンスを逃さないためにとりあえずやってみるっていうことなのかなって思うんですけど、早くやって、更に早く終わらせるっていうところまでがセットで大事なんですか。
それとも早く始めたけれど、ギリギリまで頑張っていいというわけではないんですか?
どちらかというと、早く終わらせた方が絶対いいですね。
フィードバックがもらえますし、(チームの)他のメンバーが余裕を持って仕事を進めやすくなりますから。
ただ、チームの上司や業務の特性によっては、ぎりぎりまで粘ってほしいという方もいらっしゃいます。
そういう意味では「仕事ができる」という評価には、相性の問題もあるんですが、選ぶとすれば早い方がいいと思います。
僕は、多少時間がかかっても、ぎりぎりまで粘って相手の期待値を超えたものを提出したいと思うタイプなんですが、新人の時は変にそういうふうにしないほうがいいでしょうか。
絶対しない方がいいって、周囲に言われると思いますよ(笑)
でも、今そう言われても納得いかないでしょうから、やってみて失敗して怒られて学ぶというのが現実的な気がします。
うーん……。
早めに上司にぶつけてみてフィードバックをもらった方が、結果的にはいいものが作れると思いますよ。
今の段階では、ぎりぎりまでやってやるぞという気持ちでいてもいいですかね。
期待値を超えてやるという気持ち、いいと思いますよ。僕もずっと思っていましたから。気持ちは分かります。
ありがとうございます!
ただ、どんな職業においても共通するプロフェッショナルの要件が1つだけあって、プロの人はとても(仕事が)速いということです。
一流の人というのは、速くやろうと思えば速くできるんです。
スピードは質にも量にも転換できますから、最初はそちらを狙った方が、長い目で見ると大成すると思います。
…スピードは質や量に変換できる?もう少し詳しく聞かせてください。
ビジネスの場ではしばしば「質」か「量」かということが問われると思うんですよ。
大人の人ほど「若いころは量が重要だよ」とか「量だけが質に転換する」って言いがちです。言われたことありませんか?
とりあえずたくさんこなして経験を積むということですよね?
学生,
白賀
「若いうちはとりあえずたくさんやりなさい」とか「たくさんやるからこそ、得るものがある」みたいなことをよく聞きますね。
僕は、半分その通りだと思う反面、半分は嘘だなって思うんです。
量が質に転換するんだとしたら、僕らは全員、数学や英語のプロになってるだろうし、素振りをたくさんやったらプロ野球選手になれていると思うんです。
確かに。
若い時に、量か質のどちらがより重要かと聞かれたらそれは量になると思います。
ただ、レベルが上がってきたどこかの段階で、量よりも質を探求すべきフェーズって明らかにあるんですね。
でも、そのフェーズは結構見極めるのが難しいんです。
どうすれば良いんですか?
質と量に共通することは何かと考えると、スピードを意識すると分かりやすいんですよ。
スピード上げれば量をこなすこともできるし、すごく早くできるんだけれども、あえてゆっくり時間をかけることによって質の高いものを目指すことにも転換できますから。
北野さんは新人のころは、量を追い求めていたタイプだったんですか?
僕は、若い時からスピードをめちゃくちゃ重視していました。
へーえ!
例えば、最初の会社の入社2年目で経理や財務を担当する部署にいた時、毎月1回出てくる与信審査という“ビビるくらい”面白くない仕事があったんです。
資料が送られてきて、ただそのデータを5時間、6時間パソコンに打ち込むというだけの若手がやる作業なんですね。
その時、僕はどうやったらちょっとでも面白くなるかなと考えて、2つの工夫をしたんです。
1つは時間を計って、対先月比で5%、入力にかかる時間を短縮させるって決めたことです。
スピードを速めるということですか?
そう。1枚あたり先月15分かかっていたのを13分とか12分にするという目標を立てて、それをストップウォッチで計ることをやっていました。
もう1つはその企業の業態とか業種を見て、粗利率とか、自己資本比率が何パーセントかを当てるゲームをしていたことです。
どんな効果があったんですか?
これによって、会社に与えたインパクトがあったかというと、ぶっちゃけないんですよ。
ただ僕の仕事はちょっとだけ面白くなりましたし、明らかに知見が貯まりました。
会社を見たら粗利益がこれくらいだなっていうのが分かるようになったんです。
すごいですね。
僕だけ担当する会社が多かったんですけれど、まわりに比べたらすごく早く帰っていました(笑)。
質も量も追っていかないといけないので、スピードを大切にしていましたね。今もそうですよ。
スピードが大切だと思ったきっかけはあるんですか?
当たり前ですけど、時間だけが変数じゃないですか。
僕は欲張りなんで、仕事でもパフォーマンスを出したいし、作家活動もやりたい。
さらには、プライベートも充実させたいと思っていたので両立させるとなると合理的に考えてスピードしかないなと。
「スピードは、質にも量にも転換できる」とうことば、とても心に響きました。
北野唯我さんに聞く「入社までに身につけたい10のポイント」。次回は、「目標を立てる力」についてです。
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