就活ニュース

「企業の何を見たらいいの?」23年卒向け就活のギモン 就活準備編⑹

2021年07月20日

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自分にあった会社を探そうと思っても、企業って無数にあって何から見ていけばいいのか分からない。差別化できない膨大な情報の前に、飲み込まれてしまいそうな気持になりませんか?

そんな時に役立つナビサイトの上手な使い方を、マイナビの高橋誠人編集長と、前職ではナビサイトも担当していたというOfferBoxの中野智哉代表が教えてくれました。

(聞き手:田嶋瑞貴 本間遥)

 

学生
本間

世の中に企業ってたくさんあると思うんですけれども、その中から志望企業を絞り込むのって難しいと感じています。

B to Cの会社であれば、ふだん自身が使っていたり広告で触れたりしていることも多いので、比較的目につきやすいんですが、B to Bの会社だと、あまり知らないだけに見落としてしまいそうです。

ナビサイトもいろいろ参考にさせていただくんですが、同じような条件が書いてあることが多くて、差が見えづらいなって感じます。何に注目して見ていったらいいでしょうか。

この時期は志望企業まで絞り込まなくていいというのが私の持論で、様々な企業を見て行けばいいという考えが前提にあります。

高橋さん

その上で申し上げますと、確かに就職情報サイトというのは、1つの見方ですので、その情報を押さえたうえで、どう行動するかだと思うんですよね。

23年卒向けに就活準備の方法を教えてくださるマイナビの高橋誠人編集長

そこがスタート地点ということですか?

そうですね。就職情報サイトの内容は押さえたうえで、さらに自ら情報収集していくことが大事なのかなと思います。

BtoBの企業が世の中にはたくさんあって、そういう企業の情報もきちっと把握したいという気持ちは、いい心がけだと思います。

ただ専門家でもない限り、すべての情報に追いつくのってなかなか難しいですよね。

そこで、マインドチェンジをして、視点を変えてものを見るようにしてみる。前回、中野さんがマジックペン1本にも色々な業界が関わっている話をされましたが、そういう風に視点を変えるだけでも情報はたくさん入ってくると思います。

いろんな角度で見るということですね。

それがいいと思います。

インターン後に再度ナビサイトに戻る

学生
田嶋

ありがとうございます。中野さんにおうかがいしてもよろしいでしょうか。

志望企業を決めるってすごく難しいですよね。絞れない理由は論理的に考えると2つしかなくて、1つは何を見て絞ったらいいかっていうのが定まってないということです。

中野さん

はい。

もう1つは、それはできているけど、それに該当する企業とまだ出会ってない。この2つなんですけど、大概は前者で、何を見て絞ろうか自分の中で定まってないことが多いんですよ。

そうなんですね。

魅力的な企業を見落としたくないから、なるべくたくさんの企業を見ようすると、数をこなすしかなくなってしまいます。これは、実は課題認識が違っている状況だと思うんですよ。

えー。

3年生の夏は、インターンシップなどで企業と接する機会が出てきますね。それで何社かと接触するうちに印象が良い企業が出てくると思います。

それを繰り返していくと、なぜその企業を自分が良いと感じるのかの理由がだんだんわかってくると思うんです。

例えば、“みんな楽しそうに働いているのがよかった”とか、“世の中の役に立っているからよかったとか”。

もしくは、企業の目標や将来の成長性といったものかもしれません。

そういうのが自分の中で次第に定まってくると思うんです。自分は(企業を見るときに)ここを大事にしようとしているんだなって。

それができてから、もう1度ナビサイトを見ると、全然見方が変わります。

なるほど!

ナビサイトって、ちゃんと情報を網羅的に載せるようにできていて、抜け漏れがないように載せてるんですよ。

そのうえで、その企業の情報を全部記載していたら読む側も大変なので、ポイントを絞って、一番伝えたいところを書いているんです。

そうなんですね!

例えば、教育する力が強い企業は、研修のことを書くし、会社の将来をアピールしたい企業は、成長について書きます。

会社の文化をアピールしたい場合は、こんな人たちがこう働いてるんですよっていうのを記載しているんです。

だから、会社が伝えたいポイントを、同じように大事に思っている人には刺さります。

大事にしたいポイントがないとどの企業も一緒に見えちゃうんです。

志望企業を絞り込めないというのは、自分が一番何を大事にして企業を見ようとしているのか、自分自身がまだ分かってないということです。

何を見ていいか分からないという段階にいるということは、まだ情報収集が足りてないっていうことなんですかね。

情報収集といえばそうなんですが、多分その情報はどちらかというと、企業の人と実際に会ってみて何を感じるかということです。

何を大事に見ていくかが自然と定まっていくので、現段階で焦ることはないと思います。

ナビサイトだけに頼らない

高橋さんは、まさにマイナビがナビサイトですけれども、このことに関してどういうふうにお考えですか。

中野さんがおっしゃる通り、ナビサイトの企業の情報だけで、すぐピンと来るってことは少ないと思います。

あくまで求人情報+企業が就活生に伝えたいメッセージというのを、各企業が載せています。

それに皆さんが集めたさまざまな情報をあわせ、自分との共通点が見えてくるというのが、仕事を見つけるプロセスです。

私もよく全国の大学の就職ガイダンスで言っていますけども、就職情報サイトだけに頼るのではなく、就職情報サイトは押さえたうえで、さらにインターンシップやwebセミナー、イベントなど、企業との接点を増やしていただけたらと思います。

プラス自分自身の情報も同時並行で蓄積していくことによって、例えば「業界4位なんだけれども、この企業には何か惹かれるな、自分と接点があるのかな」というケースも出てくると思います。

確かに。

さらに、ここならちょっと仕事内容がハードそうでも、企業理念や商品、サービスに共感できるので、頑張れるかな、という企業が見えてくると思います。3年生のこの時期でそんな企業が見つかる方がまれだと思います。

まずは視野を広げ、年末年明けぐらいまでかけて絞っていくぐらいのペースで、柔軟性を持って取り組まれた方がいいかなと思います。

柔軟性ですね。わかりました。

今回もいろいろな就活生の悩みについてお答えいただきましたけれども、改めてお二人から、就活生はどういう気持ちで、就活に向き合っていけばいいかをおうかがいしたいです。

では高橋さんからお願いします。

学生へのメッセージは、一貫して思ってるんですけども、ひと言で言ったら「就活を楽しもう‼」。

楽しむ…!

だって、新卒で就活ができるのって一生で一回だと思うんですよ。私が就職活動の時は就職氷河期だったんですけれども、就活を楽しんだので、あまり就活がつらかった記憶がないんですよね。

どういうふうに楽しまれたんですか。

就職すると、自分も成長できてなおかつ給料もらえるんですよ。

うれしいことだらけですね(笑)

研修もたくさんあって、OJT(オンザジョブトレーニング)もあって、スキルアップもできるんです。私自身は、早く就職したいと思っていたので、就職後から現在も学生時代に戻りたいなと思ったことは1回もないです。

「コロナだから、人と会えなくて業界研究がうまくいかない……」と悩むこともあると思いますが、「お給料がもらえて成長できるところはどこか」っていうふうに考えたら、すこし見方が変わって前向きになりません?

確かにそうですね。

見方が変わりますね。

変わりますよね。そういうマインドチェンジができたら、一気に前向きになれますので「就活を楽しんで下さい」っていうのを最後にメッセージとして残したいと思います。

ありがとうございます。中野さんはいかがですか?

私からは、企業から見た採用活動はやっぱり仲間探しなんだというのを知ってほしいというのが一番ですね。

仲間を探しに来ている企業に対して、これを突破するぞっていうマインドは変なので、自分もその仲間に入りたいかどうかを見きわめるんだっていう風に考えてください。

どこか一致する企業は見つかるものなので、そういうマインドで就職活動をとらえていくっていうのがすごく大事だと思うんですね。

もう1つは、社会に出た後の方が圧倒的に大事だということ。入社がゴールじゃなくて入社スタートで、就活は100m走でいえばスタートラインに向かって歩いてるだけなんですね。

学生たち

あぁ!

まだ始まってもない。

走っているところが大事じゃないですか。そのために練習してきているわけですし。スタートラインにスタンバイした段階で、「はぁ、よかった」とはならないですよね。

(笑)

そういうふうにマインドを変えることがすごく大事だなと思います。

ありがとうございました!

本間

自分自身、漠然とした不安の中で「どうしよう、どうしよう」っていうようなことばかり考えていました。でも、「就活は仲間探し」といった自分の考えを変える意見をいただき、これからの就活を楽しんでやろうって思えるようになりました。頑張ります。

田嶋

自分が就活に対して、真面目に考え過ぎてたなっていうのを今回すごく感じました。就活は周りとの競争だと捉えていたので、そういうわけじゃないんだなっていうのがわかって、本当によかったです。

「23年卒向け就活のギモン 就活準備編」はこれで終わりです。満足のいく就職活動になるよう、すこしずつ準備できるといいですね。

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