2022年卒の学生の就活が本格的に始まっておよそ1か月。

旅行会社など一部の業界が採用を控えるなど、新型コロナウイルスの影響は続いているものの、4月1日時点での就職内定率は28.1%と大きな落ち込みはないという調査結果が出ています。

以下、リクルートキャリア「就職プロセス調査(2022年卒)」より

 

【内定率は前年同水準に】

「リクルートキャリア」によると、4月1日時点での内定率は28.1%。

去年の同じ時期と比べると3.2ポイント減った一方、おととしと比べると6.6ポイント増加しました。

 

去年よりマイナスとなったのは、主に理系学生の内定が進んでいないことが要因とみられています。

リクルートでは、4月の内定率は去年とおおむね同じ水準で、来月以降は去年を上回り例年並みで推移すると予想しています。

去年と同様、多くの企業がすでにWEBなどでの選考を進めていることから、「早期選考」の傾向は今年も変わらないようです。

【内定をだしているのは】

この時期に内定を出しているのは、どんな業種が多いのでしょうか。

学生が内定を得た業種で最も多いのは「情報通信業」で29.4%と大きな割合を占めています。次いで「小売業」(15.3%)、「医療・福祉業」(12.8%)となっていて、いずれも去年より増えています。

テレワークの導入などで堅調な業績の「情報通信業」、巣ごもり需要で好調なホームセンターなどの「小売業」、コロナに対応している「医療・福祉業」では人手不足が続いていて、採用意欲が高いようです。

また、先が見通せない状況のため、早めに採用してしまいたいという企業側の思惑もあるようです。

 

【うまく活動できない学生も?】

コロナ禍の中、学生たちはどのような就職活動を行っているのでしょうか。

こちらは、活動状況を去年と比較したグラフです。

 

「就職に関する情報を収集した」「エントリーシートなどの書類を提出した」などの基本的な活動は、8割以上の学生が行っていて、去年と大きな差はありませんでした。

大きく減ったのは、「面接など対面で選考を受けた」(-21.9p)割合で、代わりに「WEB上で面接を受けた」割合は64.8%と30ポイント増えました。

一方で、気になる項目があります。年々、実施する企業が増えているインターンシップですが、「インターンシップに参加した」と答えた学生の割合は59.5%で、去年と比べて13ポイント減りました。

さらに、「大学の就職ガイダンスに参加した」「キャリアセンターに相談した」などの割合も減っていて、思うように活動できていない学生が増えている様子がうかがえます。

 

今年の採用スケジュールは、去年のような大幅な変更はないと見られています。焦らず、早め早めに準備を進めて、就職活動を成功させて欲しいと思います。

[対象:2022年卒業予定の大学生　期間:2021年4月1日～2日　有効回答:1329人]

編集　永野亜希