2021年05月18日
なかなか内定がもらえず、エントリーしていた“持ち駒”がどんどん減っていく……。焦りますよね。
そんな状況を打開するにはどうすればよいのか、専門家のみなさんに聞きました。
いったん立ち止まることも悪いことではないんだそうです。
学生リポーター:石川将也(22年卒) 勝島杏奈(21年卒) 司会:石井隆広NHKアナウンサー
就活生からの質問です。
「本命企業に落ちました。しかも第2希望も第3希望もダメでした。内定ゼロなのにどんどん持ち駒が減ってきて焦っています。
巻き返すにはとにかくエントリーを増やすべきでしょうか?」という質問です。
勝島さん、この話どうでしょうか?
この焦って焦って、不安でしかたがない気持ちは、私も去年のちょうど今頃、経験しました。
やはり持ち駒が減ってくると母数を増やしたくなって、興味がなかった業界もナビサイトで片っ端からエントリーボタンを押していた記憶があります。
なるほど。押したくなっちゃうんですね。
どうしても数を増やしたくて、押していました。
では、このエントリーを増やすべきかどうかについて皆さんに伺いたいと思います。
「〇」「×」でお答え頂きましょう。ではお出し下さい、どうぞ!
「△」が3人、「×」がお一人ですね。
まずは「△」の増本さん。
ただエントリーを増やせばいいという話ではないということで「△」にしました。
企業の採用選考に応募しない限り、選考は始まりませんので、内定には近づかないです。
少し大雑把な言い方ですが、“宝くじは、買わないと当たらない”という話と一緒で、一定程度は行動しないといけないと思います。
内定が出ている学生は、様々な準備や活動を一定量行っている傾向があります。それだけ意欲的に情報収集とか経験を積まれている。
「やみくもに」とまでは言わないですけれども、基本的な行動は続けていかないと前には進んでいかないという意味で「△」にしました。
なるほど。
では、「×」の中野さん、お願いします。
「まずは何をすべきか」という観点で「×」です。
すごく焦る気持ち、よく分かります。
でも「その状況で行動しても、あまりいいことが起こらない」って私は思うんですよ。
(質問の状況は)たぶん不安のいちばん頂点の段階だと思うんですよね。
その時に大量にエントリーしても、何にエントリーしたかも分からないままだと思うんです。
その状況で、次の段階に行こうとしても不安が増えるだけなんで、まずは落ち着くことが大事だと思います。
1日だけでも、就活も何もせずに、友達や親など身近な人と話す時間を作ることで、ちょっと落ち着きます。
「話す」っていうのは、就活の話はしないってことでしょうか?
落ち着けばいいと思うので、就活の話をするのでもいいし、就活以外の話でもいいと思うんですよね。
お祈りメールが来た瞬間とか一気に不安になって焦ると思うんですよ。
焦った瞬間を緩和することがいちばん大事だと思うので、まず、それをやるべきという意味で「×」にしました。
6月~8月になってくると企業側も「追加採用の枠」があり、いろんな採用手法が出だす時期でもあるんですね。
なのでエントリー手段を変えてみてもいいと思います。いずれにしても、まずは落ち着くことを優先に動くのがいいですよ。
なるほど。
では、「△」の高橋さん。
就活は、ウェブでのエントリーから始まりますので当然エントリーを増やすべきだとは思います。ただ、「むやみに」というのは効率的ではないと思います。
個人的な意見かもしれませんが、質問にある「持ち駒」って言葉を使うのはどうかなって思うんですよね。
就活生はそういう言葉を使うこともありますね。
企業の中には採用担当の人がいて、理由があって採用をしていると。
「持ち駒」という言葉を使うことで、相手の立場を想像しにくくなってしまう。
企業がなぜ新卒採用をして、自分たちに何を求めているのか、そういうところを根本的に考え直すことによって、事態が打開できるのではないかなと思います。
寺口さんも「△」でしたね。
僕も「持ち駒」っていう表現にちょっと引っかかります。
就職活動と仕事選びって、僕は一緒じゃないなと思っています。
仕事選びの1つに“就活”っていうシステムがある。
でも、それ以外にも(仕事選びのやり方は)あると思います。
今って、“就活”みたいなルートから外れた人たちが、思ったより戻ってこられると思います。
例えば、最初の2年間フリーランスをやってたけど、いろんな企業を手伝っているうちに「うちに来てよ」と声をかけられて、そこで働く、みたいな人もいます。
ベンチャーから大企業に行く人もたくさんいるし、今後はキャリアログが可視化されていくんですよね。
僕らが就活していた時って、個人のキャリアはほとんど可視化されてなかった。
せっかくオープンになってきているんで、「就活っていう1つのゲームルールの中でどうしても仕事選びをしないといけないのか」を考えてもいいんじゃないかと思います。
なるほど。就活だけが仕事選びではないですよね。
実際は、その後、就活を続けるにしても、他に選択肢があるって知るだけでもめちゃくちゃ楽になるんじゃないでしょうか。
選択肢がないと思うからしんどくなるんで、選択肢を認識することで前向きに、焦らずに、できるんじゃないかなって思います。
ありがとうございます。確かに「持ち駒」という表現は、企業の皆さんも社運をかけて採用に携わっていらっしゃるという意味では言葉選びも考えなければなと思いました。
まとめると、まずは落ち着いてみて現状を把握することが大事だと。
視野を広げてエントリーをしないことには内定に近づかないという現実もあるので、エントリーを増やしていくことも1つの手だということが分かりました。
ありがとうございます。
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