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Z世代の経営者 仁禮彩香さんが考えるチームワーク

2021年04月06日

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みんなが気持ちよく働けるチームをつくるにはどうしたらいいの?

1人でできることはものすごく少ないからチームが必要なのはわかるけど、性格も、価値観も、育った環境も違うメンバーと一緒にやっていけるか不安・・・。

そんな悩みに答えてくれるのは、23歳にして、経営者歴約10年という仁禮彩香さん。

Z世代の経営者、仁禮さんのチームーワーク論です。

弱みを打ち明け 補いあう

学生
伊藤

今回は、チームワークについてもっと聞いていきますね。

仁禮さんが「一緒に働きたい」って思う人は、どういう人ですか?

そうですね。強みと弱みをちゃんと打ち明けてくれる人かな。

仁禮さん

どうしてですか?

みんな「すべてが完璧」ってことはないですよね。

それを前提としていて、お互いにどうやって補えるかっていうスタンスの人と一緒に働きたいなって思います。

仁禮彩香さん TimeLeap代表
1997年生まれ。中学2年生の時に教育関連の事業で起業、高校1年生で出身の幼稚園を運営する企業を買収した。23歳にして経営者歴は約10年というZ世代の経営者

「リーダーシップ編」はこちらからごらんください。

本人が弱みを隠しちゃうと、それがあとからわかった時にサポートできなくなってしまうのが悲しいので。

最初からそういう部分も見せてもらえると、お互い働きやすいんじゃないかって思います。

最初は、ついつい弱みを隠してしまいそうなんですけど・・・、どうやってアプローチをしますか。

質問を通じてコミュニケーションをとるのが、プログラムに参加する子どもたちに対しても、メンバーに対しても多いです。

「何が弱み?」という質問ではなくて「どういう部分は人に助けてもらったら嬉しい?」とか。

「自分がやらなくてもいいんだったら、やりたくないことって何?」とか。

会社のメンバーに限らず、人と関係性を築いていく上で、大切にしているコミュニケーションだと思います。

運営メンバーや参加者との記念撮影

なるほど!直接的な言葉じゃなくても引き出せるんですね。

お話を伺っていると、仁禮さんはリーダーだけど、いろんな方に頼ったり、協力を仰いだりすることにあまり抵抗がないタイプなんですね。

そう見えます?「抵抗がないわけじゃなくて、頑張ってやってる」って感じなんですよ。

もともとは他人に頼ることが超苦手なんで(苦笑)

相談したり頼ったりするのはすごく苦手なんだけど、それをしないと生きていけないぐらいポンコツっていう状態なので、なんとかしてるんです(笑)

感情+論理をことばに

チームで活動していく中で、ぶつかってしまうようなことはありますか。

最近はぶつかって失敗するみたいなことはないですね。

でも以前、今とは違うメンバーだったころ、チームが分離してしまったんです。

どんなことが原因だったんですか?

いま思うと、その時の私のコミュニケーションの取り方は全然よくなかったんですよ。

なんか悲しいとか怒りとか、ネガティブな感情サイドで話をしてしまった部分があって、それっていいコミュニケーションじゃなくて。

感情で言うことも大事なんですけど、その(感情の)先にある、自分の違和感を言語化できていればよかったんですけど。

感情論よりもロジックといいますか、何を議論してるのかって明確にすることが重要だということですか。

そうですね。感情を伝えるプラス自分が論理的に捉えている部分を言葉にすることが大事かなって思います。

いま、ぶつからないのは、ものすごく入念にコミュニケーションがとれてるってことだと思います。

それと、大きな意志決定の場合は「最終的には私が決める」ってはっきりしているからです。

あとは、いろんな意見が出たとしても、最終的にみんなで決めたなら、「それに不満を抱くよりは、正解になるように行動しよう」ってみんな捉えてくれています

良いところは素直にほめる

ひとつ、聞いてみたいことがあって・・・、私は後輩をリードしてあげるのがすごく苦手で。

この子なら「こういうことができるんじゃないか」って思っても、どうしてあげたらいいかわからなくて。

例えばTimeLeapのアカデミーの高校生と話していた時に、私たちが「これは才能だな」って思うことがあったとしたら、いったんそれをほめちゃう

「ここが強みだよね」、「ここ頑張るのいいとこだよね」みたいな感じですね。彼らの強みとか良さをこっちがどんどん言語化してあげます

はい。

才能があっても本人が気づいていないこともあるので、(後輩に)発揮してもらいたいって思っているなら、率直に言っちゃったほうがいいですよ。

「こういう部分がすごくうまいから、チームのためにもなるんじゃないかなと思うんだけど、どう思う?」みたいな感じで提案しちゃう。

なるほど、素直に言ってみると。

ちなみに、自分でやったほうが早いなとか思っちゃって、うまくアドバイスしてあげられないってことはないですか。

それはありますね。

「相手の成長する機会にしたいな」というマインドがありつつ、でも「私のほうが早くできるんだけど・・・」みたいな状況ですよね。

そういう場合は「私がやると実際これぐらいでできちゃうんだけど、そのギャップをどうやったら埋められる」ってことを、本人に問わせる作業になるんですよ。

本人に問わせる!?

自分でやったほうが早いけど「今後すごく役立つし、その才能があると思うから、あなたがやってみたほうがいいんじゃないかな?」って投げかけてみるとかですね。

「どういう意味でそれをやるのか、育成の意味でやるとか、フィードバックとしてやるのか」、自分のスタンスが相手に先に伝わってるとやりやすいと思います。

あとで言われるよりも、先とか、事象が起きた時に率直に全部言ってもらったほうが、本質的には本人のためにもなるので。

最初は言いにくいとは思うんですけど、話せるとお互い隠しごとがない状態になるので、そこまで、はっきり言われると受け入れられるんじゃないかなと思います。

確かにそのほうが先輩と後輩っていうだけではなくて、人間としての関係性も良くなりそうな気がしますね。

チームの中での役割を認識する

世の中には自分はリーダーには向いてないなって思う人って、多分いっぱいいると思うんですけど。

リーダーにはそんなに興味がない人が、チームの中で輝くために必要なことってありますか。

「自分の役割を認識すること」だと思います。

チームに入った時に「自分は何ができるんだろう」ってことを、自分でちゃんと見つける。

言われたことをやっているだけだと、相手にも「言われたことしかやらないな」って思われちゃって・・・。そんなに楽しくないと思うんですよね。

そうですね。でも、自分からアイデアを出すのが難しいなーって人もいますよね・・。

たとえば、自分からアイデアを出すのは苦手だけど、タスクを回すのが得意な人もいますよね。

実はそれって、言われたことだけをやってるんじゃなくて、みんな手が回らなくなったことを全部処理できる人っていう役割だと思うんですよ。

確かに。

捉え方の問題だと思っていて、リーダーが何かやろうと思った時って理想だけではできないことがいっぱいあります。

「こぼれ落ちてくる現実をちゃんと受け止められるスキルがある」と自覚できれば、めちゃくちゃチームに重要な役割の人になると思います。

「自分のことを建設的に理解して、才能をいい方向で捉えていくこと」を心がけることが、みんなが輝ける方法かなと思います。

自分にないものを持ってる人を見て、つい自分と比較しちゃうんですけど、自分にできる役割をちゃんと見つけていくっていうことですね。

そうそう、比較して「これしかできない・・・、ダメだ・・・」じゃなくて。

「仁禮彩香は事務作業ができないな」ってことだったら、事務作業ができる人は、とても価値があるんですよね。

それを価値として捉えようっていう精神が大事かなって思います。

チームとは「補い合い、育みあう」

仁禮さんにとってチームとは何か、教えてください。

「補い合い、育み合う」にしました。

前提として、1人でできることはものすごく少ないから、チームを組むと思うんですよね。

だから「互いに補い合える」ってわかってるチームって、すごく強いんです。

それぞれが背負い込んでいると、「一緒にいてもチームというより個人個人で」って感じなんですよね。

そうですね。

「一緒にいて弱みも強みも出しあえるからチームになれるんだ」と思うし、お互いに成長できる、育み合える。

お互いがお互いにとって何かが行き来しているから、チームっていうものは成り立ってるんだろうなと思います。

本日は、身近な目線でお話しいただいて、とても勉強になりました。

ありがとうございました。

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