2021年04月02日
みなさんの「ミライ探し」のために役立てて欲しい新企画です。
テーマは「リーダーシップとチームワーク」、まだ早い?いえいえ、そんなことはありません。
1回目は、就活生と同世代の経営者、子どもたちに起業家教育を行うTimeLeapを経営する、仁禮彩香さん(23)です。
最初に起業したのは中学2年生。高校生の時には母校を買収と、経営者歴は約10年。
一見ハイスペックな仁禮さんでも「リーダーは1人ではなれない」と・・・、どういうことなのか聞いてきました!
よろしくお願いします。
仁禮さんの経歴を見ると、私たちと年齢は変わらないのにすごい人だなって、自分とは違うって思っちゃうのですが・・・
いやー、しょうもない人だなと思いますよ(笑)
しょうもない!?
仁禮彩香さん TimeLeap代表
1997年生まれ。会社では小学生から高校生までを対象にビジネスの第一線で活躍する経営者による授業やビジネス体験のプログラムを提供。中学2年生の時に教育関連の事業で起業、高校1年生で出身の幼稚園を運営する企業を買収した。23歳にして経営者歴は約10年。
自分がやってきたことには、もちろん自信はあります。
でも、(私に対して)わかりやすく並べられたキーワードって(実際の)私自身とはかい離していると思っているんですよ。
そうなんですか?
実際は朝起きられないとか、連絡返さないとか(笑)
ダメダメなところも知っている友だちからすると(私のことを紹介する)記事を見てクスって感じだと思いますよ。
仁禮さんご自身はどんなタイプのリーダーだと思いますか。
「ビジョン」をめちゃくちゃ見せますね。
「こういう未来見たいよね」「ワクワクした世界生きたいよね」っていうことを、
“自分がいかにみんなに伝えられるか”が、「私のリーダーシップとして重要」です。
時間って限りがあるので、「共感できる未来や価値」とか、「ワクワクできる何か」があればあるほどいいですよね。
「ビジョンをクリアにして、まだないものを伝えていけるか、心を躍らせていけるか」が、リードしていく時にすごく大事だと思っています。
理想を語ることを大切にしていると。
そうですね。自分の場合、そこが、リーダーの役割だと思ってます。
例えばドラマや映画を観て私たちが感動して「こういう生き方いいな」とか、「こういう世界になるといいな」と思いますよね。
あれは、ビジョンを見せてくれているんです。
わかります。
ただ、エンタメとちょっと違うのは、起業家は「ビジョン」を「ビジネスの中に実装」しなくちゃいけないんですよね。現実にする。
確かに、夢だけ語ってても「きれいなこと言ってるけど・・・」みたいになっちゃいますもんね。
そうなんです。
ビジョンとリアルのバランスを取ることが大事なので、そこは心がけています。
リーダーになろう、人を引っ張っていこうって思い始めたのはいつごろなんですか。
もともとは引っ込み思案というか、幼稚園の年中さんの時は周りの顔色を気にするタイプですごく静かでした。
リーダーとは真逆のタイプだったんです。
けど、私の通っていた幼稚園は、一人ひとりの意見や考えを先生や友達がいっぱい聞いてくれるところで、それが学校運営にも反映されたんですよ。
どんなことですか?
例えば「カゴの表示がわかりにくいから、動物の絵をつけたら」みたいな意見を出した時に「それいいね、やろう」って言って実際に反映してくれました。
そうやって自分が考えたことが現実になるのがすごくうれしかったし、チームのみんながどんなことを考えてるのかを聞くのも好きだし。
それをまとめてひとつのものを作り上げていくのも楽しいなって年長さんぐらいの時には思ってはいたんで、「兆し」みたいなものはあったと思います。
そうなんですね。
違和感でも理不尽でもいいのですが、言葉にしていって、アイデアを考えて行動していたんですよね。
それを、ある意味、違和感なく、当たり前のように続けていたら、結果的にリーダーシップという側面で生かされるスキルが育まれちゃったのかなって思っています。
環境も大きいんですね。
そうですね。周りの環境と自分がもともと持っている個性がうまくかみ合ったんだなって思います。
なるほど。
会社のトップとしては若いと思うのですが、リーダーとして「若い」ってプラスでしたか?
「若い」って、いろんな捉えられ方をされるじゃないですか。
「若いくせに何を言ってるんだ」っていうネガティブなものもあれば、「若い人たちが頑張っている」って喜んでくれたり、励ましてくれたりする人もいる。
そのどちらも理解できるし、知らないことが多いとか、未熟だっていうのも事実なんですよね。
でも未熟だからこそ「教えてほしい」とか、「分からない」って言いやすいのかなと思っていて、不完全さに対して許容してもらえる部分があるのは、若いことのよさだと思うんです。
なるほど。
あとはアウトプットに新規性が出やすいというのはありますね。
早くから始めると、逆に無知であることが強みになったりする。
知らないので常識にとらわれないアウトプットができたり、まだないものが生み出しやすかったりします。
教育って、わりと凝り固まった業界だと思うんですよね。
私が新しいものを提案できるのは、自分が持ってるインスピレーションが前の世代の方々が見てきたものとは少し違っているからだと思います。
確かに教育って若い世代のほうが実感を持って、教育を受けている人たちの目線に立つこともできますもんね。
そうですね。でも私もいつか年をとりますから、その感覚にずっと依存しないことが大事だと思っています。
小中高生と関わりあっていくなかで、彼らがいま求めてるものをちゃんとヒアリングしたりとか、自分の成功体験に固執しないことも、大事だなと思っています。
リーダーとして、周りの人が味方になってくれるために心がけていることはありますか。
まずは、「目的」ですね。
人を巻き込む時は、どういう目的で巻き込んでるのか、自覚を持つことです。
そして、本質を見失わないことを大事にして人と関わるようにしています。
はい。
自分たちの本質的な願いを失わないようにしないと、巻き込んだ彼らの時間とか割いていただいたリソースに対して応えられないと思うので。
周りからの意見はどう取り入れていくんですか?
会社のメンバーとは定期的に1対1で話す時間を設けていて、お互いにフィードバックを出し合うようにしてます。
思っていることが言えないとチームワークが悪化するので、「こうしてほしい」とか「こうだとやりやすい」っていう声を聞いています。
あとは自分の振り返りでわかることが多いかなと思っています。
「ここはちょっと煮詰まってたな」とか、「もっと人の手を借りればよかったな」みたいな。
自分の行動の振り返りを定期的にして、次に生かす事を心掛けています。
ちなみに、自分に足りないポイントをどうバランスをとっていますか。
足りない部分を受け入れる、認識しておくことがすごく大事だと思っています。
足りない部分を受け入れる・・・。
評価されるような側面って分かりやすく自分も実感できるんですよね。
一方でネガティブなポイントって隠そうと思えば隠すこともできるんです。
けど、(ネガティブな面も)結局は自分の素質なので、それをどうやって周りの人やツールなどで補ってもらうか考えていないと、どこかでガタがくるんですよね。
隠さないんですか?
相談せず隠しちゃうことがあったんですけど、(その結果として)めちゃくちゃ体調崩しちゃって。
結果的に会社全体により迷惑をかけてしまいました。
そういう経験をしたこともあって、隠そうとしないでどうやってチームで解決していくか考えるのはすごく大事だなって思っています。
改めて、仁禮さんにとって「リーダー」とはなんでしょうか。
「フォロワーがいて初めてなれるもの」
リーダーって1人ではなれなくて、「周りについてきてくれる人がいないとなれない」って自覚しておくことがすごく大事です。
1人になってしまっては、かなえたい世界もかなえられないし、何か行動を起こすことも難しいし。
そもそもフォロワーがいなかったら、自分の存在がリーダーとしては必要ないんですよね。
確かに。
だからこそ周りの人たちを大切にしようと思えるし、周りの人たちとどうやったら一緒に進んでいけるかって考えられる人になれるんじゃないかなって思います。
【後編】は仁禮さんが考える「チームワーク」について聞きます。仁禮さんが大切にするのは、補いあうこと。「自分はこれしかできない」なんて考えないでほしいといいます。「Z世代の経営者 仁禮彩香さんが考えるチームワーク」はこちらから。
編集:加藤陽平 撮影:石川将也
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