最近、よく「副業」の話を耳にします。副業している人は満足しているの?実際どのくらいの収入になるの?マイナビのアンケート調査を読み解くと、意外な結果が見えてきました。

以下 マイナビ転職のアンケート調査より<対象:3年以内に副業経験、または副業意向がある20代～50代の会社員・公務員800人 期間:2020年11月13日～16日>

【副業を始めるきっかけは】

まずは、副業を始めたいと思った理由を見ていきます。

最も多かった回答は「お小遣い・趣味に使える収入を増やしたいから」で52.8%でした。そして「将来への備え・貯金を殖やしたいから」「将来の収入への不安を感じたから」という回答が続きます。

新型コロナの影響による不安定な経済情勢もあり、やりがいや自己研鑽を目的とした動機よりは、少しでも収入を増やしたいという理由で副業に目を向ける人が多いようです。

では、実際にどのくらいの収入を副業で得ているのでしょうか。副業をしている人たちが希望している収入と実際に得ている収入を比較してみましょう。

希望する月収が平均13万円余りであるのに対し、実際の月収は平均6万円弱。また、半数弱の人は月収が3万円以下と答えています。十分な収入源になっているとは言い難いようです。

【収入は少なくても…】

目の前に突き付けられた理想と現実の差。こんなに収入が少ないなら、副業をしてもあまり意味がない…と思った人もさぞかし多いのでは。そう思いきや、みなさん、けっこう満足していることが伺えるのが次のグラフ。

副業を経験した人のうち、6割強の人が「とても満足」あるいは「やや満足」と答えました。

逆に、「とても不満」「やや不満」と答えた人は1割にも満たないという結果に。

…希望する収入が得られていない人が多いはずなのに、一体どうして?

副業をした感想を複数回答で尋ねたところ「視野が広がった」と答えた人が29.2%、「人脈が広がった」と答えた人が23.9%にのぼりました。さらには「やりがいを感じた」と答えた人も23.9%いました。

希望する収入に満たなくとも、精神的な満足感に価値を感じた人が多かったようです。

【本業に満足でも副業したい】

最後に「本業に満足していても副業したいか」を尋ねました。

そもそも、副業したいと考える人は、本業に不満のある人たちなのでしょうか?

6割強の人が、本業に満足していても「副業をやりたい」と回答。本業と副業は「別もの」と考えている人が多いようです。

マイナビは「今後は副業を認める寛容な姿勢を示すことが会社をアピールする1つの材料になっていくのではないでしょうか。あわせて、副業の経験を本業に生かしてもらえるような工夫をこらすことも、会社側に求められていくことになりそうです」と分析しています。

「転職する勇気はないけど、ほかの仕事もしてみたい!」「生計を支えていくのは厳しいかもしれないけど、好きなことに挑戦したい!」たとえ大きな収入にはつながらなくても、副業は、そんな思いに応えてくれるものになっているようです。