2020年10月09日
オンラインでの入社式やいきなりのテレワーク…。新型コロナウィルスの影響を受け、これまでとは異なる環境下で社会人の一歩を踏み出すことを余儀なくされた2020年卒の新入社員たち。彼らが今求めているのは、職場の上司や先輩らとの雑談らしい…?
総合転職情報サイト・マイナビ転職「2020年新入社員の意識調査」(調査期間:7月31日-8月3日、有効回答数800人)によると、今年の新入社員の勤務スタイルは、“緊急事態宣言解除前まで週1以上「在宅・テレワーク」だった”と答えた人が56.5%。このうち、全てが在宅勤務だったと答えた人も33.8%に上った。
なお、解除後の7月になると、週1回以上在宅・テレワークを行っていた人は22.1%に低下。徐々に従来の出社スタイルでの勤務に戻りつつある。
在宅中の悩みや不安を聞いたアンケートには、「質問や相談がしにくい」38.7%、「オン・オフの切り替えが難しい」37.2%、「上司や同期と距離が縮まらない」30.8%がトップ3に。リアルな人間関係の乏しさゆえに生じる問題が上位に並んだ。
そんな中、新入社員たちに「入社後、会社や上司・先輩にやってもらって良かったこと、または、これからやってもらいたいこと」を聞いたところ…。
なんと6割の人が「話しかけてもらえる・雑談してくれる」と回答。
「OJT(実務を通じての教育)」や「自分がやった業務についてアドバイスやコメントが定期的にくる」といった業務上の効率や自分の成長に直接結びつく項目を上回り、職場の上司や先輩たちとの交流を望む気持ちがかい間見える結果となった。
さらに会社の人間関係の悩みを、出社勤務をしていた人たちと、週1回以上在宅ワークをしていた人たちに聞いて比較したところ、出勤組で最も多かった「苦手な人がいる」は、在宅組では約半分だった。
また、「(飲み会などのイベントでの)付き合い・交流が少ない」は、在宅組が出勤組の約2倍に。「会う機会が少なく、人となりがわからないためコミュニケーションしにくい」は約3倍に上った。在宅ワークの社員が、希薄な人間関係に不安を持っていることが読み取れる。
調査を担当した総合転職情報サイト『マイナビ転職』編集長 荻田 泰夫さんは、「新入社員が自分から上司や先輩に対して積極的にコミュニケーションを取ることは難しいもの」とした上で、
▽メンター役の先輩をたてて、短くても毎日相談を受ける時間を設定
▽気軽な相談用のチャット(チャンネル)を設ける
など、「新入社員のフォローを職場のルールとして実行してみることも声がけのハードルを下げるのに有効」と話している。
冷めた反応が返ってくるのをおそれ、声をかけるのをためらったことがある上司・先輩のみなさん、新人たちは待っていますよ。
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