変わる大学生の就活 ナビサイト2強時代にも変化の兆しが

2020年09月01日

大学生の就職活動のファーストステップといえば、就活関連サイトへのエントリーかもしれません。数ある企業の中から希望する企業を選び・調べる情報収集だけでなく、企業の選考にエントリーするなど就活に幅広く活用されています。

代表的なサイトは「マイナビ」と「リクナビ」、長らく2強時代が続いています。

掲載社数は、マイナビ2万7142社、リクナビが2万3823社と幅広い企業が掲載され、サイトから選考にエントリーできるためです。ところが、新型コロナウイルスの影響が大きく、オンライン化など劇的に変化した、ことしの就職活動では、変化の兆しがみえてきました。

人事に関連する調査・研究を行っているHR総研では楽天みん就と共同で、2007年から毎年、大学生へのアンケートを通じて、最も利用した就職関連サイトについて調査しています。

来春卒(2021年卒)学生を対象にしたこの調査(1496人回答)、文系学生の回答結果です。

文系学生が1年を通して最も利用した就職サイト


今年の春卒業した20年卒は「マイナビ」「リクナビ」の1位,2位でした。
ところが、21年卒では「マイナビ」が48%で1位と半数近くを占めていますが、「リクナビ」は2位から3位に下がりました。「最も利用した」と回答した学生の割合も20年卒の27%→21年卒13%と、14ポイントも下がり半減しています。

「リクナビ」の利用率が大きく下がった背景には、去年、学生が内定を辞退する可能性を数値化して企業に提供していたことが問題視されたことも大きく影響しています。

大学生が、「マイナビ」、「リクナビ」に登録するきっかけのひとつは、大学での就活ガイダンス(説明会)で紹介されることですが、問題発覚後、「リクナビ」を紹介しないとした大学も相次ぎました。

ただ、それだけでもなさそうです。

2強時代に割って入ったのが、新興勢力の就職口コミサイト「ONE CAREER」でした。「ワンランク上のキャリアを目指す」というコンセプトのもと、企業の紹介だけでなく、先輩たちのエントリーシートや面接での体験談が掲載されているのが、人気を集めています。

「エントリーシートでどんなことをかけばいいの?」、「どんな選考になっているの?」
など就職活動のリアルな情報を大学生が求めているといえます。

従来のマイナビ・リクナビにはない情報を学生たちが求めている面もありそうです。

続いて理系学生からの回答です。

理系学生が1年を通して最も利用した就職サイト


1位2位がマイナビ、リクナビ、ですが…20年卒では「リクナビ」「マイナビ」の順だったのが、「マイナビ」「リクナビ」となったほか、「リクナビ」は38%→20%と大幅にシェアを減らしています。文系と傾向は大きくは変わらないようです。


【3月以降になると就職ナビの利用率が下がる?】

調査では、もうひとつ興味深い結果がでています。2月以前と、就職活動の広報活動が解禁される3月以降とでの利用状況を比較した結果です。

この調査は、「最も利用したサイト」ではなく、複数回答で「利用したサイト」を尋ねたもの。

文系学生が活用した就職サイト


調査では、2月までは1位「マイナビ」(90%)、2位「リクナビ」(81%)となっています。

しかし、3月以降になると、1位「マイナビ」(84%)、2位「楽天みん就」(75%)、3位「リクナビ」(73%)と、就職ナビの「リクナビ」と就職口コミサイトの「楽天みん就」が逆転しています。

「マイナビ」、「リクナビ」とも3月以降の利用率が下がっていますが、就活生の口コミを掲載する「楽天みん就」は利用率が上がっています。

就活では、希望する企業を探したり、インターンシップにエントリーしたりといった「選ぶ」ための情報収集と選考で内定を得る「受かる」ための情報収集とにニーズが分かれます。

HR総研によると、学生にとって「マイナビ」や「リクナビ」といった就職ナビサイトは、インターンや選考への参加登録を行うことが主な利用目的になってきているそうです。

2月までは企業を調べたり、インターンシップに参加登録をしたりする学生が多く、利用率が高くなりますが、就職活動が本格化する3月以降は、「受かる」ための利用が増えていくため、口コミサイトの利用が相対的に上がってくると分析しています。

エントリーシートや面接課程などリアルな「受かる」ための情報を掲載したり、登録した学生に企業側から選考を「オファー」するサイトが登場したりするなど、就活関連サイトは多様化してきています。

これまで主流だったマイナビ・リクナビだけではなく、場面や状況に応じて、就活生がサイトを使い分けているということが結果から読み取れます。

新型コロナウイルスの影響もあり、今後も就職活動を取り巻く環境は変化していくとみられます。こうした状況の変化や就活生のリアルな情報を知りたいというニーズを背景に、就活関連サイト市場も競争と変化が今後大きくなりそうな結果となっています。

 

 

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