2020年07月27日
インターンシップと言っても、長期や短期などいろいろあるようで、最初はわからないですよね……。応募にあたっての考え方やエントリーシートにどう取り組んだらいいのかなど、就活生が迷うあれこれを、就活クチコミサイト「ワンキャリア」の多田薫平さんと佐賀駿一郎さんに、学生リポーターが聞いてきました。
(聞き手:白賀エチエンヌ 堤啓太)
インターンシップは長期と短期がありますが、違いって何ですか?
長期インターンシップは実務をやることになりますよね。短期のインターンシップの多くは新規事業の立案だったり、必ずしも実務に沿ったものとは限りません。
なるほど。
長期インターンシップにも、本選考に繋がるだろうってものと、内定には直結せずとも自分の成長のために行くっていうものがあります。
ベンチャー企業の長期インターンは後者の場合も多いんじゃないでしょうか。
長期インターンシップの中にも2つの形態があると。
そうです。
長期と短期、どちらのインターンシップを選んだほうがいいってありますか?
そもそも長期と短期っていう切り口で考えるのが違うかなと思います。両者ともメリット・デメリットがあるから。
「なぜインターンシップに行くのか」が決まっていればいいんです。おふたりは、そもそもインターンシップに行く目的って何だと思いますか?
やっぱり社会に出る前に、大人の世界で経験を積んでみたいです。
僕は、業界分析や企業分析も含めて、自分の目で見てみるのが大事かなと。
なるほど、いいと思います。
僕はインターンシップの目的って「受かる」と「選ぶ」の2つの視点があると思っていて。
どういうことですか?
「受かる」ためのインターンシップの参加は、“内定直結”だからというのがまさにそうだし、社員がどんなことを話していて、それを志望動機にどう繋げるかって考えるのもそうだと思います。
「選ぶ」ためは、社員さんどうしの話している雰囲気とか、どんなフィードバックをくれるのかとか、上司と部下の関係を感じ取ることが目的になると思うんですね。
なるほど。
どっちの目的の方が良いのかではなくて、自分がどういう目的でインターンシップに行くかっていうところが重要だと思っています。
その時にいちばん頭に入れておいて欲しいのが、時間は有限だということですね。
例えば6ヶ月のインターンシップに行ったら、その間、短期のインターンシップへの参加が厳しくなって、参加できる企業数は減りますよね。
1社に長くいると、そうなりますよね。
そうです。長期のインターンシップは、その会社の細かい業務内容への理解を深めるには役立つと思います。
でも、それを同じ長さ・同じコミット具合で各社を比較して回ることは難しいので、数を見て比較していくことに関してだと、長期は向かないですね。
だから、「受かる」「選ぶ」の目的によってインターンシップの使い分けを意識したほうがいいってことですね。
正直、就活生からすると「受かるため」っていう考えがめちゃくちゃ多いと思うんですよ。でも大人は多分「選ぶ」っていう観点でフィードバックをするので、ズレが生じるんですよね。
わかる気がします。
みんな内定取るためにどうしたらいいかって考えているから仕方ないと思うけど、やっぱり「選ぶため」っていう考え方も絶対に持ってほしいなと思っていて。
インターンシップの中で、会社と合うと思った理由、違和感を感じた理由をちゃんと言語化することを目的にしてほしいなと僕は思っています。
夏のインターンシップってどれくらいの数を出すのが普通ですか?
適切な数は就活にかけられる時間と1社あたりにかけられる時間を考えれば決まると思います。
例えば就活に使っている時間が1日あたり平均2時間で、インターンシップまでの残りの日数が60日だとすると、就活準備には120時間使えるじゃないですか。
はい。
で、1社あたりの準備時間を考えた時に、大体8時間くらいかなと。
そうすると120÷8時間で大体15社くらい見られるってなりますよね。
たとえば、体育会系の学生だと、1日に割ける時間数は少なくなると思うので、見られる企業数は減るかもしれない。体育会系の学生に限った話ではないと思うので、その人によって違います。
でも少なくなること自体が悪いわけではないんですよね?
全く悪くない。むしろ部活などは頑張って欲しいので、忙しい中でどうやったら時間を作れるかを考えてほしいですね。
インターンシップ選考のESを書くにあたってポイントってありますか?
「ガクチカ」と「自己PR」については、「わかりやすいかどうか」っていうポイントが抜けちゃっている人が多くて。
みんなコンテンツの中身を重要視して詰め込みまくるので、わかりにくい文章になるんですよね。
今までES1万枚くらい見てきましたけど、わかりやすかったのは5人くらいですもん。
わかりやすいESってどんなものですか?
ガクチカであれば、目標と現状、それを埋める課題は何で、それに対して行った施策は何で、その結果何が生まれたのか、といったことを考えなければいけません。
目標は「なぜそれを掲げたのか」をきちんと書く必要があるし、課題については大体の人が捉え違いをしたまま書いてしまっています。
どういうことですか?
目標とのギャップをね、課題と捉えてますよね。
そうそう。
ビジネスの話に置き換えたらわかりやすいかなと思うんですが、例えば営業での受注金額の目標が200万円で、現状100万円まで達成しているとします。
目標金額までの残り100万円を埋めるための”課題”を考えた時に「テレアポする数が少ない」、「テレアポはしているけど実際にアポに行っている数が少ない」、「アポには行っているけど受注する数が少ない」って出てきますよ。
はい。
みんなのESは大体これを書いて終わってるんです。でも、これ本当の課題じゃないですからね。
課題は原因とセットで書かないといけないんですよ。でも「テレアポの数が少なかったのはなぜ?」という問いに答えているESってほとんど見たことないです。
原因を突き詰めていないから、ガクチカとして内容が薄くなってしまう……?
おっしゃる通りです。だから大体のESで施策と課題がずれるんですよね。
ESをちゃんと書けているかどうかって自分だけでは判断しづらいと思うんですが、誰かに確認してもらった方がいいですか?
先輩に見てもらえばいいと思いますし、見てもらえる先輩がいないのであれば、他の人のESの構造を見てみるのがいいと思います。
構造…?
他のESを見て、「課題が抜けてるな」「これは原因が抜けてるな」とかがわかり始めたら、自分のが書けるようになります。
みんな他の人のESを見るときの見方が違うんですよ。コンテンツの中身ばかりに目がいってる。
ああ、たしかに。
もちろん会社のレベルが高くなればなるほどコンテンツも重視されるようになってくるんですけど、大体は言いたいことが伝わっていないのが理由で落ちているんで。まずはそれを解決するところからですね。
志望動機についてはどうですか?
そもそもあんまり聞かれないんじゃないですかね。本選考で志望動機を聞くのは、自分たちが採用する上で必要な情報だから聞いているわけで。
インターンシップの段階では学生もまだあまり考えられていないし、企業側も今からその情報をもらってもあまり意味がないので、そんなに聞かないと思いますね。
そうなんですね。
インターンシップの段階では、「スキルは高いけどまだ自分たちに興味を持ってもらっていない…っていう学生も呼びたい」と企業側は思っているので、そうすると志望動機はあまり重要視されなくなりますよね。
たしかに。
それでも聞かれる場合はあると思うんですが、インターンシップの志望動機は多くの場合、「入りたい」というより「知りたい」になるじゃないですか。あいまいな志望理由だと、みんな似通ってしまうと思うんですが、どんなことを意識して書けばいいですか?
「過去の環境」から考えて抽象化してみて、企業が大事にしているところとマッチさせたりすることですかね。
例えば、「サッカーチームのリーダーをやっている中で組織を改善していくことに興味があって、そういった事業に力を入れている御社が合っていると思ったので志望します」とか。
「この点が気になって…」など知的好奇心からくる志望動機でも大丈夫ですか?
はい。
ESって、「会いたい」と思えるネタを持っているかとか、会いたいと思えるコミュニケーションができているかどうかを見ているんですよ。
あとは面接で聞こうかなと思うことが散らばっていればいいなっていう感じなので、志望動機もその判断材料の1つと考えてもらえば大丈夫です。
【就活ゼミ的夏期講習 インターンシップシリーズ】
▽短期?長期?志望動機は?応募の時に迷うこと
▽「オンラインはウソがバレやすい」ってどういうこと!?
▽注目すべき「4P」って何?
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