新型コロナで就活さらに早期化か 22卒(大学3年生中心)向けインターンも開始

2020年06月19日

新型コロナウイルスで激変している就職活動。2021年卒の学生(大学4年生中心)の就活は長期化する傾向です。一方、その1学年下の代、2022年卒の学生(大学3年生中心)を対象としたインターンシップを早くも実施した企業も出ています。就活は、どこに向かうのでしょうか?

6月13日から14日の土日、IT関連のベンチャー企業が開いたインターンシップ。
会場は、都内にあるオフィス。

とは言っても、会場にいるのは社員だけ、学生の姿はありません。

新型コロナウイルスの感染を防ぐため、インターンシップはオンラインでの開催
学生は、それぞれの自宅から参加します。

オンラインで結んで、2日間、課題の解決を進めていく方式です。

【早期化する就活 他社に先駆け実施】

インターンシップを開催したのは、デジタルマーケティングとコンサルティングを行う「CINC」、社員80人ほどのIT関連のベンチャー企業です。
オンラインのインターンシップを開いたのは初めて、6月という早期に行うのも初です。

企画した人事担当者はねらいをこう話します。

「就活が年々早期化していて、学生たちは早く動きたいと思っています。一方で、新型コロナウイルスの影響で企業の動きが止まってしまいました。私たちはベンチャーですし、他社に先駆けて学生のニーズに応えたいと思い、開催を決めました」

 

【少しでも早く就活を!】

学生たちは新型コロナの影響で変化する就活にいち早く対応しようと、インターンに応募したようです。

都内の大学に通う学生
「インターンを探そうとしましたが、新型コロナで大学のキャリアセンターも休みで、Twitterで見つけました。少しでも早く動かなきゃと思っています」

 

都内の大学に通う学生
「新型コロナでいろんなことが大きく変化すると思い、完全オンラインのインターンを体験したくて応募しました」

自分たちの就活には、新型コロナウイルスの影響がより強く出るのでは?という危機感が学生にあるようです。



石川県の大学に通う学生

「いろんなイベントがなくなった中で、いち早くオンラインでの開催ということで申し込みました。4年生が新型コロナで苦しい就活をしているのを見ているので、できるだけ早く動かなければと思っています」

 

【オンラインならではの工夫】

オンラインでのインターンシップは会社にとっても初めての経験。オンラインならではの工夫も盛り込みました。

「表情に注意」、「リアクションが大事」。オンラインならではのコミュニケーションの取り方のコツを、一つ一つスライドを使いながら丁寧に説明します。

会場では、プロジェクターを使ったプレゼンテーションのスペースを作り、役員らがかわるがわる登場する仕掛けを施しました。
オンラインでのプレゼンテーションは、長時間だとどうしても飽きやすくなりがち。
そこで、登壇者を変えることで変化をもたせ、飽きさせないのが狙いです。

【学生はオンラインに“順応”】

参加した学生は14人。宮城県や石川県など、地方の大学に通う学生も5人いました。インターンシップでは、3つのグループに分かれて、それぞれに社員が1人メンターとして付きます。

与えられた課題は、「就活ビジネスの市場調査」と、「優位性があると思うサービスに対するマーケティング提案」。すべてオンラインで話し合い、資料をつくり、発表まで行います。

ほとんどの学生がオンラインでのインターンは初で、戸惑いもあるかと思って取材していましたが、すぐに“順応”しているように見えました。

学生同士、社員からのアドバイスがなくても、Zoomのチャット機能を使ってすぐに課題を整理。
ウェブ上で同時に作業できるGoogleの文書作成ソフトで進捗を共有。
個人間の連絡や資料のやりとりにはLINE。
発表のスライドもウェブで共有しながら進めます。

学生に聞いてみると、新型コロナの影響で大学の授業の多くがオンラインになったことで、Zoomや文書の共有なども使う機会が増えて、「慣れてきている」ということです。

様子を見ていた社員からは、「すごい時代になったな」と、驚きの声も。


【オンラインでも大丈夫!?】

最後の発表も、もちろんオンラインです。スライド画面を共有しながら、成果を発表します。中には動画まで制作したグループもありました。

インターンシップを終えた学生に感想を聞いてみました。



都内の大学に通う学生

「当初はオンラインならではのスピードで戸惑いや違和感もありましたが、2日目には白熱した議論もできるようになりました。自分自身の課題もみえて、ためになりました」

 



宮城県の大学に通う学生

「実際には会えないので、空気感がつかみきれなかったところもありますが、やり遂げられて充実感があります。オンラインでの実施は、地方の学生にとっては交通費がかからず参加できるので、大きなプラスだと感じます」

 

【感度の高い学生と出会える場】

初めてのオンラインインターンシップ、主催した企業は大きなメリットを感じているようです。



CINC 石松友典 社長

「総じて、すごくよかったと思います。危機感を持ち、志も高く持っている学生と出会えました。また、オンライン環境でデジタルをフル活用して答えを出すことができる学生とつながれたことも価値があります。ただし、実際に会い、同じ場を共有してこそ一体感や親しみが生まれることがありますが、それができないことは課題です。お互いの空気感が伝わりづらいとは感じました」

一段と早期化する就活に経営者としてどう向き合うか聞きました。

「早期化するならその最短をいくしかないと考えています。新しいものに感度が高い学生にリーチするために、早くアプローチしていきます」

 

【求められるデジタルへの“慣れ”】

参加した学生と企業側からは「空気感」「雰囲気」がわかりづらいという課題も聞こえましたが、総じて「オンラインでもインターンシップはできる」という手応えが伝わりました。

新型コロナウイルスの感染拡大防止を考えれば、今後、特に早期のインターンシップはオンラインが中心になる可能性があります。学生にはオンラインでのコミュニケーションや、デジタルのツールへの“慣れ”が求められることになりそうです。

新型コロナウイルスの就活への影響、就活の「そもそも」、こちらの記事もご覧ください。

取材・構成:加藤陽平

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