2020年04月07日
大学の食堂で開かれたイベント・・・集まっているのは女性ばかり。
しかも、みんなスイーツを食べていて、まさに女子会です。話の内容は「時短」や「育休」などの話題。実はこれ、理系の女子学生たちが、大手企業の女性社員から働き方やキャリアプランを聞く就活イベントなんです。(※取材日は新型コロナウイルスの影響が出る前です)
◆斬新なアイデアの裏に、名物就活教授
イベントが開かれたのは、全国の大学の就職率を示すランキングで11位の名古屋工業大学(国公立では2位)。仕掛け人は、大学のキャリアサポートオフィス長・山下啓司教授です。
学生たちには「山じい」の愛称で慕われ、専門の応用化学の研究の傍ら、10年以上、大学の就活支援を統括しています。
大学の就活情報誌を見ても、山下教授のアイデアが。その1つが大学版の業界地図。
どこの企業に、大学のOBがどれだけいるのか分かる内容で、学生にとって企業選びの参考になる貴重な情報です。企業紹介の冊子にも「山じいのひとくちメモ」まで添えて、山下教授なりの企業の情報を盛り込んでいます。
◆企業との橋渡し 大手だけじゃない
山下教授が特に重視しているのが企業の採用担当者との関係づくり。
売り手市場のため、企業の中には採用に苦戦しているところもあり、どうすれば学生を集められるのか悩んでいるといいます。
この日は、愛知県岡崎市にある自動車部品メーカーを訪問しました。
このメーカーではエンジンなどの音を抑える部品を製造。世界でトップシェアの部品があるにも関わらず、知名度がないため採用活動に苦戦。ここ数年、大学生の採用ができていません。
山下教授は、工場の見学を終えると、会社の幹部に採用の考え方を見直すよう提案しました。
音楽が趣味の学生などが関心を持ちやすい仕事なのに、会社の説明の仕方がもの足りなかったからです。
山下教授はこう訴えかけました。
さらに、幹部自ら直接大学に来て、自身の言葉で学生に魅力を伝えることが大事だと助言しました。山下教授は中小企業に対して、半ば採用コンサルティングのようなことを行っているのです
◆東海地区では大学連携も
(教育情報通信会社の「大学通信」が2019年3月に卒業した卒業生1000人以上の大学を対象に実施した調査)
なぜ就職に強い?東海・北陸の大学 福井大・金沢工業大編はこちら
東海地区では、大学同士の連携も生まれています。名古屋工業大学をはじめ、10の国公立大学の就活担当者が、情報交換する場をつくり、毎月集まっています。
各大学が行っている取り組みや、学生の相談内容の傾向、最近増えてきている動画での自己PRへの対応など、惜しげもなく情報を出し合います。
取り組みはすでに10年を超え、ことしは初めて共同で就活イベントを企画しました。会社説明会から面接まで、就活の大まかな流れを1日で体験できるという斬新な内容です。
当初から参加している名古屋大学キャリアサポート室の船津静代准教授
こうした大学を超えた連携は全国でも珍しいとのことで、東海・北陸エリアの就活の強さにつながっているのかもしれません。
取材編集:大川祐一郎
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