2019年12月09日
前回のインタビューで、法政大学の田中研之輔教授は、5年後、10年後に自分がどうなっていたいか、何のために働くのかを大学の間にきちんと考えるべきと言っていました。学生リポーターたちは、自分たちのやるべきことが見えてきたでしょうか…?
田中研之輔さん(1)「自己分析はいらない!?」はこちらからご覧ください。
田中研之輔さん(2)「人生100年 5年後、10年後を考えて」はこちらからご覧ください。
本当に大事なのは、自己分析より未来分析、自己分析にひきつけて言うと、「自己未来分析」。
過去じゃなくて、未来を?
だって過去は何も変えられないでしょ。だけど自己未来分析だったら、何でこんなことが起きてるんだろうって、いろいろ興味が湧くようになる。
事件、事故、テクノロジーとか、いろんなパーツがあるけど、やっぱり何か自分の好きなところがあって、そこをとにかく考え抜いて、この分野に関して自分は詳しくなりたいとか、考え方としては近いとかなってくると、それに関わる職業に行けばいいわけですよ。
土井ポイント)身の回りの「当たり前」になんで?なんで?!と目を向けると、まだまだ知らないことが沢山ありました。日々のほんの少しの意識が大切だと気がつきました!
わかってきた?みんなの可能性を閉じ込める必要はなくて、人生100年あるので、大学4年で決めた1社目の内定で、みんなの人生、決まりませんから。
そんな気がしてきました。
大学を卒業して働くのは40年か50年、その先にまだ30年あるからね。だからやりたいことをやればいい。
そのために、今やらなきゃいけないことは、自己分析で過去を振り返り、限界をつくることではないんだ。自分の可能性を広げるために、未来のほうを探してほしいんだよね。
自己分析で性格とかを診断するんじゃなくて、未来分析するなかで、やりたいこととか、何十年後の自分を考えるということですか?
そう、どう生きたいか、どう働きたいか、どういうふうに結婚したいかとか、それって全部、決めていくのは自分だからね。
西澤ポイント)今まで人に聞いたり自己流でやったりしていた自己分析は、過去のことから私の嗜好やガクチカを引き出すだけのもので、たしかに就活の本質にダイレクトに関わる作業ではなかったです。自分の過去の分析をして満足して終わり、にならないよう、これから心がけようと思いました。人生100年時代で、私の考えややりたいことは沢山変わるかもしれないのに、間違った自己分析に一生囚われてしまうのは嫌です。この先5年だけでなく、何十年後にどう生きていたいかということも重視しようと思いました。
自分のやりたい道のために、企業を選ぶってことですか。
そう、我々の人生を安く売る必要ないじゃない。だって、企業はもう面倒見てくれない。トヨタ自動車の社長も、経団連の会長も、終身雇用は守れないという趣旨の発言をしているんだから。
あのパブリックメッセージは、これからは組織にキャリアを預けない、自分でキャリアを形成するということ。だからこそ、「1社目でどういう経験を積みたいからここに行く」って決めるわけ。
結果的に1社で働くことは悪くないよ。でも次の会社に移ってもいいし、転職することが負けでも何でもないから。ただ、そこで、どう成長できるかは考えてほしいですね。
じゃあ、就活は、人生の中のステップのひとつ?
本当にそうだよね。でも、いいきっかけになると思うんですよ。就活ってある種の起点となる1つの時間的な縛りみたいなもので。やっぱり大学出た時に就職しなきゃいけないと思うから、就活しますよね。
そうですね。
1年ぐらいかけて、インターンしながら、自己分析、業界分析して、自分の中で成長していく。よく企業の人が言うんだけど、3年生のはじめに会った学生が、4年生の秋に会うと劇的に変化するっていうわけ。就活ですごく成長するの。
だけど、成長しない学生もいます。それは、1つは、自分の中に答えがあるという考えに縛られ、自己分析の罠にはまった学生。
そうなんですね。
就活中って色んなフィードバックをもらうんですよ、そのフィードバックをもらって変わっていけるかどうかなんです。
さっき、コンビニで発注してほしいっていう話をしたけど(※詳しくは(1)をご覧ください)これもフィードバックだよね。発注して物が多すぎて、野菜が売れ残ったら食品ロスだよね。
ということは、それは1つデータから反省できるフィードバックをもらったということじゃない。それを店長に「ちょっと今日の発注は多いですね」と提案したりしていくと、社会人と大学生の垣根なんてなくて、作り手か、作り手じゃないかってだけ。
ビジネスマンもいろんな人がいるけど、頭を動かしてない人はもう消えていく、だって物事の本質がわかっていなければ変化に対応できないから。
作り手側になることが大事なんですね。
大事だよね。作り手側になって見えてくる世界があるからね。
プレ社会人になる為に、「なんでなんで?!」精神を身につけます!(土井)
自己未来分析で自分が将来どうありたいかの核を見つけて、その本質に繋がる仕事を就活する中で見つけていけたら良いなと思います。(西澤)
自分の過去の経験を深掘りする作業は、それを自分の将来の働き方とマッチングさせる作業まで行なって初めて生かされるのだなと感じました。過去の自分をヒントに5、10年後に自分がどうありたいかを探ってみようと思います。(勝島)
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