WEB面接やAI採用など、次々と新たな手法が取り入れられる新卒採用。最近、特に学生を悩ませているのが「自己PR動画」の提出だ。
カメラの前で、1分程度の自己PR動画を撮影し、企業への提出が求められる。新たな潮流に対応しようと、撮影のための専用スタジオを提供する大学も出てきた。

動画を撮る場所に困る学生
「自己PR動画を撮るために、ピアノスタジオを計3回レンタルしました」と話すのは就活を経験した2020年卒の男子学生。

自宅で撮影すると、雑音が入ったり、背景がごちゃごちゃしたり、カメラとの間に十分なスペースが取れないなどの障害があるという。

友人にカメラを持ってもらったり、手持ちのタブレットを活用するなど撮影は手探りで、スタジオのレンタル料負担に加えて、動画を企業に提出するための許可を取る必要があるなど、ハードルは高かったという。

就職情報サイト「ディスコ」の調べによると、2020年卒の就職活動では、31.3%の学生が自己PR動画の提出を求められ、23.2%の学生が実際に動画を提供した。

学生からは「面接官の顔を見ながらの方が反応を確認できるので話しやすい」、「場所の確保も必要でやりづらい」といった意見もあった。

一方で「文字だけでは伝わらない雰囲気など様々なことを伝えることができる」、「遠方の企業へのエントリーも気軽に行うことができる」など肯定的な声も寄せられた。
(「7月1日時点の20卒就職活動調査～キャリタス就活2020学生モニター調査結果」より)

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大学が用意しました!
埼玉県草加市の獨協大学は、自己PR動画を活用する企業の増加を見越して、就活生に専用の撮影スタジオを開放した。

就活生がクオリティーの高い動画を自分で制作できるように、これまで語学の教材作成などに使っていた学内スタジオをリニューアル。

獨協大学には、自己PR動画の提出を求めることが多い航空業界やアナウンサーなどを志望する学生が多く、スタジオを無料で使用できるようにした。

スタジオ内には、スマートフォン用の三脚や、ビデオカメラ、ハンドマイク、音響ミキサーのほか、顔映りがよくなるオレンジ色の光を配したLED照明なども備え付けた。

同大総合企画課は「動画の提出という採用方法は今後も拡大していくと思うので、学生たちには気軽にスタジオを使ってもらいたい」と話している。