2019年07月18日
大学生の採用活動では、自己PRを撮影した動画の提出など動画選考を取り入れる企業が出始めている。ただ、自己PR動画や録画面接は“負担感が大きい”と抵抗感を持つ学生も多いようだ。
動画選考のおもな方法は、1分程度で自己PRなどを録画し提出する「自己PR動画」。パソコンやスマートフォンなどで、あらかじめ設定された質問に対する答えを動画に撮って提出する「録画面接」がある。
学生がつくった自己PR動画より
2、3年前から本格的に採用試験に取り入れる企業が出てきたため、就職情報サイト「ディスコ」が来年3月卒業予定の大学生、大学院生1261人に行った「2020年卒7月1日時点の就職活動調査」の中で、初めてアンケートを行った。
調査によると、就職活動で自己PR動画を求められた学生は31.3%。その内23.2%が実際に動画を提出した。また、録画面接は求められた経験が、16.4%で、実際に提出したのが13.6%、WEB面接は19.7%の学生が経験した。
動画選考未経験の学生も含め、賛否を尋ねたところ、自己PR動画と録画面接については賛成が3割程度。「反対(利用したくない)」と「どちらかといえば反対」をあわせて約7割と否定的な意見が多かった。
前向きな意見としては、「動画でなら、文字だけでは伝わらない雰囲気など様々なことを伝えることができる」といったもの。
一発芸の“ゾウさん” 選考は無事通ったそうですが「負担は大きい」とのこと。
否定的な意見としては、「きちんとした動画を撮影することが難しかった」、「録画面接は場所の確保も必要でやりづらい」、「自宅に Wi-Fi 環境がないので、もし要求されていたら撮影場所に困っていた」といった声があった。
一方で、採用担当者と学生がインターネット上で動画を通してライブで話す「WEB面接」は賛成が約6割。
「WEB 上で選考を行うことで、遠方の企業へのエントリーも気軽に行うことができる」、「1次面接はどの企業でも同じような質問をされるのに、移動時間を加味してスケジュールを組んだり、会場に足を運んだりするのが大変だったので、WEB でできるとありがたい」といった意見があった。
ディスコは、「WEB面接は、地方の学生を中心に、交通費が削減できるなどの理由で支持が広がっている」と話す。
一方で、学生に否定的な意見が多い動画選考を取り入れる背景については「従来のエントリーシートでは、決まった書き方をする人が増えて個性が見えづらくなっていることもあり、より多様な学生が見たいというニーズに合致している」と分析している。
また、学生からは、「自己 PR 動画は、志望度が高くなければやらないほど面倒なので、スクリーニングになると思う」、「企業側の労力削減のように感じられる」との見方も。
自己PR動画を求められた学生のうち、8.1%の学生が提出しなかったことからもうかがえるように、“提出型”の動画選考では心理的なハードルが上がるのも確か。
ディスコによると、ある大手企業では、自己PR動画の導入でエントリー数を前年比7割減まで絞ったところもあるという。人気企業では、早期の選考段階での学生選びを効率化したいとの思惑もありそうだが、学生の抵抗感は大きいようで、今後の動向が注目される。
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