就活ニュース

就活のギモン「ESに弱点を書くのはありですか?」

2019年04月26日

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就活生の皆さんから寄せられた疑問に答える新コーナー「就活のギモン」。

NHKに寄せられた質問に、リクルートキャリア就職みらい研究所所長の増本全さんが答えます。

 

 

今回のギモンは「エントリーシート(ES)に弱点を書くのはありですか?」

就活真っただ中の学生リポーターが聞いてきました。

工藤:エントリーシートって自分のことを良く書かなきゃと思っちゃってます。

増本さん:そうですよね、わかります。

井山:弱点を書くのもありですか?

増本さん:弱みを書くこと自体はありだと思いますが、その点が自身の持ち味をどのようにPRできるか?が重要です。自分らしさを伝える上で必要であれば良いですね。

工藤:例えば「いじめられた経験がある」(と書くのは)はマイナスですか。

増本さん:これは×ですね。(マイナスではないです)

工藤:どうしてですか?

増本さん:企業の人事の方は、その人らしさを理解したうえで採用したいと思っているからです。

工藤:といいますと?

増本さん:(つらい経験を)まだ自分自身で消化されていない場合は、無理して話す必要はないですが、過去の経験を振り返って、それが今の行動や価値観に影響している経験となっているのであれば、自分らしさを伝える素材になりうると思います。紛れもなく(自分に)身に付いている力だといえるので。

工藤:ただ「いじめられました」「辛かったです」より、そこで学んだものを書いた方がいいってことですよね。

増本さん:おっしゃる通りです。「ガクチカ」と言われているような「学生時代力を入れたこと」という質問に対する答えと考え方は一緒です。

「全国大会1位になりました」「レギュラーになりました」といった実績は結果論であって、それよりも、その実績を達成するプロセスで何を学んだか、どういう力がついたかが大事ですね。

井山:なるほど。きちんと自分の言葉で語れれば、サークルの幹事長をした、とかよりも、いじめられていた経験の方が意外と採用の方には響いたりしますか?

増本さん:そうですね。いじめられていた、という出来事自体を記載するのではなくて、その経験からどういうことを学び取ったのかとか、それを克服するために自分はこういう課題に着目して、クリアするためにこんな努力をしたら周りからの見られ方が変化した、などの経験のほうがよいですね。

井山:自分の考えを書くとき、その会社のビジョンに合わせて自分を偽ってしまうことが結構多いと思うんですけど。

増本さん:ありますね。

井山:ありのままの自分がいいか、少し合わせにいった方がいいのか?

増本さん:ありのままがいいです。

もう1つは、共感の接点というのが大事なんだと思うんです。

井山:共感の接点?

増本さん:企業に合わせにいくのではなく、自分自身の持ち味ややりたいことがあった上で、そこが企業に共感しているかどうかが大事です。

人事の立場になって考えてみると、その会社にフィットしているか、同じ方向を目がけていけるか、なぜそう思うのかが知りたいので、それが言えることはすごく大事だと思います。

工藤:合わせていってるか、本当にマッチしてるのか、わかるものですか?

増本さん:究極、ホントかどうかまでは最後までわからないですが、なぜそう思うか、それがどういう経験からきているのかで、(学生さんが)どこまで考えているのかとか、本気か、とか、そういった事はすごく見えてくると思います。

工藤:どういうことですか?

増本さん:学生にとても人気のある、お菓子メーカーの人事の気持ちになって考えてみましょう。

「幼い頃から貴社のチョコレートを食べて育ってきたので、(製品が)好きで、御社に入りたいです」っていう志望動機をたくさん見てきました。
じゃあ採用できるかというと、製品が好きなだけでは、やっぱり情報が足りないです。

入ったら会社の価値を広げてくれる人ですか?とか、投資に値する人材ですかという事が書かれておらず、製品が好きだとしか言ってない。

製品が好きな方がいいとは思いますが、究極は嫌いでも良いわけです。

「嫌いなんです、でもその企業が目指す世界や提供価値を私もさらにこういうふうに作っていきたいし、こういう価値を届けたいからチャレンジしたい」でもいいわけですよね。

井山:採用担当者の方に聞かれたなかで、言葉遣いでびっくりしたエピソードなどはありますか。

増本さん:エントリーシートに「(笑)」があった時にちょっと驚いた、というのは聞いたことがあります。

井山:ああ・・・(苦笑)

増本さん:ビジネス文書なのでさすがに「(笑)」は書かないですよね。

工藤:「(笑)」は、なしですね。

井山:もうひとつ、自分で書いていて「です・ます調」で書くのか「だ」で終わらせていいのか、結構悩みます。そこって関係あったりしますか?

増本さん:いや、あんまりないですね。伝わりやすい文章かどうかが大事です。体言止めや限定的な表現のほうが書きやすいという人もいれば、口語調の方が自分らしいという人もいるので、あまりこだわる必要はないのかと思います。ただ文章の途中で語尾が変わるのは一貫性がないので気を付けた方がいいと思います。

 

【増本さんのギモンの答えまとめ】

●経験そのものではなく、経験から何を学んだのかがポイント。

●会社のビジョンに合わせず、ありのままの自分の考えを。どこに共感したのか、なぜ同じ方向を向いているのかが大事。

●(笑)は、やめよう。ビジネス文書です。


●「です・ます」調でも「だ」調でもOK。ただ、一貫性に気をつけて。

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