例年よりも早いペースで進んでいる就職活動。企業が内々定(「採用通知」はまだ出さないが、採用予定と伝えること)を出す時期も去年より早まっているようです。ただ、この売手市場の中、“内々定を出した学生が入社してくれるのだろうか”と企業側も頭を悩ませているようで…。

「採用したい!」企業側に焦り?

調査は、就職情報会社「マイナビ」がことし2月から3月にかけて国内の企業に回答用紙を郵送するなどして実施(約1500社回答)。ことしの調査では採用予定数を前の年より「増やす」と答えた企業が多くなっています。

一方、採用の見通しは、「厳しくなる」「非常に厳しくなる」と答えた企業が過半数超に。
「エントリー数の不足」(文系73.9%、理系76.1%)や「内定辞退の増加」(文系44.2%、理系39.0%)が理由として挙がっています。

 

企業の採用活動は前年より前倒しで進んでいるようです。

3月に内々定を出し始めるという企業は、15.3%と前年より6ポイント近く増加。

73%の企業が5月までに内々定を出し始めるとしています。

内々定辞退しないで・・・企業の対策に変化

内々定を出す時期が早まっているのに伴い、企業が「内々定辞退対策」を始める時期も早まっているようです。

具体的にどのような対策を取る予定なのかを見てみると・・・

 

「人事との面談」や「社内見学・工場見学」が5ポイント以上減に対し、大きく増えているのは「懇親会(飲み会)」です。

「懇親会(飲み会)」を実施するという企業は2017年卒から年々増える傾向。
企業全体では75.1%が、上場企業だけを見ると82.4%が実施しているということです。

マイナビでは「ここ数年の採用難を受けて企業の間に競争意識が働き、内々定を出す時期も早まっている。学生は十分に企業を理解していないままに内々定を得て、意思決定を迫られるケースも増えるおそれがある」と分析しています。

学生に対しては「企業のイメージを重視する社会の風潮もありますし、(学生の)意思決定を無理強いするようなことまでする企業は多くはないです。内々定を得たものの選考中の企業がある場合、優先順位をつけた上で、誠意を持って企業に説明をすることが重要です。納得がいくまで活動を続けましょう」とアドバイスしています。