教えて先輩!パラレルワーカー伊藤美希子さん【後編】

2つの仕事をこなす「時間の活用術」

2020年12月11日
(聞き手:伊藤七海 白賀エチエンヌ)

東京と岩手、それぞれでの仕事を同時にこなす生活を送る「パワレルワーカー」の伊藤美希子さん。一体、どうやってその忙しい日々をやりくりしているのか。伊藤さんの「時間の活用術」に迫りました。

秘訣は“見える化”

伊藤美希子さん

東京のマーケティング会社に勤めるかたわら、1か月の3分の1を岩手県南部に位置する住田町で過ごす。住田町では一般社団法人の一員としてまちづくりの支援に携わっている。

学生
白賀

現在は主に住田町にいらっしゃると。

そうです。新型コロナの感染拡大の影響で、3か月に1回ぐらいしか東京に戻れないんです。

伊藤さん

東京の借家は1度引き払って、東京のオフィスへ行く時は神奈川の実家から通っています。

伊藤さんが2つの仕事をかけもちする理由はこちらから
教えて先輩!パラレルワーカー 伊藤美希子さん【前編】

学生
伊藤

東京での仕事はどうされているんですか?

基本的には全部リモートなので、朝から夜まで住田町で東京の仕事をしてます。

では今は、住田町での時間が長くなっているんですね。

そうですね。東京と岩手を自由に行き来できないのは、私にとっては寂しいことです。

ここにある「社内ミーティング」や「打ち合わせは」東京の仕事ですか?

そうですね。日によっては、この時間帯に住田町での仕事が入る場合もあります。役場との打ち合わせや地域の公民館への訪問とか。

あと気になったのが・・・町のテレビ?

住田テレビという地元のケーブルテレビがあって、町のいろんなイベントを取材しているんです。町の人は1回は出たことがあると言われていて、私も出たことがあります!

えーすごい!

町の人のインタビューやイベント情報が流れるので、見るようにしています。私たちも地域の支援をしているので、町で何が起こってるかなって。

「同僚からシェアされたもの」というのも目につきますね。

「こんな記事が出てたよ」というのが、プロジェクトのメンバーの間でシェアされるので、打ち合わせの合間に読んでいます。

どんなニュースをシェアするんですか?

世の中の大きなニュースや気になったものとか。これはダメというのは特にないです。皆の幅広いアンテナを共有してる感じかな。

2つの仕事を同時にやっていて、どうしても片方がすごく忙しい時期があると思うんですけど・・・

あります、おっしゃるとおり!

そういう時に工夫していることはありますか?

何時から何時までは何の作業をやるとか、毎日小刻みに付箋に書き出してカレンダーに貼っています。

だらだら仕事をしないように「絶対にこの時間までに終わらせる!」と思って書き出しています。

なるほど。

それで、計画どおりにできているかチェックすると・・・大体終わってないんです(笑)

でも終わっていない事も見える化されるので、やっぱり大事だなと思って今も続けています。

東京の仕事も住田町の作業も全部一緒に書いて、優先度をつけてさばいています。

スケジュールを完全に見える化してるんですね。

そうですね。それでも漏れてしまうんですけどね、人間だから(笑)

仲間に申し訳ないと言いながら、納品までにはしっかり終わらせますけど、途中はだめだめです(笑)。

(笑)

一番の魅力は「人」

住田町のどんなところが好きなんですか?

自然豊かな所で山もきれい、川もきれいだけど・・・。一番好きなところは「人」ですね。

そう感じたきっかけってどんなことですか?

お祭りに参加した事だったかもしれません。

地元の祭りやイベントによそ者なんだけどみんなが入れてくれて。こっちの言葉だと「はめる」って言うんですよね!

「はめる」ですか?!へぇ!

はい。だから「はめてもらってありがとうございます」って言うんです。

「はめて」もらって、地域の人たちと交流した時に「次いつ来るの?」と声をかけてくれたことが私にとっては喜びとなり、通い続けた原動力になりました。

震災から10年が経とうしていて、被災地への関心が薄れてきた面もあると思うんですが、岩手に通い続ける中でなにか変わってきたと感じますか?

ニュースで報道されるのは3月11日付近がほとんどですし、皆さん自分の生活もあるから、しかたがないことかなと思います。

一方で、住田町に来たボランティアどうしが、今でもつながっているんです。

へえ!

その人たちは今でも住田町に来てくれているので、忘れてない人たちはいるんじゃないかなと思っています。

その縁は住田町にとって大切ですし、私たちを支援してくれる人たちとしても大切なので、今後も丁寧につなげたいと思っています。

仕事は「つながること 関わること」

伊藤さんにとって「仕事」とはなんでしょうか?

大変難しいテーマです。私、「ワークライフバランス」っていう言葉が嫌いなんですよ(笑)

どういうことですか?!

仕事と人生とは切っても切れない関係だと思うんです。

だってライフの中にワークじゃないですか。「オン」と「オフ」という考え方もあまり好きじゃない。そういうふうに切り替えたくないというか…。

だからライフにしようと思ったんだけど、それだとちょっとパワハラっぽくなるかもって思って(笑)

新鮮な意見でした!

だからこれにしました。「つながること 関わること」。

仕事ってどんなに1人でやっていても、相手にお客様がいたり、その先にエンドユーザーがいたり、人と確実につながらなきゃいけないものです。

仕事って社会とつながったり人とつながったりする事だと思うんです。

そこから得られるものはたくさんあるし、そのつながりを大切にする事が仕事かなって思いました。

「失敗はデータだ」

学生へのメッセージをお願いします。

友人が教えてくれて、大事にしている言葉があります。「失敗はデータだ」です。

「おもしろそうかな?」って思うものがあれば迷わずにチャレンジしてみたらいいんじゃないかなって思うんです。

もしうまくいかなかったとしても、それは失敗じゃなくて、自分には合わなかったという証拠なんだと思います。

もちろん人間だから失敗して落ち込むんだけど、新しいことにチャレンジすると、きっと面白いことが起こるはずです。

だから学生の皆さんには、恐れずにチャレンジしてほしいと思います。

私も、今後、本業のマーケティングの知識や経験を生かして、住田町にどう貢献できるかを考えたいと思っているんです。

なるほど、徐々に境目を越えて行こうと。

今更なんですけどね、10年近くも通ってるのに(笑)

大変刺激になりました。きょうはありがとうございました。

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