教えて先輩!「リーマントラベラー」東松寛文さん【前編】

旅で、流されていた自分が変われた

2019年12月20日
(聞き手:鈴木マクシミリアン貴大 土井湧水 伊藤七海 )

平日は大手広告会社でサラリーマン。週末は世界を回るトラベラー。自らを「リーマントラベラー」と名乗る東松寛文さん(32歳)。かつては、忙しく働く事を当たり前と思っていたそうですが、「旅」をはじめてから生き方の全てが変わったそうです。

大学生リポーターと東松さん。この日は仕事を終えてから取材を受けてくれました。

週末は64時間

学生
鈴木

よろしくお願いします。さっそくですが、平日は働いて、週末に出かけているのですか?

はい。週末って考えると、皆さんは、土日って思うじゃないですか。でも僕は違うんです。

東松さん

金曜日に仕事が終わった瞬間から、月曜日に仕事が始まるまでを週末だと考えています。

48時間以上あるってことですね。

64時間あると思っています。48時間だと厳しいけど、64時間って考えると、意外といろいろな海外に行けちゃうんです。

きっかけは1枚のチケット

学生
伊藤

サラリーマンになる前から海外旅行に興味があったんですか?

もともと旅行は全く興味なかったんです。大学時代は4年間アメフトをやっていて、国内旅行すら行ったことがない状態でした。

そうだったんですね。

社会人3年目までは、平日は電車がなくなるくらい働いて、飲み会があったらタクシーで帰るみたいな生活を当たり前のようにしてました。

これを頑張ればいつか報われると思ってやったんですけど。いつまで経っても報われないんですよ。

社会人3年目までの東松さんの週末スケジュール。「仕事」と「合コン」が中心だったそうです。

ちょっとハードな大学生みたいですね。

そうそう。むしろ大学生と大人をどっちもやってる感じでしたね。そんな中、現実逃避がしたくて・・・。

中学、高校とバスケ部だったのでNBA(全米バスケットボール協会)の試合を観たいと思って。とりあえず、チケット調べてみたら、プレーオフが8000円くらいだったんですよ。

思ってたより安いんですね…

そう安い。それで夢が見られるんだったらいいなと思って買ったんですよ。

でもチケットを買っても(休めないから)行けるはずがないと思って、職場のデスクに飾ってあったわけですよ。

デスクに飾っていたというNBAのチケット

職場のチームの中では一番年齢が下だったので、なかなか(休みたいと)言いだせなかったんです。そこで、チケットを辞表のように、懐に入れて上司のとこ行ったんですよ。

勇気を出して言ってみたんですね。

めっちゃ不安だったんですが夢を語ったら休んでいいよって言われて。ゴールデンウィークの4連休と合わせて5連休にしてロサンゼルスに行きました。

それが旅を始めたきっかけだったんですね。

ロサンゼルスの衝撃

そのロサンゼルスの旅で衝撃的なことが3つあって

1つがバスケを見られたり、現地の人と交流したり、大学生のアメフトの練習まで見に行けたり・・・。5日間で予想以上に楽しめちゃったんですよ。

観戦したNBAの試合

2つ目が、英語が話せなくても気持ちさえ伝えれば伝わるなって。英語は意外と必要ない、ってことに気づいたんですよ。

当時TOEIC400点台でしたから全く話せなかったわけですよ。「I want to go  to hotel」って言葉くらいしか知らないから。でも、大丈夫だったと。

カフォルニアの海岸線でサイクリングを楽しむ人

3つ目が一番大きかったんですね。ロスには、平日なのに人生を楽しんでる大人がたくさんいたんですよ。

昼間からテラスでお酒飲んでたり、サーフィンしてたりとか、僕からすると衝撃なわけですよ。こんな生き方があるのかと。世界は、すげえなと思って。

周りに流されていました

旅行を始めてから、週末も健康的になってますね。

仕事も24時までやってたのを18時までに終わらせて。

「退社、羽田空港へ」って響きがいいですね。

そう。響きがいい。土曜日は朝食でパンケーキ食ってるわけですよ。シンガポール行ったら天空のプールで朝を迎える。響きがいい!

学生
土井

気持ちは変化しましたか?

気持ちの変化しかないです。それまでは、自分に軸がないから、やりたい事がある訳じゃないので、例えば上司から「飲み会行くぞっ」て言われて予定空いてたら行くしかないじゃないですか。

「2軒目行くぞ」って言われたら「行きます!」と。「ラーメン食べるか!」、「食べます!」みたいな。

旅行する前までは自分で判断してなかったんです、流されてたんですよ。行かないと、自分がどう思われているか怖いみたいな。

二次会に行かなくて周りに評価されない事が怖い。こいつ帰るやつだと思われると仕事に影響すると思ってて。

旅行に行ってだいぶ変わったんですね。

旅行して、自分で決めた価値観に合ってるかどうかで判断するようになったんですよ。

それで、気持ちが常にハッピーになりました。自分で決めてるからだと思います。

現代美術館がいいんです

旅行に行って、自分らしさが分かる場所ってありますか?

現代美術館!
僕の中では、自分と向き合うための材料だらけなんです。

なぜですか?

普通の美術館に行くと、これは良い作品です!って作品が置かれてるわけじゃないですか。もはや他人の価値観の中での判断になっちゃうんで、自分が好きかどうかわかんないです。

現代美術館だと、その価値って人それぞれのものが多いから自分の価値で判断できるんですよ。

それまでは、周りからの判断だったのが、判断して選択する自分になっていった・・・、それが変わったことなんですね。

まさにおっしゃる通りです。

インターンは無意味!?

私たちが仕事を選ぶ時には、どういう意識で選べばいいですか?

大事な事は、いろんな会社を知る事ではないです。自分と向き合う事が一番大事なんですよ。

例えばインターンとかありますけど、行かなくていい!無駄無駄!インターンの目的ってなんですか?

その企業のことを知るため。

ありがとうございました(笑)。インターンの期間で何がわかるんですか。それは分かってどうするんだという話しですよ。

会社の人と会うと、ここで働くことは。みたいなことを学びました。

サンプル数は、1社じゃないですか。会社が世の中に無数にある中で、1社のことを深く知る時期じゃないと思うんです。

でもまあ不安だからインターン行くとします。仮にね。で、どうしたらいいかというと・・・。インターンを使って自分の事を知るんです。

どういうことですか?

インターンに行くと学校ではできない経験ができるじゃないですか。

何が起きるかというと、喜怒哀楽が起こるんです。そこで気づいたものから自己分析していくんです。

今いる場所から、離れた事で気付ける事もある?

そうです。自分のためにするんです。会社を知るためにって言ってる人が一番浅い。

浅い…

もう、ほんとに水深3cmのレベルで浅いです(笑)

(笑)

学生よ!旅に出よ

社会に対して何ができるかは、自分ありきだから、自分を見つけない限り変わらないと思うんです。

自分が何をしたいかっていう部分がすごく大事なので、僕は見つけてなかったんですけど、社会人になってから気づいたんです。だから、学生は、旅行に行った方がいいんですよ1人で。

1人で?

ベナンで地元の子どもたちと

1人で行かないと気づかないですもん。知らない街を歩いて、テンション上がったところ下がったところを書き留めたり、写真を撮ったりするんです。

僕は帰りの飛行機が好きで、自分探しの旅って言ってるんですけど、帰りの飛行機でノートを書くんですけど。

何を書いているんですか?

東松さんのノート。考えたことや将来の自分について気づいたことをかいている。

自分探しを写真見て、気になった部分をノートに書いて、なんでここテンション上がったんだっけとか。

僕は現地で自分がそこで何を思ったかとか、を書いていくようにしてますね。

好きを仕事にしない!

「好き」を仕事にしようとは思わなかったんですか?

好きをあえて僕は仕事にしようとしてないんですよ。

本業があっての趣味なんですね。

本業があるから好きなことに対してどこまでも投資できると思うんです。違ったらやめられる。

週末だけ海外に行って面白いコンテンツを発信し続けて、面白いサラリーマンだってみんなに知ってもらえれば、世界には色んな生き方があるってことが伝わりやすいと思ったわけですね。

だから僕は、好きなことを仕事にしようとは思わなかったんです。

仕事以外の軸を持つことが重要なんですね。

会社っていう軸しかないと、会社からの評価でしか自分を決めることができなくなります。

例えば仕事で大きなミスしたら、人生潰れるんじゃないかくらい思ってしまうかもしれなんですけど、僕の場合は軸が2個あるんです。会社っていう軸と旅行っていう軸、2つあるので良い転換ができてます。

海外に行っていろんな選択肢を持てた結果、今の自分らしい生き方を見つけられたと思っています。生き方には選択肢があるってことを伝えたいです。

シエラレオネ「地元の人たちと記念撮影」

東松さんは旅に出ることで自らに主体性が生まれたそうです。では、自分を見つけるためにおすすめの旅先はどこ?そして旅とは?

後編に続きます。

編集:松井晋太郎

フィリピン「ディマクヤ島で真っ青な海に向かってダイビング」

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