2019年04月24日
(聞き手:鈴木マクシミリアン貴大 勝島 杏奈)
今回の先輩は、お笑いコンビ「メイプル超合金」のカズレーザーさんです。赤が好きでプライベートでも赤い服を着るというカズレーザーさん。クイズ番組でも博識を披露しています。その情報収集方法、好きな本、意外です。学生へのアドバイスも意外なものでした。
収録いかがでしたか?
(時間が)押さなくて良かったです。(笑)
このコーナーは色々な方面で活躍されている先輩に、ニュースや情報の収集や活用方法を伺っています。お忙しい中ありがとうございます。
いえいえ。
早速ですが、1日のスケジュールはどんな感じですか?
起きたのは9時かちょっと前くらいですかね。それでちょこちょこ作業して昼くらいにご飯食べて、今に至る感じですかね。
毎日のようにテレビで見るカズレーザーさんのとある日のスケジュールです。
生放送への出演や番組の収録、移動と分刻みで活躍するカズレーザーさん。忙しい中、どのように情報を収集しているのでしょうか。
お忙しい中で、情報をどう入手されているんですか?
朝起きてインターネットでニュースサイトをざっとみて。気になったヘッドラインはコピペしてメモしておいて1日の終わりくらいに見返して気になったやつを調べるという感じですね。
でも1日過ごしていて誰も口にしていなかった単語は調べないですね。
誰も口にしていなかった単語?
身の周りにいる人であまり喋ってなかったり、一回も耳に届かなかった単語はあんま調べません。
何回か聞いたなとか1日過ごしてアクセスする回数が多かった情報は調べるようにしています。
そういった情報を次の日からどんどん生かしていくんですか?
そんな感じですかね。
カズレーザーさんは雑学に長けていて色んな知識を持っているイメージがあるのですが。そうやって、情報収集をしていれば、知識を得ることができるのですか?
何となく調べるのが好きなんですけどね。でも人間って1日24時間しかないじゃないですか。だからあんまり情報には触れない方が良いと思ってるんですよ。
無駄な情報ってすげえあるから、自分にとって本当にほしい情報を優先的にアクセスした方がいいと思うんですよ。受動的な情報へのアクセスの仕方だと1日の自分のキャパが埋まっちゃうんで。
凄い博識だって言われるんですけど、知らないことの方がいっぱいあるんですよ。一般的な情報とか知らないし。花の名前とか全然分からないですよ。
お花ですか?
はい。本当に分からないです。あと、流行ってる音楽も全然わかんないんですけど、でもそういう流行ってるものって単純にクイズで聞かれないから知らないボロが出てないだけだと思うんですよね。
クイズで聞かれそうな問題は、自分の中で選別できるんですか?
「これ、クイズ出そうだな」とか。
誰かに説明したときに「へえ!」とか「なんで?」って言われる情報がクイズになりやすいんじゃないですか?
その指標がTwitterだったりするんですか?
どうなんすかね。でもTwitterもバズってるものはどうせ誰か知ってるからあんま興味ないですね。
「へえ」とか「なるほど」と言われるのってどういったところですか?
これ難しいですけど、自分から調べにいかないとこういった情報とは巡りあえないんですよね。
誰も興味ない、欲してない情報って自分で探しにいかないとない気がします。
例えば、知り合いの方とか共演者の方に言ってみて、反応を伺うとかですか?
普通に一緒にご飯食べてるときに「そういえばこれ知ってる?」とか言って反応が良いやつは自分にとって価値がある情報なのかなって思いますね。
テレビでニュースは見ますか?
朝のニュースは見るようにしてますね。
そのニュースから(知識を)得ることも?
知り合いのクイズ王の人が言ってたんすけど、朝のニュースって時間がない中で見るじゃないですか。だから情報を、端的に説明してくれるんです。
夜のニュースだとひとつのテーマを長くやったり、ワイドショーだとずっと同じ話をするじゃないですか。いらない情報が多いので、朝のニュースっていいなとは思います。
端的に情報が伝わってくるというのがポイントですか?
ひとつの文章に3つくらい章が入ると、人間は理解できないと思うんですよ。相当頭良い人じゃないと。
朝のニュースは、「どこどこで何とか。何々。」ぐらいじゃないですか。それだけで本当は良いんですよ。それで興味が湧いたら自分で調べれば良いのであって。
「情報」とはカズレーザーさんにとってどういったものなのでしょうか。
難しいですけど、「錯覚」じゃないですかね。大半の情報は錯覚だと思ってるんですよ。
それはどうしてですか?
『サピエンス全史』っていう2年くらい前にすげえ流行った本があって、最近もその人『ホモ・デウス』っていう本書いたんですけど。
その方は、文明っていうのは、なんで生まれたかっていうのは”錯覚を共有できるから”って。僕は、情報って確実にそれだと思うんですよ。
『サピエンス全史』。著者はイスラエル出身の歴史学者ユヴァル・ノア・ハラリ氏。人類250万年の歴史を斬新な視点で切り取り、世界で800万部が売れた大ベストセラーに。テレビでも紹介された。
ハラリ氏は、私たちの祖先、ホモ・サピエンスが生き残った理由は、実在しないもの=フィクションを多くの仲間が信じる力だという。
フィクションをみんなで信じることで1人ではできない大きなことを成し遂げることができ、地球上の覇者になった源だと主張。
本来1番生きていく上で大事なものは、自分の距離に比例してると思うんですよ。
近ければ価値があって、遠ければ本当は価値がないはず。なのに全然遠くて関わりがないものでも価値があるように見せることで初めて情報に価値が生まれると思うんですよ。
じゃあ僕たちは錯覚に…
マスコミュニケーションってものがそうだと思うんですよね。
全員が本当に必要なものを出せるって不可能だと思うんですよ。最大公約数的な情報って意外と価値ないなって思いながら生きてます。
本は結構、読まれたりするんですか?
本好きですね。
それは学生時代からですか?
そうですね。読むようにしていますね。
分野問わず?
そうですね。分野問わないですね。図書館も行きますし、書店も行きますし、Amazonとかも。
今までで一番情報として価値があったなって思う本は?
エロ本とかだめですか?
アリかもしれないです(苦笑)
あり!?
ダメか(苦笑)。
実用性っていう意味では一番その…変な話、そういう下世話な本ほど読者と作り手の距離は近い気はするんですよ。
目的が共通してるから。で、買い手も需要が…すごく純粋な需要じゃないですか。
そうですね。(苦笑)
本当に役に立った本となると…
役に立った本すか…。役に立った本…。
今、読まれてる本とか…
まあ結構あると思うんすけど、本当に役立ったっていう意味だとなんか大学の1年のときに必修で取らされた簿記の参考書みたいなもの。
参考書…(笑)
お金のことを理解するのはやっぱ初歩の簿記とかやるのが一番いいと思いますね。
学生が大学生のうちに、やっておいた方がいいんじゃないか、ということ、もしくはこういう生き方をした方がいいんじゃないかとかありますか?
起業した方がいいと思いますね。1社くらいは。
なぜですか?
会社作ると、否応なしじゃないですか。学生ってやっぱ勉強しないといけないと思うんですけども、でも急に違う世界入るじゃないですか社会って。
起業すると色々、知らないといけないことって、こんなにいっぱいあるんだとか、税金の計算の仕方ひとつでもいっぱいあるなとかね。
倒産する前提で会社ひとつ作っておけば俺は結構いいと思いますね。別に大金持ちにならなくてもいいじゃないですか。これから先サラリーマンやる上で楽に生きられると思うんで、先に知っとけば。
もし、ご自身が大学生時代に戻れるとしたら、起業されますか?
たぶんすると思いますね。
今までで、失敗してその中で乗り越えらえれたこととかエピソードってあったりしますか?
乗り越えられた…(笑)俺もう結構負けたらすぐ逃げちゃうんで…。なるべく闘わない、角を立てないように。
「よっしゃ、やってやろう!」じゃなくて、「まあまあまあ」っていうスタンスだったんで。
その方が生きやすいものなのですか?
そうですね。闘うって疲れるじゃないですか。喧嘩するってやっぱすごいお腹減ることなんですよ。カロリー使うけど、「まあまあまあ」って一緒にご飯食べた方が楽じゃないですか。
一番損するのは「やってやろう!」って闘って負けることじゃないですか。全力出して負けたときって一番損失が大きいんですよ。
人間は、「全力出して勝った」っていうのを最高の価値として置くと思うんですよ。でもそんなことなくて、何もしないで勝った方が一番取り分が大きいんで頑張らずに勝てる道を選ぶのが一番正しいと思うんですよ。
満足したなっという瞬間はありますか?
クイズはゲームなんでそうですね。負けるより勝った方がやはり満足度は高いですけど。
全然何もせずに朝起きて「今日なんもやることねえなー、1日オフだな」って思いながら昼から酒飲んですげー満足なんですよ。満足度のハードルがすごい低いんですよね。
楽しくない仕事もあるんですけど、そういうときこそ終わった時に「今日楽しくなかったねー」って言って酒飲めるから平気っすね。
ツイッターの声とか気にしたりしますか?
全然気にしないっすね。あ!でも、エゴサはめっちゃしますよ。
それはどうしてですか?
悪口いっぱい書いてあるなって探すの好きです。
悪口を探すんですか?
はい。悪口言われなくなったら、世間からなんの反応もなくなったってことだから、よくないんじゃないすかね。
それでも、これは嫌だなと思ったりせず、これは嬉しいと思ったり?
いや、全然。全く、なんにも感じないっす。
そこに込めてある感情とか拾ってもしょうがないと思うんすね。それ以上に価値を置いたりするのは、俺よくないと思うんです。
お笑い芸人としてのやりがいとか魅力をぜひお伺いしたいなと。
これわかんない…変な話、僕、お笑い芸人的な仕事、もうほとんどしてないんですよね(笑)俺まじで(笑)恥ずかしながら。もう芸人の中でも、もう…ほぼ芸人じゃないくらいの枠だと思うんですよね。
もし肩書をつけるのであればどういった肩書になりますか?
俺すか?「遊び人」ですね!(笑)
遊び人!(笑)
ほんとに遊んで生きてる(笑)今日もだからその…収録しましたけど、なんか楽しい人としゃべってるだけみたいな感じはありますね。
収録の中で新しい情報を得ることもありますか?
あ、もちろんありますけど、でもそれよりはなんか「楽しいなー」って思いながら、今日一緒だったヨッピーさんとか昔から知り合いだったんで。
そうだったんですね。
そんな人とテレビの仕事をもらえるのはなんか楽しいっすねーって言いながら
その楽しいって思うことが遊びってことですか?
そうですね。だから働いてるって感覚はここ2,3年ないです。
すごい…
全くないですね。
やりがいというと、お笑い芸人としての魅力というよりは、別の所にあると・・・。
あ、もっと漫才師をまじめにやってたころは、やっぱり漫才でウケるっていうのはすごい快感は強いと思うんすよ。
うーん。
なんか自分の作ってきたものをまっすぐ評価してもらう日常ってなかなかないじゃないですか。
会社勤めとかしてたら、多分まあ1個プロジェクトを成功させたりしたとしても、それに関わる人数があまりにも多いから、どこが自分の手柄かってすごいわからないじゃないですか。
漫才ってすごいわかりやすいから良いなって思いますね。
最後にカズレーザーさんにとって仕事とは何ですか?
仕事とは!仕事とは。仕事とは。仕事とは・・・。させられている時は、すぐ酒に逃げますから。
自分で選んだり、自分で仕事してるなあって思えるのがいいんじゃないすかね。
でも途中から自分でしてたはずなのに、させられてる時あるじゃないですか。そうなっちゃうと、たぶんしんどいすよね。疲れたなと思いますよね。
ありがとうございました!お忙しい中。
すみません、なんかヘンテコな話になっちゃって。