目指せ!時事問題マスター

1からわかる!株・為替(4)そもそも為替って? 円高・円安って何?

2020年12月10日
(聞き手:伊藤七海 勝島杏奈)

アメリカ大統領選挙など、日々のニュースで変動する円相場。円安や円高ってどんな意味があるの? そもそも外国為替市場の「為替」って何? 世界を舞台にビジネスをしたいと思っている就活生も、そうでない就活生にとっても知っておくと得するものなんです。経済部のニュースデスクに、1から聞きました。

円安 円高って何?

今回は「外国為替」について解説します。

布施谷
デスク

学生
伊藤

外国為替・・・。

国境を越えて、金融機関を通じてお金をやりとりするんですが、国ごとに通貨が違いますよね。

布施谷博人 デスク

1993年NHK入局。経済部の記者として金融の現場や財務省を取材。アメリカ・ワシントンにも駐在し、TPPやアメリカの金融政策を取材した。現在は経済部デスクとして取材指揮にあたり、7月まで金融業界を担当した。

だから、通貨の交換を伴うんですが、そのやりとりのことを「外国為替」って言うんです。

そして、その時の交換レートが「外国為替相場」です。

学生
勝島

へー。

僕らに一番身近なのは、旅行に行く時。

バンコクに行くんだったら日本円をバーツに変える必要があるし、中国の人が日本に来る時は人民元を円に変えなきゃいけない。

その時、通貨をいくらで交換するか、レートは日々刻々と変動します。

例えば、ざっくりと今は1ドル100円くらいだけど、1ドル90円だったり、110円だったりする。

使う側からするともうかった感じになったり、損したりする感じがあるでしょ。

はい。

1ドル110円っていうのは、110円払わないと1ドル貰えないってことですよね。

だから1ドル90円のときはドルが安いし、1ドル110円の方がドルが高い。

それは何となく分かるかな?

分かります。

1ドルが何円かというのが、ドルと円の為替相場ってことになる。

その相場はどうやって決まるんですか?

基本的には、売りたい人と買いたい人の需給関係で決まります。

みんなが円が欲しいって思うと円は値上がりするし、みんなが円よりドルが欲しいって思うと円は値下がりする。

そういう力関係で日々、相場が変わってくる。

相場って、一日の中でも変わるんですか?

すごく頻繁に変わります。

それこそ0点何秒とか、そのぐらいの感じでカチャカチャ変わる。

じゃあニュースで出てくる外国為替市場の数字は、いったい何の数字なんですか。

それがまさに、銀行間の市場でついてる値段なんですよ。

買いたい人と売りたい人の値段が一致して、取り引きが成立したところが表示されてるわけ。

2020年12月7日のお昼のニュース 必ずその時間の為替を紹介する

ちなみに、私たち個人は銀行を介して取引をするんですか。

そう、僕たちは直接は売り買いしない。

円を買いたいドルを買いたいという場合は、銀行などの金融機関を通じて売ったり買ったりしてもらう仕組みです。

為替はお金の移動

そもそも、「為替」って何なんですか。

例えば離れている東京と大阪でお金の支払いをする時って、現金を実際に持っていくと大変じゃない?

はい。

それを銀行を通じて行うということ。

振り込みとかのことですか?

そうそう。

そういうことをするのが「為替」です。

東京の人が東京の銀行に行ってお金払ったら、銀行は大阪の銀行にデータとして運んでくれて、振り込まれる。

昔は飛脚の人たちが信用状みたいな手紙を運んで、両替商に持ち込んだらお金がもらえた。

今でいう「送金」「振り込み」のように直接、現金を運ばずにやる行為のことを「為替」といいます

私たちがふだんやっていることが「為替」なんですね。

そうです。

為替取引は24時間動いている

為替の場合、株のように通貨の取引所みたいな場所はあるんですか?

株の場合は、東京の兜町に東京証券取引所っていう立派な建物があるんだけど、外国為替市場には建物はないんです。

まさにシステムの世界。

取引システムの中に、主に銀行が参加して、売り買いするバーチャルな市場なんです。

証券会社の店頭では外国為替相場を随時表示

実際は銀行のディーラーが、それぞれ自分のデスクで売り買いしている。その取り引きによって市場ができあがっています。

それが東京の時間帯に取り引きされていることを、便宜上「東京外国為替市場」というし、ニューヨークの時間帯にやっていることを「ニューヨーク外国為替市場」っていう。

けど、厳密にいうとそういう取引所があるわけではないんです。

日本の銀行と外国の銀行が直接やり取りしているんですか?

そういう時もあるけど、基本は東京の時間帯だと東京の銀行と東京に支店を持っている外国銀行などが取引する形です。

でもシステムなので、オーストラリアからでもロンドンからでも参加できる。

東京が中心の時間では、香港やシンガポールでも取り引きが行われて、夕方になるとロンドンが始まる。

ロンドンでやってる間にニューヨークで始まって、ニューヨークが終わるころになるとニュージーランドやオーストラリアが始まって、そのまま、また東京が始まるというサイクルです。

じゃあ、ずっと東京の人が画面に貼り付いてるってことですか?

銀行によって違うんですが、東京のほかにロンドンにもニューヨークにも支店をつくって人を置く。

常にチームで引き継ぎながら取引を続ける銀行もあります。

24時間、取引がずっと続いているのが外国為替市場なんです。

そうだったんですね。

為替はなぜニュース?

ちなみに、為替ってどうして必ずニュースで伝えられるんですか。

為替の変動が何を意味してるのかを考えていくと、経済や時事問題が見えてくるからですかね。

なるほど。

為替の動きは景気、経済を映す鏡だし、通貨は世界経済の仕組みの根幹なんです。

だから為替を見ていると国際経済が分かるし、国際政治の動きも透けて見えてくるということかな。

為替は経済問題であり、外交問題でもあるんです。

次回は円高・円安で企業にはどんな影響が出るのか、1から聞きます。

「1からわかる株・為替(5)円高・円安、影響を受ける企業は?」はこちらから。

編集:加藤陽平

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