目指せ!時事問題マスター

1からわかる!トランプ再選は?(2)挑戦者は誰?

2020年02月03日 (聞き手:伊藤七海 鈴木マクシミリアン貴大 )

トランプ政権がさらにあと4年続くのか、それとも別の人が大統領になるのか。11月に迫るアメリカの大統領選挙は日本の行く末にも大きな影響を与えます。トランプ大統領に挑む民主党の候補者は誰になるの…?これを読めばアメリカ大統領選が1からわかります!

解説は、国際部でワシントン特派員などを歴任した“アメリカウオッチャー” 髙橋祐介解説委員です。

「1からわかる!アメリカ大統領選~トランプ再選は?~」

(1)“再選確率は60%!?”

 

近日中に公開します

(3)勝敗を左右するアメリカの「変化」とは?

(4)この激戦州に注目!

 

アメリカ大統領選挙についてもっと知りたい!
「アメリカ大統領選挙2020」はこちらからお読みください。

大統領選でトランプさんと戦う相手は誰になるの?

打倒トランプ! 混戦の民主党候補者選び 支持率トップ3は全員70代!

学生
鈴木

全員70代って…驚きました。

そうなんだよ。最高齢はバーニー・サンダースさん、78歳。ただね、この人の支持者って異様に若いんです。

髙橋
解説委員

学生
伊藤

えー!若い人に人気があるんですか?意外です。

若者に優しい変革を訴えているからね。今、アメリカの大学って学費が高すぎて普通の家の子どもでも行けなかったりするんです。

大学に行けないということは、アメリカって意外と学歴社会だから就職もできない。

それで不満が広がっているんだけど、このサンダースさんは公立大学の無償化などを掲げているので「いいこと言うじゃん」と若者に人気になった。

若者の味方、みたいな感じなんですね。

アメリカでは今、どんどん格差が広がっていて、お金持ちはよりお金持ちになって、人口のわずか10%の人たちがアメリカの富の7割以上を占めているとも言われている。

この格差を解消するために富裕層に対してもっと増税しましょうよということを言っているのがこのサンダースさんやエリザベス・ウォーレンさんなんだけど、こういう人たちは左派って言われているのね。

サンダース上院議員とウォーレン上院議員

そうなんですね…。

左派は革新派、進歩派とも言われる。革新派の反対は保守派=右派。トランプさんの共和党はこの保守派。保守派は伝統や現状の秩序を守ろうとする勢力。

つまりアメリカの二大政党、共和党と民主党は保守と革新、コンサバとリベラルなのね。

保守はなんとなくわかるんですけど、左派というのがよく…、進歩派…?

「なんか進んでるぅ~」っていう感じ?今の言葉でいうと意識高い系っていう感じかな(笑)

ああ…(笑)

まあ自分の言葉で理解してほしいんだけど。左派は「伝統を守ってばかりではだめ。必要なら壊してもっと進んだ教育とか福祉にお金をかけましょう」ということを言ったりする。

今、民主党内では左派の人たちがどんどん台頭してきている。

ただ、民主党の中にはそうでない人たちもいてね、左派に対してそれは行き過ぎなんじゃないのという人たち、中道派と言うんだけど。

中道派。右でも左でもないということですか。

中道派から見ると、左派のサンダースさんやウォーレンさんって、言っていることは正しいかもしれないけど、財源はどうやって確保するの?と。

金持ちからとればいいと言ったって金持ちは反発するよね。強い者が勝つというのは資本主義社会の基本なんだから。

うーん、確かに。

中道派、中間層からすると、今の民主党の左傾化、左派が台頭している現状というのはリスクでもある。

支持者は増えるかもしれないけど、同時に中間層の人たちを遠ざけるかもしれない。中間層を遠ざけてしまうと選挙には勝てないからね。

トランプさんと戦う民主党の候補者は誰になりそうなんですか?

わからない(笑)
支持率でトップなのはジョー・バイデンさん。

ジョー・バイデン前副大統領(77)

オバマ前政権で副大統領だった人なんだけど、この人はね、人情政治家なの。

30歳の時、上院議員に初当選した直後に奥さんと1歳の娘を交通事故で亡くしてね。この事故で助かった長男は将来を嘱望されたんだけど、この長男も脳腫瘍で46歳の若さで亡くなってしまって。

えー…

これだけつらい経験をしている人なので人間的にはすごくチャーミングで人格者。

だけど、政治家としては脇が甘い部分があるというか…これまでにも2回大統領選に挑戦して失敗しているんです。

2回も…。

なのになぜトップを走っているのかと言うと、他に人がいないから。

さっき言った民主党が左傾化しすぎると、中間層を遠ざけかねないという危機感は、特に民主党の幹部が持っている。

バイデンさんは中道派なので、じゃあバイデンでいいんじゃないの?と言う人たちもいるんだけど。

そうなんですね。

でもさ、77歳ってトランプさんより年上なんだよ。
さらに今、ウクライナ疑惑ってあるでしょう。

はい。わかりにくいので聞きたいと思っていました。

ウクライナ疑惑は、このバイデンさんの次男が、ウクライナの前の政権から不当な利益を得ていたんじゃないかという疑惑が発端なんだよね。

なるほど。

それでトランプさんがウクライナの大統領と電話で会談した時に、バイデンさん親子が不正をしていたかもしれないのでちょっと調べてくださいということを言った。

ここから先は民主党の主張なんだけど、もし調べてくれるなら凍結しようとしていたウクライナへの軍事援助を実施してもいいとトランプさんが匂わせたのではないかと。

つまり大統領選で自分のライバルになりそうなバイデンさんを陥れるために、国の金である軍事援助を止めるの止めないの言ったのではないかという疑惑なんです。

弾劾でしたっけ?大統領をやめさせようとする動きも出ているんですよね?

そうそう、議会が大統領の不正を追及して辞めさせることができる手続きが弾劾ね。

どうやってやるかというと、まずアメリカ議会の下院で過半数の賛成があれば大統領は弾劾訴追される。これは検察による起訴にあたる。弾劾訴追=起訴されると次は裁判。

裁判は議会上院で行われる。証拠調べをやって上院で3分の2以上の賛成が得られれば大統領を辞めさせることができる。

3分の2以上…。

議会の議席配分を考えればわかるんだけど、これってそもそも無理な話で。

今、アメリカ議会の上院はトランプさんの共和党のほうが民主党より多いんだよ。だから3分の2なんてとてもいかない。

弾劾訴追したところで罷免=辞めさせるのはそもそも不可能だとされている。自分たちも選挙がある共和党の議員たちが、お客さんを呼んでくれるトランプさんをわざわざ辞めさせようとするとも思えないしね。

アメリカ議会

最初から無理だとわかっているならやっても無駄なんじゃないですか?

そうそう、過去にも同じようなことがあってね。クリントンさんのときなんだけど。

クリントンさんは、モニカ・ルインスキーさんという実習生とホワイトハウスでいかがわしい行為をして、偽証したと当時野党だった共和党が追及したの。

そうなんですか。

このときも下院で弾劾訴追されたんだけど、結局上院で罷免は否決されたんです。

まあ褒められた行為ではないけど、大統領を辞めさせるような話ではないだろうと国民の大半が思っていたのね。当時経済もよかったし、クリントンを辞めさせるなって逆に支持率も上がっちゃって。

へえ~。

で、無駄な弾劾をやって政治を混乱させた共和党に逆風が吹いて、共和党は中間選挙で議席を減らした。つまり逆にふれてしまったんです。

こういう前例もあって、深追いは禁物、弾劾は危険な賭けになりかねないと言われているんだ。

今回もトランプさんの罷免までは難しいと考えると、逆に民主党がピンチになることもありうる。

もとはと言えばバイデンさんの息子に関する疑惑ですもんね。

そうそう。で、一時エリザベス・ウォーレンさんが支持をのばしたんだけど、この人は左すぎる、進歩的すぎると。

エリザベス・ウォーレン上院議員 (70)

進歩的すぎる…。

「富裕層に対して増税しましょう」と、そこまでならまだしも、この人は「巨大IT企業が諸悪の根源です」。

「資本主義のゆがみを正すためアマゾンもグーグルもアップルもすべて解体しましょう、独占禁止法違反です」ということを言っている。

確かに極端な感じがしますね。

そうだよね。今、ウォールストリートとかで経済を考えている人たちからしたら、ちょっとそれは行き過ぎでしょうと。

アメリカの景気が奈落の底に落ちてしまうぞ、ウォーレン不況が起きるぞととても警戒されている。

ピート・ブティジェッジ氏(38)

で、この70代の3人を支持率で追っているのがブティジェッジさん。アナウンサー泣かせの名前だよね。

確かに(笑)

インディアナ州サウスベンドの前市長。名前の読み方が難しいのでファーストネームで「ピート市長」と呼ばれていた。この人は若くて38歳。

ハーバード大学を出た後に、超エリートの証とされるローズ奨学生としてオックスフォード大学で学び、29歳の若さで市長になった。8か国語を操るんです。

すごい、エリートですね。

市長を休職して従軍も経験していて、なおかつバイデンさんと同じ中道派。この人なら若いしバランスもとれていいんじゃないかと言う人もいる。

同性婚パートナーのチャスティン氏(左)とブティジェッジ氏

ピート市長はね、同性愛者であることを公表していて男性のパートナーと結婚して選挙運動も一緒にやっている。

アメリカ国民が同性愛者の大統領を受け入れるかどうかはちょっとまだわからないんだよね。

うーん、この人ならトランプ大統領に絶対に勝てる!という人は・・・

そう、どの人も決め手がないというのが今の状態で。でもね、民主党ってこれまでにもこういうことを繰り返してきていて。

前大統領のオバマさんだって、最初は“黒人の大統領なんてアメリカ国民は受け入れないよ”と言われていたけど、結局大統領になったんだから。

この中から出てくる人がいるのか、誰か別の人が彗星のごとく現れるのか、まだまだわからないんです。

今後のスケジュールは

大統領選挙は今後どういうスケジュールで進むんですか?

まず民主党の候補者選びが本格化するんだけど、2月に党員集会と予備選挙が始まります。

党員集会と予備選挙は州ごとに開かれて、すごく簡単に言うと、誰が民主党の候補者にふさわしいか州ごとに結論を出すの。

党員集会

それで、7月の党大会にその結果を持ち寄って民主党の大統領候補が決まる。

決まるまでに結構時間がかかるんですね。

で、11月の本選、大統領選挙でトランプさんとその選ばれた民主党の候補が戦うんです。

1からわかる!アメリカ大統領選~トランプ再選は?~

(1)“再選確率は60%!?”

 

近日中に公開します

(3)勝敗を左右するアメリカの「変化」とは?

(4)この激戦州に注目!

 

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編集:水谷彩乃

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