“フェイクニュース” 若い世代より中高年が「信じやすい」

(2018/9/21 さいたま局記者 直井良介)

新型コロナウイルスをめぐってさまざまな間違った情報がインターネットを通じて拡散されてしまうことが問題となっていますが、こうしたうその情報、いわゆる「フェイクニュース」は若い世代より中高年のほうが「信じやすい」とする大規模調査の結果を国内の研究機関がまとめました。

調査を行ったのは国際大学グローバル・コミュニケーション・センターのグループです。

調査は、日本国内の10代から60代までの6000人を対象に、「電波でムクドリが大量死している」など実際に拡散した9つの「フェイクニュース」に対する反応について、アンケート調査を行いました。

その結果、フェイクニュースを見てうそだと気が付かなかった人を世代別でみると、いずれも平均で60代が最も多く84.4%となり、次いで50代が80.1%となりました。

一方、最も低かったのは40代で74%でした。

また、メッセージアプリやメールマガジンなどをよく利用する人のほうがツイッターなどのSNSをよく利用する人に比べて、フェイクニュースと気が付かずに拡散しやすい傾向がみられたということで、グループによりますとほかの人たちのコメントがあるかないかの違いが影響している可能性があるということです。

調査を行った山口真一主任研究員は「中高年世代は、自分の考えに自信があることで誤った情報を信じてしまいがちになっている可能性がある。新型コロナウイルス対策では間違った情報は混乱を招くおそれがあるので一度立ち止まって考えることが大切だ」と話しています。

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