ランドセルや制服、それに教材…。
子どもたちが学ぶために欠かせない、さまざまな学用品。
揃えるのに、意外とお金がかかるんです。
負担を減らす方法ってないんでしょうか?
木村彩子さん
木村彩子さんです。 共働きで、3人の子どもを育てています。
長男が中学校に入学する際、学用品にかかる費用に驚きました。
衣類や教材など揃えるのにかかったのは、およそ10万円です。
(木村さん)
「お金かかるよね」と保護者はみんな言ってます。
事前にまとまったお金を準備しておかないと、パッと出せる金額ではないのかなと思っています。
義務教育にかかる費用の平均は年間、小学校でおよそ11万円、中学校でおよそ18万円にのぼっています。
負担を減らすためにできること、ないのでしょうか?
負担の大きさに驚いた木村さんが注目したのが、おさがりです。
制服を再利用し、安く販売する仕事を新たに始めました。
市役所に協力してもらい、不要になった制服などを回収するボックスを設置。
1か月で700点が集まりました。
(木村さん)
想像以上に集まって、うれしく思っています。
同じ気持ちの方がいらっしゃるんだなというのに気づけましたし、支援できていけたらなと思います。
おさがりを積極的に活用している自治体もあります。
福岡県古賀市にある小学校の算数の授業。
足し算や引き算を学ぶ教材におさがりが使われています。
算数セット
セットで買いそろえると3000円ほどかかるものを、市や学校が一括して購入。
さまざまな教材を子どもたちが代々引き継ぐことで、物を大切にする気持ちも育まれています。
1年生の女の子
「きれいに使いたい」
6年生の女の子
自分たちが使った物を、下の学年の子が大切に使ってくれているのを見るとうれしい。まだ使える物を工夫して、次の人に次の人にと使っていくことが大切なのだと思います。
古賀市では、先輩から後輩へと制服のおさがりも広がっています。 市役所の廊下に並ぶのは、市内の卒業生たちが寄付した制服。
市役所の廊下に並ぶ制服
市が卒業生や保護者に寄付を呼びかけ、集まった200着以上の制服から、自由にもらうことができます。
古賀市教育委員会 長谷川清孝教育長
(長谷川教育長)
「以前は身内だけの譲り渡しが多かったと思いますが、これからの時代は身内だけではなく、地域の方やご近所さんんなど広くおさがりが当たり前の社会になっていくのではないでしょうか。子どもたちには、後輩に譲り渡していくということを通じて、物を大事に使う心や気持ちを持ってもらいたい」
「何かしらのおさがり使ってるよって人、手を挙げてもらっていいですか」
鹿児島県、種子島の高校で聞いてみると、、、
種子島中央高校
このクラスでは、8割の生徒がおさがりを使っていました。
ネクタイとか制服は全部おさがり。靴下も笑
廣濱葵さん 日髙千尋さん
さらに、おさがりを、知らない人からももらえるようにしたいと、2人の高校生がアプリを開発しました。
その名も「osagari」。
譲りたい人は、服のサイズや状態などを登録。
欲しい人は、お目当てのものを探して申し込むだけです。
河内優希さん
高校へ進学する河内優希さんです。
進学先に知り合いが少なく、このアプリを活用しました。
(河内さん)
「あ、おさがり確定!確定が来ましたー!」
この日、待ちに待った制服が届きました。
けっこう似合う気がする。新しい一歩を踏み出していろんなことに挑戦していきたいなと思っています。この制服で。
知らない人どうしがつながり、大切に受け継いでいく。そんなステキなおさがりをもっと、もっと。
思いを寄せて “聞こえない”を救いたい (2022/03/20)
聴覚障害があると災害時、防災行政無線などの音が聞こえず危険が近づいていることに気付かないことがあります。→
声を集めて 通学路に安全を (2022/02/18)
通学路での痛ましい事故をなくすために、地域の声や子どもたちの声を生かしていく取り組みをお伝えします。→
命を守る“コミュニケーション” (2022/01/21)
地震の時、不安を感じている日本の在留外国人たち。命を守るために外国人コミュニティや「やさしい日本語」を通じて伝える取り組みが各地で始まっています。→
パパの育休 とりやすく! (2021/11/26)
育児休業 パパが取得するケースが増えています。しかし実際は心無い言葉を周囲からかけられ、悩む人も少なくないんです。→