人が人を思う 優しい輪を広げていきたい

ネットワーク報道部 井手上洋子

「新型コロナウイルスに感染した人への差別やひぼう中傷をなくしたい」。

差別をなくそうと声をあげるのではなく、ちょっとした方法で感染した人たちを守っていこうという取り組みがあります。
それは、あるものを身につけたり、誰かに届けたり・・・。 この取り組みが、各地で広がっています。

シトラスリボンの輪広がる

あるものというのは、このリボン。 シトラス(=かんきつ)色の3つの輪が表しているのは、地域・家庭・職場(もしくは学校)です。

松山大学の甲斐朋香准教授と愛媛大学の前田眞教授が共同代表を務める「ちょびっと19+」が、新型コロナウイルスに感染した人や医療従事者への差別・偏見をなくしたいと始めた「シトラスリボンプロジェクト」です。

このシトラスリボンの輪が、全国の学校、家庭、企業などで広がっているのです。

「思いを込めて」

取り組みに賛同し、栃木県内に広める活動をしている「シトラスリボンINとちぎ」は、縦2メートル40センチ、横3メートルの旗を県内25市町に巡回させる「シトラスリボンフラッグリレー」を進めています。 “優しい気持ちが県内全域に広まるように”。 医療従事者への感謝とエールの思いが込められています。

佐野日本大学高等学校

学校全体でシトラスリボンプロジェクトに取り組んでいるところもあります。
佐野日本大学高等学校では、ボランティア活動を行う部活動の生徒が中心となっています。

輪をつくる部分が難しく、苦労する生徒もいましたが、生徒どうしで教えあいながら大切に結んでいきました。 生徒自身にも変化がみられるようになります。

(生徒)
「医療関係の人だけでなく、自分たちもこの活動を通して社会に貢献できていると感じ、医療関係者の人を助けることができたと感じた」

(生徒)
「みんなで作り上げる楽しさを実感した。また、手洗いやマスクをつけるなどの感染予防をしっかりしようと思うようになった。そして、シトラスリボンにも個性があるように、一人一人の個性を大切にし、差別のない社会にしていきたいと思った」

(生徒)
「学校にあまり行けない状況があったので、学校に行けることの喜びやシトラスリボンを身につけることで、学校のことを思ったり、友人のことを思うようになった」

生徒が家庭で家族にシトラスリボンを教え、さらに家庭から職場へ、そして社会へ広がることを目指しています。

栃木県佐野市立佐野小学校

佐野市立佐野小学校でも、教職員がシトラスリボンをつけて教壇に立ったり、子どもたちにリボンの意味を教えたりしています。
子どもたちに向けて感染したことで誹謗・中傷してはいけないこと、差別しないでみんなが笑顔で暮らせるようになるようにしていこうと話したということです。

「差別で苦しんでいる人もいる。だから絶対してはいけない」

「シトラスリボンINとちぎ」のメンバーに届けられた手紙があります。 取り組みを知った女子児童が書いた手紙でした。

「自分がコロナに感染し、差別されていたらどこにも行けません。
でも、シトラスリボンを付けていて、その人達が私のことを守ってくれたら、少なくとも学校には行くことができます。それが、家族だったら、友達だったら、先生だったら、近所の人だったらと考えると、やっぱりシトラスリボン運動は人を守ることができるので、とても良いことだと思います。 私はシトラスリボン運動をすることで、感染した時にみんなで守ってあげられると思います」。

(シトラスリボンINとちぎ)
「1日でも早い収束を願いながら、経験をしたことのない状況の中で、人が人を思う、優しい人の輪を思いやりの心を育てていけたならと思います」

その輪が、やさしく広がっています。

最新記事