毎日、忙しい子育て。SNSには、そんなお母さんたちの声がマンガになってあふれています。 日常の一コマや子どもへの思いをくすりと笑えるイラストで表現しています。だけど、かわいらしいイラストのかげには「ひと息つきたい」「助けてほしい」そんな思いも隠されていました。
「二分前に戻りたい…」という言葉とともにSNSに投稿されたマンガ。 母親の「一瞬でウエットティッシュの山。本当にさっきまで見てたんだよぉ…」という嘆きのコメントが添えられています。 描いたのはプロのマンガ家ではありません。息子が昼寝している間のわずかな時間に描きました。その1、2時間が自分と向き合う、自分だけの時間です。
新型コロナで保育園に行けない日が続いた時の家での様子を描いたマンガも。
「母に休みをクレッ5分だけでもいいッ」 エスカレートする子どもたちの要求にひとりでは応えきれず、母親は泣きながら崩れ落ちてしまいます。
3歳の男の子を育てているmitoさんも育児の合間のわずかな時間を使って、ペンを走らせています。
夫は出張も多く、産後からワンオペで育児をこなしてきたというmitoさん。赤ちゃんをうまくあやすことができない日が続き、思わず涙することもありました。
(mitoさん)
「産後は大人と話す時間もないですし、孤独になっていました。幸せで嬉しいこともたくさんありますが、泣きやまないとか寝てくれないというだけで、急に涙が、自分の意思とは関係なくバーっと出てきてしまう時期がありました。今思い返すと、抱え込まずに、もっと周囲に甘えてもよかったのかなと感じますが、当時は母親になった責任感が押し寄せて思い詰めてしまった。マンガを見て、お母さんがこういう風なことをしてこんなに時間がないんだよと少しでも気づいてくれたら」。
こうした育児マンガは、本にもなっています。
「自分もこんなことがあった!」と、お母さんたちの共感を呼んでいます。
本の出版を担当した編集者の竹中朋子さんも、2人の子どもの育児に奮闘中の母親です。余裕を持てない、子育ての現実を伝えたかったといいます。
(竹中さん)
「自分が育児している中で、インスタのマンガなどを見て共感したり励まされたりしていた。育児マンガを広く届けて、お母さんたちに共感してもらい、少しでもくすっと笑ってリラックスできる時間を提供できたらうれしいなと思い企画しました」
こうした母親たちの姿を少しでも知ってもらい、“母親がひと息つける時間がある子育てしやすい社会に変わっていってほしい” それが竹中さんの願いです。
(竹中さん)
「実際の育児はキラキラしてなくて、大変なことがいっぱいある。助けてほしくても、なかなか言いにくい雰囲気が社会にはまだまだあると感じます。育児しやすい社会に変わっていってほしいと思っています」
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