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ランドセルの最新事情

“ラン活”ということばをご存じですか? 小学校に入学する子どものランドセルを選ぶ活動、略して“ラン活”です。最近では入学する1年前の春ごろから始まります。今回はそのランドセルがテーマです。

始まりは軍隊用の“背のう”

安全で機能的なランドセル。いつごろ、どのようにして広まったのでしょうか。最新事情も含めて教えてくれたのは大正大学教授の白土健さんです。

白土さん
「明治時代に貴族の学校、私立学校が開学して、当時は貴族の子弟なので、召し使いが学習用品をいろいろとお持ちになられたけれども、教育の場はみな平等でなければいけない、自分で持っていくようにというところから、通学するときには便利だろうということでランドセルの原型ができたと言われています」

当時、学校が採用したのが、オランダから入ってきていた軍隊用の背のう「ランセル」だったといいます。

その後、ランセルは今のランドセルに近い形へと変わっていきました。
形状や寸法などが細かく統一され、横には筆箱の収納スペースが作られたほか、フタが大きく上に開く、今のランドセルに共通する構造も採用されました。
業界団体によりますと、こうした変化は、明治20年、初代内閣総理大臣、伊藤博文が皇太子の入学祝いに箱型のものを献上したことがきっかけだったといいます。

白土さん
「当時は革製というのは非常に高価なもので庶民も学校が始まってもなかなか持てませんでした。普及したのは高度成長時代で昭和になってから。だんだんと人工皮革ができて、わりと手が届くようになって、丈夫で長持ち、体の負荷も和らげるというところで、普及したと言われています」

ランドセルに変化が…

その後、時代とともに進化したランドセル。今では、さまざまな色やデザインのものが店頭に並びます。

こうした中、近年、ある大きな変化が起きていると白土さんは指摘します。

見せてくれたのは、2つのランドセル。
画像の左側は、およそ20年前に主流だったもの。右側は、ここ最近のものです。大型化しているのです。特に厚みは5センチも増していました。

背景にあるのが学習内容の増加。
グラフは、小学校で使う、すべての教科書のページ数の合計を表したものです。2005年には4800ページ余りだったのが、2020年には、およそ8500ページ。ここ15年で1.7倍にも増えました。

小学4年生のランドセルを見せてもらうと、教科書に加え、タブレットや水筒なども入っていて、隙間がないほどパンパンでした。

白土さん
「コロナ禍においては“マイ水筒”も入れるなど、中に詰めるものがどんどん重くなってきています。大体4キロ、5キロ。重い日だと8キロぐらいというところもあります。金曜日は給食袋や、体育館履き、リコーダーなど、いろんな補助教材を持って帰り、月曜日には洗ってきれいにして持っていきます。月曜日と金曜日は“苦役の日”というようなところがあります」

アイデアで負担軽減

教材が詰まった重いランドセルをどうにか楽に運べないか。
その悩みを解決するアイデア商品も生まれています。

開発されたのは、ランドセルをキャリーケースとして運搬できるようにするアイテムです。タイヤが付いていて、ランドセルに取り付けて使います。

大学生の太田旭さんが開発しました。

太田さん
「耐久性と、小学生が無理なく持てる軽さを両立。小学生たちと一緒に試作を繰り返して完成させました」

出来栄えについて、関わった子どもたちに聞いてみると…。

悠也さん
「使い心地はすごいなーと思って。いいもの考えたんだなと」
玲也さん
「学校に行きたいと思いました」

白土さんも、こうしたアイデアで子どもの負担を軽減するのも1つの方法だとしています。

白土さん
「学校は楽しいところ。そこに行くまでの道のりが楽しみ、期待にあふれるような毎日を送っていただきたいと思っています」

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ミガケちゃん
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