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“ひとり親家庭に寄付を”

新型コロナの影響が長引く中、ひとり親の家庭は、経済的に、より追い詰められています。
私たちもこのサイトで、ひとり親家庭のためにできることを考えていきたいと思っています。
そんな中、タレントの小島慶子さんや有志の仲間が、ひとり親家庭への寄付を呼びかける活動を始めたと聞き、その思いを取材しました。

ひとり親は今…

小島さん
「先進国の中でも日本は、母子世帯の貧困率が高い状況です。それが、コロナの影響でより深刻度を増しています。今まさに苦しんでいる母子世帯の皆さんに何かできることはないか。『きょうもなんとか生きられた。あすも生きてみよう』そう思える助けに少しでもなれないか。そんな気持ちで活動をスタートしました」

平成27年の国勢調査によると、全国でおよそ83万世帯あるひとり親世帯のうち、9割近くを母子世帯が占めています。
厚生労働省の調査(平成28年度全国ひとり親世帯等調査結果)によると、ひとり親女性の平均年間就労収入はおよそ200万円。その就業状況は「パート・アルバイト」が約43.8%。「派遣社員」が4.6%。ほぼ半数の約48%が非正規雇用という厳しい状況でした。

小島さんや有志の仲間が、5月に、フリーランスの人や企業が登録しているオンラインサービスを通じて、ひとり親世帯の母親を対象にアンケートを呼びかけたところ、124人から回答がありました。
新型コロナによる影響を複数回答で尋ねたところ、▽「勤め先の都合で収入が減った」▽「保育園や幼稚園、学校の休校で光熱費や食品などの出費が増えた」など、何らかの経済的な影響を挙げた人は、全体の91%にのぼりました。
また、コロナによる生活面への影響を尋ねたところ、「食費を切り詰めた」もしくは「切り詰めることになりそう」と回答した人は、全体の74%でした。

もともと経済的に苦しかった母子世帯が、新型コロナの影響でより厳しい状況となっていることが見えてきたのです。

自由記述欄には「仕事が決まっていたのですが、無くなってしまいました」「仕事の収入も安定していない、感染におびえて毎日過ごし、イライラも。子どもたちも外へ行くことを我慢させ、自宅での出費も増えています」「自分が感染したら子どもはどうなるのか」「私の周りでは、コロナで死ぬか、経済破綻で死ぬかという声ばかりあがっています。私自身ももちろん、あす生きていられるのかと不安でしかたない」「先の見えない暗いトンネルにずっといるような気分です」「毎日不安で胸が張り裂けそう」など、多くの悲痛な声が書かれていました。

実績ある支援団体をHPで紹介!

こうしたひとり親家庭を少しでも支えようと、小島さんは6月、仲間とともに「ひとりじゃないよプロジェクト」というサイトを立ち上げました。
このサイトには、ひとり親家庭や子どもの支援、それに女性や子どもの居場所作りなどの活動に取り組んでいる全国21の支援団体が紹介されています。

具体的には、
▼シングルマザーの就労を支援する活動を行っている団体や、
▼経済的に厳しい子どもたちに無料の学習会を開くなど学習支援を行っている団体、
▼子どもたちの生活支援や居場所作りを行っている団体、
▼女性の予期せぬ妊娠や出産の相談にのっている団体など、
それぞれの団体の詳しい活動内容のほか寄付先の口座などもサイトから知ることができます。

どんな風に使ってほしい?

プロジェクトを立ち上げたのは
小島さんや社会貢献の活動をしている団体の代表ら。

みんなボランティアで活動に参加しているそうです。

小島さん
「『コロナで困っている女性や子どもたちに何かできることはないか』と思ってくださった方がこのサイトを訪れると、わかりやすく支援団体や寄付先を知ることができるしくみになっています。掲載している21団体はいずれも、ボランティアで活動に参加してくれているNPOに詳しい専門家らが過去の実績をもとに選んだ自信をもって寄付をおすすめできる団体ばかりです。自分で寄付先を探している人の中には『ここに寄付して本当に大丈夫なのかな?』など不安を感じている人もいると思います。そんな方にプロジェクトのサイトを見にきてもらい、地域で地道に頑張っている団体の活動ついて知ってほしい。また、困っている当事者の方にもぜひ見てもらい、支援団体を知るきっかけにしてもらいたい。世の中のさまざまな場所で『あなたはひとりじゃない』と手を差し伸べている人は、必ずいます。もし私たちの作ったサイトがその縁をつなぐきっかけになれたらうれしいなと思っています」

寄付は敷居が高い?

とはいえ、寄付活動が広く浸透している海外の国々と比べ、日本では寄付に対して『敷居が高い』と感じてしまう人も多そうです。そんな疑問を小島さんにぶつけてみました。

小島さん
「『自分は困っている人のことを本当に理解しているわけじゃないし…』とか、『こんなのは偽善なのじゃないか…』と、後ろめたく感じることもあるかもしれません。あるいは、『偽善者』とか『売名行為』と思われるかもしれないと、不安に感じることもあるかもしれません。けれど、困っている気持ちを理解しきれていなくても、その人の出したお金とか、その人の出した助けが、困っている人が、きょうを生きて、あしたも生きてみようと思える助けになるのだったら、その助けはあったほうがいい。だって、人は死なない方がいいから」

「誰でも年をとるし、病気になるし、思いがけない人生の変化とか、それこそ感染症の流行とか災害とか、さまざまなものに巻き込まれます。だからこそ、今一番弱い立場にある、女性と子どもの貧困を解決することが、皆が安心できる社会ににつながっていくのではないかと思います。将来、『2020年のコロナ危機の年が日本の寄付元年だったね』と言われるようになるといいな、と思います」

(ひとりじゃないよプロジェクトのHP)
https://www.hitorijanai.org/

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