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コラム「伝説のお母さん~ママたちの声~」

2月からNHK総合テレビで始まった、よるドラ「伝説のお母さん」。
ファンタジーの世界を舞台に、前田敦子さん演じる伝説の魔法使い『メイ』が、家事にワンオペ育児に冒険に奮闘するストーリーです。
メイの置かれている環境や抱える悩みが、まさに私たちの取材している“孤育て”そのもの!ということで取材した前回のコラム
今回は、引き続き、番組の脚本などを担当したママプロデューサーに、ドラマのねらいや反響について聞きました。

(ネットワーク報道部 大窪奈緒子)

話を聞いたのは、ドラマのキャスティングや脚本などを担当したNHK制作局の上田明子プロデューサー(34)。プライベートでは、1歳4か月の男の子のママでもあります。

まず、これまで6回の放送(ドラマは3月28日まで全8回の予定)を終えて、視聴者の皆さまから寄せられた感想や反響について聞くと、「とにかく子育て当事者の方々から寄せられた共感の声がすごく多かった」とのこと。さっそく、その声の一部をご紹介したいと思います。

(番組HPに寄せられた声)

「あるあるあるある、と呟いてしまうほどあるあるなメイちゃんの現状に胸が締め付けられました。そしてモブ夫(メイの夫)のダメっぷり。人としてダメなやつ。でも夫という生物だとよくいるんだよなぁと謎」

「まだ、子育ては、母親がするものっていうのが、あるんだなって思いました。
お母さんは、帰ってから、子供のご飯をし、お風呂も入れて、寝かせて、やっと自分の時間ができた頃に、旦那が帰ってきて、旦那の世話をし、終わった頃には、自分も寝ないといけない時間で、働いてるお母さんは、自分の時間なんてないですよね。
男性も、少しは、育児に参加しないと。『僕にはできない』じゃなく、やる気がないだけでは、奥さんが本当にかわいそう」

「保育園の抽選7か所申し込んでぜんぶ落ちた身としては、待機列に並ぶメイちゃんに共感しかないです。男性たちの意識がかわっていくといいな。当事者意識、大事ですよね」

第3話では、MEGUMIさん演じる、シングルマザーで伝説の盗賊のベラが、育児があるという理由で自分が企画した仕事の担当から外されそうになります。この「マミートラック」をふくむ、「ママが働く環境」についても多くの反響があったそうです。

(番組に寄せられた声)

「自分も育休明け全く仕事を任されず、自分の存在意義がわからなくなり悩みました。マミートラック!!!職場の男性がたまに子供の病気で休むと、『奥さんが休めばいいのに』と思っていましたが、自分も女性が子供を育てるって考えだったんだなーと考えさせられています。でも男性が子供のことで休んでも仕事には支障ないんですよね、何なんでしょうか。
もやもやです。見ているとかなり考えさせられて悲しくもなりますが、ちょっと頑張ろうとも思えます。これからどうなるのか見させていただきます。」

「共働きなのに家事育児は全部私。会社には感謝しろ、子供が最優先じゃないなんて母親失格、正社員の母親なんて迷惑、外に出れば母親というだけでストレス発散の的にされ、愚痴を言えば『母親なんだから』自業自得…本当に子育てしにくい世の中。ドラマの中だけでも母親が救われますように」

ドラマでは、企画から外されそうになったベラが、「あと1週間だけやらせてください!この企画は私がずっと温めていた企画なんです。何年も前からずっとやりたかった企画なんです!」と自分の気持ちを強く訴えます。実は、上田プロデューサーも同じような気持ちになったことがあり、このセリフには特段の思い入れがあるそう。

セリフを整理する作業の中で、一度はカットされそうになったものの、議論ののち「とても大事なことを伝えている」ということで残すことになり、とてもうれしかったと話してくれました。

「本当は、こんなこと言わなくちゃいけない状況になっていることがおかしいと思う。だけど、そういう現実があった時に、流れに身を任せるのではなくて、ちゃんと『嫌だ』って、自分の意志を言っていいんだということを伝えたかった。24時間働ける体制じゃなくても、これは私の仕事だって言っていいんだと。結果的に仕事を取られちゃうことになったとしても、1回、MEGUMIさん演じるベラが自分の意志を口に出して言うのは大事だと感じますし、口に出すことで変化につながると感じていて。だからこそ、私はこのセリフが大好きです」

ワンオペ育児や働くママの現状など、まさに私たちママ世代が抱える悩みがファンタジーながらもリアルに描かれているこのドラマ。いよいよ中盤にさしかかり、メイと夫のモブとの関係にも変化が見られ始めました。これからドラマがどう進むのか、どんな風に楽しんでもらいたいか、メッセージをもらいました。

「前半は、モブのダメ夫ぶりが徹底的に描かれていましたが、後半はモブ側の視点も描かれていきます。外に出てお金を稼いでくるのが自分の仕事だと思っていて、自分も何かやりたいことを見つけて何者かになりたいのに、メイのほうが活躍してきた。メイも子育ては自分がやらないといけないと思い込んでいた。2人とも『お母さんだから』『お父さんだから』というのにとらわれていたところから、それぞれがとらわれていたことに気付いて、少し自由になっていく。2人とも、そして何よりモブはこれから変わります!夫婦がどうやって2人で子育てをして、仲間になっていくのか、ぜひ楽しみにしていてほしいです」

「また、どうしたら自分らしく、楽しく、子育てしながら生きていけるかなというのを、視聴者の方が、自分の暮らしに引き寄せながら、考えながら見てもらえたらよりうれしいなと思っています」

「伝説のお母さん」次回の放送は、3月14日(土)総合テレビで午後11時30分からです。
ぜひご覧ください!

(番組HPはこちら)
https://www.nhk.or.jp/drama/yoru/densetsu/

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