審査対象の11人が
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2019年10月10日決定防災対策の責任は
大川小学校津波訴訟

どんな
裁判か

  • 東日本大震災の津波で犠牲になった児童の遺族が訴えた裁判
  • 震災前の学校と行政の防災対策に過失があったという2審の判断を維持
  • 宮城県と石巻市に14億円余りの賠償命じた判決が確定

宮城県石巻市にあった大川小学校。東日本大震災で74人の児童が津波の犠牲になり、このうち児童23人の遺族が石巻市と宮城県に対し、22億6000万円余りの賠償を求めました。
2審は、「学校は事前に避難場所や経路などを定める義務を怠った」として、1審よりもおよそ1000万円多い、14億3000万円余りの賠償を命じました。

これについて、市と県が上告していましたが、最高裁第1小法廷は上告を退ける決定をし、市と県に賠償を命じた判決が確定しました。5人の裁判官の全員一致の意見でした。

大川小学校の裁判とは

東日本大震災で大川小学校では、74人の児童と10人の教師が犠牲になりました。児童らは地震からおよそ50分後まで校庭で待機し、その後、学校側の指示で近くの「三角地帯」と呼ばれる橋のたもとに避難に向かっている間に津波に巻き込まれたとみられています。犠牲になった74人の児童のうち23人の児童の遺族は、避難の判断がなぜ遅れたのか、真相を究明したいと、石巻市と宮城県に賠償を求める訴えを起こしました。
1審は、「広報車の呼びかけを聞いた段階で、津波が到達する危険を予測できた」などと指摘して遺族らの訴えを認め、14億2600万円余りの賠償を命じました。
一方、2審は、「学校は危機管理マニュアルに避難場所や経路などを定める義務があったのに怠った」と指摘。津波で犠牲になった人の遺族が自治体などを訴えた裁判で、震災前の防災対策の不備を理由に賠償を命じた判決は初めてでした。
2審の判決に対して、石巻市長は「小学校の校長が津波がくることを予想できたとするのは受け入れられない」と述べたほか、宮城県の村井知事も「この判決が確定すれば判例となり、全国の教育現場に影響を及ぼすが、それで良いのかを問いたい」と述べるなど、学校現場に高いレベルの防災の知識や経験が必要とされたことに戸惑いが広がりました。
石巻市と宮城県は、2審の判決を不服として上告し、とくに、震災前の防災対策に不備があったと判断されたことについて、「学校現場にあまりにも過大な義務を課している」と主張。最高裁でも判断が維持されれば全国の教育現場にも影響が及ぶ可能性があるとして、最高裁の判断が注目されていました。

審査対象の裁判官たちの判断は

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