安心 キケンのない社会をつくろう知っていますか?溺れたときの「ヘルプ姿勢」

2022年7月28日事故 子ども

全国で相次ぐ水の事故。

本格的な夏を迎え、水辺に行く人は今後も増えることが予想されます。

もし水の事故に遭ってしまったら、どのように対応すればよいのか。

周りにいる人にできることはあるのか。

水難事故に詳しい専門家に聞きました。

水の事故 “警報級の増え方”

暑さとともに増える水の事故。

例年5月頃から各地で発生しますが、今年は子どもが命を落としたり、重体になったりする事故が例年を上回るペースで増えています。

今年も東京 日野市の多摩川で遊んでいた子ども2人が溺れて死亡したほか、神奈川県平塚市では海水浴をしていた高校生が流されて死亡するなど、痛ましい水難事故が相次いで起きています。

各地の水難事故について調査・分析している水難学会は「(7月初旬時点で)平年の1.5倍くらいのペースで被害が起きている」と警鐘を鳴らしています。

水の事故に遭ったらどうする

水難学会の理事を務める東京海洋大学の田村祐司准教授に、水難事故に遭った場合の対応について話を聞きました。

<ライフジャケットを着用している場合>
海や川など、水辺に近づく際には、安全のためライフジャケットを着用するよう田村准教授は呼び掛けています。

その上で、岸から離れた場所に落ちたり、溺れたりした場合には、足を抱えて体を縮める「ヘルプ姿勢」で救助を待つことが大切だそうです。

「ヘルプ姿勢」

この姿勢をとっていると、顔が水面よりも上で保てるほか、体温が下がるのを防ぐ効果もあるということです。

<ライフジャケットがない場合>
ライフジャケットを身につけていない場合には、騒いだり無理に泳いだりせず、あおむけのまま力を抜いて浮く「背浮き」の状態で救助を待つことが好ましいそうです。

「背浮き」

「背浮き」をするときは、怖がって顎をひいたり腰を「くの字」に曲げるなどしてしまうと体が沈んでしまうので注意が必要です。

腰を曲げると沈んでしまう

また、服や靴を身に着けた状態で水に落ちた場合は、浮力を得ることができるため、脱がずに浮いて待つことが重要だということです。

水の事故 発見したらどうする

次に、水難事故が起きたときに周りにいる人にできることは何か聞きました。

まずは消防に救助を要請しましょう。そして、水に浮くものを要救助者に投げて渡すのが有効だということです。

日頃から身近にある浮力体にはどんなものがあるか知っておくと、万が一のときにすぐ対応できます。

水辺にいるときに身近にありそうな水に浮くもの
●クーラーボックス
●発泡スチロールの箱
●サッカーボール
●保冷バッグ
●ペットボトル
●プラスチックのバケツ
●衣服やタオルを詰めた袋

ペットボトルは、できれば2本投げ渡せると、受け取った人が安定して浮くことができます。

写真のように脇に抱えると、上体を起こして周りを見ることなどもできるということです。

水難学会理事 田村祐司准教授

水難学会の理事を務める東京海洋大学の田村祐司准教授
「海や川などの水辺で遊ぶときにはライフジャケットを着用することが事故防止に繋がります。水に入る予定がなかったとしても、川辺やため池に行くは万が一に備えてライフジャケットを着用するのが命を守るためには大事です。また、あらかじめ身の回りにあるもので水に浮くものは何かを覚えておいてほしいです」

水の事故 遭わないためには

水の事故に遭わないためのポイントもまとめました。

●出かける前に 目的地の天気や情報をチェック
出かける前に、目的地の川や海の情報や天気を確認することが大切です。

悪天候が予想されているときは、無理をせず中止、または延期しましょう。

●「危険を示す掲示板」がある場所は避ける
川の地形は複雑で、同じ川でも、場所によって流れが速くなっていたり、急に深くなったりする場所があります。

「危険を示す掲示板」がある場所では、遊ばないようにしてください。

海でも同様です。

危険な場所には「危険」「遊泳禁止」などと案内されていることが多いので、海岸や海水浴場の掲示や、標識などを確認してください。

●子どもだけで遊ばせない
水深が浅い場所でも、転倒して溺れてしまったり流されたりすることがあります。
特に、子どもだけでの水遊びは大変危険です。
保護者は「目の届く場所にいる」のではなく「子どもと一緒に遊ぶ」ようにしましょう。