そもそも「大統領」って? 何ができるの?
「アメリカ大統領」と聞いて「世界一の権力者」というイメージを持つ人もいるかもしれません。
実際、日本の総理大臣にはないような権限をアメリカ大統領は持っています。
例えば、アメリカ大統領は“核ミサイルの発射ボタンを押す”権限が委ねられています。世界最強とも言われるアメリカ軍の最高司令官という顔もあります。
国内では、行政府のトップとして官職を指名・任命します。最高裁判所の判事だって指名できます。議会が可決した法案を拒否することも、罪を犯した人に恩赦を与えることもできます。
それぞれ権限に違いがありますが、アメリカと同じように「大統領」がいる国にはロシアやフランス、ブラジルなどがあります。一方で、国王(女王)がいるイギリスやスペインなどの国々には「大統領」はおらず、日本と同じように「首相」が政権を担っています。
どうやったらなれるの?
ことし9月16日に選出された菅総理大臣の場合は、国会議員が国会議員の中から選びました。国民が直接選ぶ仕組みにはなっていません。そして総理大臣になるには、まず国会議員である必要があります。
アメリカの大統領は4年に1回、国民が選びます。
立候補の条件は「アメリカ生まれの市民」「35歳以上」など。ビジネスマンで、政治経験が全くなかったトランプ大統領のように、議員でない人でも大統領になれる仕組みです。
お給料、どのくらいもらってるの?
日本の総理大臣のお給料は法律に基づいて定められていて、月額201万円。期末手当(ボーナス)などを含め、年間では約4049万円とされています(ことし1月時点・人事院資料)。
アメリカの大統領も法律で年間40万ドル(約4200万円)と決められています。その役割や、世界的な注目度の高さと比べて、この額…どう思いますか?
少なくとも、数千億円もの資産があるといわれるトランプ大統領にとっては「大きな問題ではない」のかもしれません。これまで大統領として受け取った給料は、教育省などに寄付しています。
ところでおカネの話で言うと、こんな話も。
現在の日本のお札、肖像画は「野口英世」に「樋口一葉」に「福沢諭吉」。どの人も政治家ではありません。
でもアメリカでは、1ドル札には初代のワシントン、5ドル札には奴隷解放宣言で知られるリンカーンなど、かつての大統領が描かれています。
お財布の中には大統領。
アメリカ人にとって大統領という存在の大きさを物語るエピソードかもしれません。
いかがでしたか?日本の総理大臣と比べてみることで、「大統領」という存在が少し見えてきたでしょうか。
次回は「大統領って、どうやって選ばれるの?」というテーマでお伝えします!
(国際部・白井綾乃、ネットワーク報道部・國仲真一郎)