なぜ大事?テレビ討論会

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    TV討論会はなぜ大事?

    候補者どうしが政策論争を戦わせるテレビ討論会は、アメリカの大統領選挙で大きな役割を担っている。

    広大なアメリカで、すべての有権者が直接、候補者の演説を聴くことは難しい。

    そんな中、テレビ討論会では生中継を通して各候補者の政策や考え方、人間性を知ることができる。
    経済や社会保障、銃規制など、その時々で有権者の関心が高い問題について意見をぶつける。
    制限時間内にみずからの主張を訴え、批判もかわし、他の候補を攻撃し、自分こそが大統領に最もふさわしいとアピールする。

    討論会の後には各メディアに“討論会の勝者”が取り上げられ、支持率の変化にも注目が集まる。

    見た目の印象も重要

    候補者は話す内容だけではなく、口調や見た目など視聴者を引き付ける手腕も必要となる。

    過去には、大統領選挙の結果を左右したと言われる討論会があった。

    1960年に行われた、共和党のニクソン副大統領と民主党のケネディ上院議員による歴史的に有名な討論会。

    表情が硬く、疲れた様子のニクソン副大統領よりも若々しいケネディ上院議員のほうが好印象だったため、大統領選に勝利したと言われている。

    最も見られた討論会は…

    前回の大統領選挙では、トランプ大統領とクリントン元国務長官による討論会が3回開催された。

    1回目の討論会を視聴した人の数は8400万人と、それまでの記録を更新し注目度の高さがうかがえた。

    また、民主・共和両党が、それぞれの大統領候補を決める過程でもテレビ討論会が行われる。
    1対1で行われる本選挙の討論会とは違い、1度に数多くの候補者と議論するため、支持を得るためには目立つことが求められる。

    2019年6月に行われた民主党の最初のテレビ討論会には、一定の条件を満たした20人が参加し、2日にわたって激しい議論を繰り広げた。

    (国際部記者 白井綾乃)