はじまりは…
1854年に、奴隷制度の廃止を訴えていた勢力が集まった人たちによって作られた。
党出身の初代大統領は「奴隷解放の父」として知られるエイブラハム・リンカーン氏。
市場を重視し、政府の介入を最小限にする「小さな政府」を基本理念としている。
レーガン大統領が行った「レーガノミクス」やG・W・ブッシュ大統領(2000年~)が行った大規模な減税政策にも通じている。
共和党のシンボルは「ゾウ」、イメージカラーは「赤」
由来は、1860年にリンカーン氏が選挙運動の一環で、党の強さの象徴するために、「ゾウ」を新聞に掲載したのが最初とされる。
その後、有名な風刺画家のトーマス・ナスト氏が、共和党を「ゾウ」になぞらえたことで広まったとされている。共和党は、別名「GOP=Grand Old Party」とも呼ばれる。
歴代大統領は…

共和党の初代大統領は、リンカーン大統領。
他には、「アイク」と親しまれたアイゼンハワー大統領や、国交がなかった中国を電撃訪問し「ウォーターゲート事件」で辞任に追い込まれたニクソン大統領も共和党の大統領だった。また、親子で大統領をつとめたブッシュ大統領も共和党の選出。
支持基盤は?
大都市などを中心に支持を広げる民主党に対し、共和党の支持層が多い「赤い州」は、中西部の農業地域や南部が多い。
共和党を支持する人たちの傾向としては、白人で保守的で敬けんなキリスト教徒であることなどがある。
以前は、共和党は「金持ちの人たち」の党、民主党は「貧しい人たち」の党というイメージがあったが、いまでは逆転してきているとの指摘がある。
また、近年では、民主党の支持基盤とされてきた労働組合の一部も共和党の支持に回っているほか、共和党の支持層は、より保守的になってきているとの指摘も。
どうなるトランプ大統領
前回の大統領選挙でトランプ氏の当選の原動力となったと言われているのが、中西部インディアナ州やオハイオ州などの「ラストベルト」と呼ばれる地域。
かつては、鉄鋼業や重工業が盛んでアメリカ経済を支えていたが、グローバル化で多くの工場が閉鎖し、現状に不満を持った労働者層がトランプ氏を支持した。
しかし、トランプ大統領が誕生しても、期待していたような恩恵が得られなかったなどといった不満を持つ共和党支持者も一部にはいて、トランプ大統領誕生の「原動力」となった支持層がどのような判断を下すのか注目される。
(国際部記者 紙野武広)