いまさら聞けない民主党

二大政党制のアメリカーーその1つが「民主党」。民主党は「リベラル」とみなされ、対する共和党は「保守」と言われますが、いったいどんな政党なのか。

目次

    はじまりは…

    1800年より前に、トーマス・ジェファソン氏が立ち上げた政党が、その起源だと言われている。

    一般的には、支援が必要な人たちに対して、社会福祉や生活保護を考えるのは政府の義務だとする、“大きな政府”という考え方が基本となっている。

    イメージカラーは「青」

    民主党のイメージカラーは「青」。

    この色が定着したのは、共和党・ブッシュ元大統領と民主党・ゴア氏が戦った2000年の大統領選挙のときだと言われている。

    それ以前は、民主党が「赤」だったり、共和党が「黄」だったこともあった。

    民主党支持層が多い州を「blue state=青い州」と呼ぶ。

    シンボルは「ロバ」

    民主党のシンボルとして、最も認知されているのが「ロバ」。

    由来は、1829年に、初めての民主党所属の大統領となった、アンドリュー・ジャクソン第7代大統領にまでさかのぼる。

    ジャクソン大統領は、選挙中、共和党員たちから、「Jackson」の名前から、のろまやまぬけを意味する「jackass=ロバ」とからかわれた。

    ジャクソン大統領は、それを逆手に取ってロバをみずからのシンボルにしたことが起源とされている。

    そして2010年には、民主党=Democratic Partyの頭文字、「D」を使った新しいロゴを発表している。

    歴代大統領は…

    直近の民主党所属の大統領といえば、オバマ前大統領。

    黒人初の大統領として注目を集めた。

    さかのぼると、クリントン元大統領や、カーター元大統領、在任中に暗殺されたケネディ元大統領。

    そして、第二次世界大戦の最中のトルーマン元大統領やルーズベルト元大統領も民主党所属の大統領。

    支持基盤は?

    「民主党」と聞いて思い浮かべることばは?

    リベラル、大都市、人種的マイノリティー(黒人、ヒスパニック、アジア系など)、労働組合、貧困層…?

    大都市が集まる東海岸や西海岸などでは、近年は、民主党の支持基盤が強い「青い州」が多い。

    共和党は、白人支持層が多いのに対し、民主党はマイノリティーの支持層を集めている。

    民主党の支持基盤が変遷!?

    前回の大統領選挙で、民主党の指名争いで、クリントン氏と最後まで激戦を繰り広げたサンダース氏は、みずからを「社会民主主義者」と呼び、熱狂的な若者を中心に幅広い支持を得た。

    サンダース陣営の運動員の1人だったオカシオコルテス下院議員は、左派・プログレッシブの勢いを象徴する議員。

    サンダース氏やウォーレン氏、オカシオコルテス氏のような左派を代表する議員が増え、中道派と左派の立場が際立ってきている。

    以前は、共和党は「金持ちの人たち」の党、民主党は「貧しい人たち」の党というイメージがあった。しかし、いまではそれが逆転し、民主党には富裕層、高学歴という印象が定着しつつある。

    また、民主党が労働組合を支持していたこともあり、労働者は民主党とみられてきたが、トランプ大統領の当選によって共和党は労働者の党になりつつあるとの指摘もある。

    (国際部記者 佐藤真莉子)