注目州って何?

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    なんで注目するの?

    「注目州」とは、アメリカ大統領選挙の勝敗の行方を左右する重要な州のことを指す。

    共和党が強い州は「red state=赤い州」、民主党が強い州は「blue state=青い州」と呼ばれる。

    一方で、選挙によって、「赤」になったり「青」になったりする州もあれば、民主・共和両党の支持層がきっ抗している州もある。

    こうした州が、選挙結果に影響を与えることから「注目」されている。そして、アメリカの選挙制度も、「赤」でも「青」でもない州に、「注目」が集まる要因になっている。

    大統領選挙で、民主・共和両党の候補者は、各州に割り当てられた「選挙人」を獲得していく。

    「選挙人」の総数は538人で、大統領に選ばれるためには過半数の270人を得る必要がある。
    ほとんどの州では、1票でも多く得票数を獲得した候補がその州のすべての選挙人を獲得する「勝者総どり方式」が採用されている。
    そのため、「選挙人」の多い「注目」州で勝利することは、候補者にとっては重要になる。

    総得票数vs選挙人数

    前回、2016年の選挙では、全米の総得票数では民主党のクリントン氏が、共和党のトランプ氏を、およそ280万票上回った。

    しかし、選挙人ではトランプ氏がクリントン氏を74人上回る306人の選挙人を獲得したため勝利した。

    トランプ氏勝利の背景には、中西部のミシガン州とウィスコンシン州、それに東部ペンシルベニア州の3つの注目州で、僅かながらもトランプ氏が勝利し、合わせて46人の選挙人を獲得したことが大統領選挙での勝利につながった。

    関心高いオハイオ州

    大統領選挙では、「オハイオを制するものは全米を制する」と、しばしば言われることがある。
    その理由は、半世紀余り、中西部オハイオ州を制した候補者が大統領に選ばれているため。

    今回の大統領選挙でも、オハイオを制する候補者が大統領になるのか、注目。

    (国際部記者 藤井美沙紀)