池上彰さん「誰もが迷った30年」

難しい時事問題を丁寧に解説し、人気を集めているジャーナリストの池上彰さん。平成の時代は東西冷戦が終結し、「既成のイデオロギーがもろくも崩れた時代」としたうえで、「政治も混乱が続いて若者たちの悩みに対応できなかった」と語りました。取材者として、平成の30年間をどのようにみてきたのか、聞きました。(聞き手:ネットワーク報道部記者 岡田真理紗)

「内平らかに…とならなかった平成」

――まず、平成という時代をひとことで表すとどのような言葉になるのか、書いて頂けますか。

「内災外乱」ですね。私のまったくの造語です。

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そもそも平成という言葉は「内平らかに外成る」からきているわけですが、実際には内(うち)、つまり国内は決して平らかではなく、実にさまざまな災害があった。 そして外(そと)成る、本当に平和が訪れるかと思いきや、東西冷戦が終わってから湾岸戦争やイラク戦争などさまざまな紛争が続き、今も米中の貿易摩擦・・・と乱れているわけで、とっさにこういう造語を作ってみました。

――平成の30年間でもっとも印象に残った出来事はなんでしょうか。

この30年間を振り返って非常に深く印象に残る事件といいますと、やはりこれはオウム真理教の事件ですよね。

オウム真理教は宗教法人の認可がある宗教団体。ですから、何か変なことをやってるな、とみんなが思っていても、警察や検察にしてみれば、うっかり手を出すと宗教弾圧だと言われかねないというところがあって、ためらいがあったような気がするんですね。それが、あれよあれよという間に大変な事件になってしまった。それは捜査側の反省点ですね。

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また、何で若者たちがあそこにひかれていったのか。そもそも既成の仏教なりキリスト教なり神道なりがあるわけですよね。そういう既成の宗教が若者にとって魅力に欠けているのではないか、既成の宗教団体はどうあるべきか、という反省を迫った事件でもあったと思うんですね。

「どうしたらいいかわからない」という閉塞感

――若者の悩みにマッチしたのがオウム真理教だったんですね。

バブルが崩壊して若者たちの間に閉塞感というのが広まってきて、どう生きていけばいいんだろうか、という悩みもあったわけですよね。東西冷戦時代は、世の中は非常に構造が簡単で、どっちがいいかという対立構造だったんです。それがなくなってしまった時に、さあ自分はどうしたらいいんだろうかという悩み、それをうまくすくい取ったのがオウム真理教だったと思うんですね。

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ソ連が崩壊してロシアになりましたが、ソ連の時には共産主義という目標があったわけですよね。共産主義は、ソ連にとっての宗教のようなわかりやすい役割を果たしていた。それが崩壊した途端、ソ連の人たちも思い悩んだりして、その中で急激にいろんな宗教が出てきて、オウム真理教も実はロシアで信者を増やしたんですね。何となく日本もそれと同じような構造になっていたのかなという気がしますね。

――そのころ池上さんは変化をどうとらえていましたか?

ちょうど、首都圏のニュースのキャスターから、こどもニュースのお父さん役になる頃だったんですね。首都圏のニュースのキャスターのころには、横浜の坂本弁護士一家が消息を絶った、一体どういうことなんだろうというのを取材したり、インタビューしたりしていました。

そしてこどもニュースの担当になったら、オウム真理教の事件だということになって、警察が家宅捜索に入ることに。その時はとにかく子どもたちからの素朴な質問にどう答えるのかっていうことに追われていたというところがあります。 子どもたちから「サリンってどうやって作るんですか」みたいな質問や、オウム真理教の弁護士がテレビに出ていると、「悪いことする人を弁護してもいいんですか?」などという質問がきて、非常に素朴な子どもたちの質問に大人としてどう答えればいいのか、ということを考えていました。

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そこで、そもそも日本の司法制度ってどうなっているんだろうかとか、あるいは彼らはどうしてこのようなことをやったのか、ということを非常に考えまして、当時はオウム真理教が出しているさまざまなパンフレットとか、彼らにとっての教科書のようなものを次々に読みましてね。自分なりに勉強してみたら、ヒンズー教と仏教を、彼ら流に独自に混交して、ちょっぴりキリスト教の終末論を振りかけた、そういう宗教の構造になってるんだなっていうのを感じましたね。

――時代が違ったら、ここまで多くの若者をひきつけることにはならなかったと思いますか?

ならなかったでしょうね。でも考えてみますと、日本でも新興宗教というのが広がっていったのは、1つは第2次世界大戦後の混乱期です。非常に貧しい中で、どうやって生きていけばいいんだろうかという時に、この宗教を信じると救われるとか、出世するとか、病気が治るよという、ある種の現世利益を追求するような、そういう形で新興宗教が広がっていきました。

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もう1つは、平成のはじめです。バブルがはじけて以降、閉塞感の中でどうしたらいいかっていう時に、「こうすればいい」というのがなかなか出てこなかったのかなって思うんですね。目標がなくなってしまって、どう生きたらいいかってことを一人一人が突きつけられるわけですよね。 その時にオウム真理教のようにひたすらこれを信じて出家をし、ひたすら修業をしていれば輪廻転生から解脱できるんだよっていうと、ある意味楽なんですね。これ以上なにも考えなくていいわけですね。言われたとおりのことをやっていればいいというと、心の安寧が得られる。そこに彼らが魅力を感じたんではないか。

本当は民主主義の世の中で、一人一人がどうあるべきかってことを考え、一人一人が判断する、そういう時代であったはずなのに、政治の方も混乱が続いて若者たちの悩みに対応できなかったのかなと思いますね。

――一人一人が目標を見失ってしまった時代だったのでしょうか。

そうだったと思いますね。平成になる前は、東西冷戦の中でも日本国内でも、例えば社会主義を目指すんだという政治勢力と、資本主義の経済体制が大切だという勢力でも対立というのがあったわけですよね。

ところがソ連が崩壊し、中国の経済体制もまるで資本主義そのものになってきた時に、「社会主義ならいい」という単純な解決がなくなってしまった。

一方で、それまでは資本主義の側にも、格差が広がると社会主義勢力が伸びてしまうかもしれないので、「なるべく格差がないように」という配慮があったんです。でも「資本主義が勝ったんだ、資本主義バンザイ」ってなった結果、非常に格差が広がっていく。 そうすると格差社会の中でまた悩みを抱く人たちが出てきて、それに対する処方箋が与えられないまま今に至った、それが平成かなと思いますね。

――ほかに印象に残った出来事はありますか。

日本だとやっぱりオウム真理教の事件ですけど、世界で見るとやっぱりそれはベルリンの壁の崩壊ですね。壁が崩壊し、東西冷戦が終わった時に、ああこれでやっと世界に平和が来るんだと思ったら、湾岸戦争が始まっちゃった。

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要するに戦後の枠組みが外れてしまったために、むしろ世界各地でさまざまな紛争が多発する時代になった。これはやっぱり平成になってから世界で一番大きな出来事ですね。 個人的にはNHKをやめたというのがありますけどね(笑)

構造改革と規制緩和、そして選挙制度改革

――平成の時代には、国の制度でもさまざまな変化がありました。

平成になって世界が大きく変わる中で、日本がこれでいいんだろうかという。日本はすぐに“外圧”を感じますからね。「世界はこんなに大きく変わっているのに、日本がこのままでいいのか、実は日本というのはさまざまな規制によってがんじがらめになってるじゃないか、規制を取り払うことによってさらに一段と成長するんだ」といって、構造改革や規制緩和が始まりました。 そのこと自体は決して間違いではなかった部分もあると思うんですが、実際にやってみたらなにが起きたのかというと、一段と格差が広がってしまった。

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大規模小売店舗法の規制があった時代には、デパートでもスーパーマーケットでも週に1度は休みがあって、そんなに深夜までは営業をしていなかった。それが何でも自由になった結果、非常に多くの人の過重労働につながってしまった。とにかくサービスを向上させなければいけない、それはその通りなんですけど、それによって非常に過酷な労働が増えてしまった。それが今、働き方改革ということにつながってきている。

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政治改革もずいぶんありましたね。「金のかからない選挙制度にしなければいけない」と言って、小選挙区比例代表並立制にしてみた。これはこれで良さもある一方で、政治家一人一人が小粒になったんじゃないかとか、どうも昔のような大物政治家が現れないよね、これは選挙制度のせいではないか、という声も出てきた。これから検証していかなければいけないんですけど、いろんな政治の問題はみんな選挙制度に起因するんだ、みたいな議論がまた起きてきていますよね。

まさにこれから新しい時代を迎えるにあたって、平成の時に行われたさまざまな改革が果たして良かったのか悪かったのか、これを冷静に考えることができる時代になるんだと思いますね。今はまだ、それぞれ当事者がいますでしょう。制度を変えるときに旗を振った当事者がいると、なかなか言いにくいところもあるわけです。そういう人たちが表舞台から退場すると、非常に冷静に議論ができるという、まさにそういう時代かなと思いますよね。

「池上無双」が示すもの

――池上さんの選挙報道が若者にも人気を集めています。平成の30年間、メディアと権力の関係は、変わってきたと感じますか?

メディア一般で言えば、それはあまり変わらないと思います。かつて私が警視庁記者クラブで警察をずっと取材していた時に当時の先輩から言われた言葉があって「密着すれど、癒着せず」と。警察取材では、捜査員から話を聞き出さなければいけないですよね。その時に最初からけんか腰では情報が得られない。ちゃんと密着して取材をし、そして信頼を得て情報を得なければいけない。けれども、癒着してはいけない、という教えですよね。これはもうどこのメディアでも同じことだと思うんですよ。

政治の話だって経済の話だって、さまざまな事件取材だって、密着しなければ情報が取れない。だけど気をつけていないと、いつしか癒着することによって、当局にとって都合の悪いことは報じないでおこうとか、それによって相手の心証をよくして別の情報を得ようって考えたり、あるいは相手が伝えたいことを率先して伝えることによって気に入られようとしたり、という誘惑はいつでもあると思うんですよ。そことどう戦っていくのかというところにおいては全く変わらない、昔も今も同じことだと思ってますね。

私の場合は選挙番組を民放でやっているんですけれども、これはですね、選挙報道の王道というNHKがあるからこそできるんですね。 つまり「今それぞれの市町村で一体どれだけ開票されているのか」「誰が当選確実なのか」ということをちゃんとやってくれる番組があるから、ゲリラのようにそれ以外のところでいろんな工夫をしてみようということが成り立っている。

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私がNHKで選挙報道をやっているころには、出口調査なんてなかったんです。ひたすら事前に取材をして票読みをしていた。そしてそれぞれのところで開票状況を取材して速報し、どれだけ早く「当選確実」を出すか、そのために事前に一生懸命いろいろ調べてきたわけですね。 ところが今は出口調査があって、8時になった途端に「獲得議席予想」っていうのが出ますでしょう。昔は、選挙の結果がどうなるんだろうかってずっとNHKの開票速報をくぎづけになって見てたわけですが、今は8時になった途端、「あっ分かった、もう結果わかったから見ることないよね」って他の局へ回しちゃうんですよ。

その点、今私がやっている番組の放送局は、幸か不幸か取材力がNHKほどなくてですね、綿密な事前の取材とか、あるいは当選確実を早く出すってことがなかなかできない。
だったらこれは選挙速報ではなくて、ちょうど開票の時に合わせて政治について考える知的エンターテインメントにしよう、と考えた。つまり全く違うものを作ってるということなんですね。

――どんな権力者にも鋭く切り込んでいくインタビューが「池上無双」などと呼ばれていますね。

それはね、言ってみれば私の今の立場があるからだと思うんですよね。継続的に政党や議員にずっと取材をしていると、「テレビで聞かれたくないことを聞くと、相手との関係が悪くなってしまう」って、ある種ブレーキがかかることはあり得るわけですよね。

私は今、完全なフリーランスであって、いろんなことを取材しますけど、特に政治のことだけを取材しているわけではない。はっきり言ってしまえばどこかの政党の党首に嫌われても私は構わないんですよ。別にそこで勝負をしていないから。だから誰にだってずけずけと聞くというのは、実はそういう私の立場があるからで、みんながそうすべきだって私は決して言いません。それぞれの立場があるだろうということです。

ただし、私のああいう形がもし支持されたとするならば、やはり視聴者は、政治家とメディアが激しく衝突するとか切り結ぶとか、そういう緊張関係を実は求めているんじゃないか。そういう意味では既存のさまざまなテレビのメディアにしても、もう少し取材対象との緊張関係を持つ、あるいは視聴者に緊張関係を持ってやり取りしているんだなということを分かってもらえるような、そういう放送のあり方ってあるべきじゃないかなと思いますね。

実感なき「幸せな30年」

――平成の時代は、幸せな時代だったといえるのでしょうか。

災害がずいぶん起きたり、あるいは若者への閉塞感があったり、ということで言えば決してそんなにいい時代であったとは言えませんけれども、ただ天皇誕生日にあたって、天皇陛下が平成を振り返って「平成が戦争のない時代として終わろうとしていることに、心から安堵しています」ということをおっしゃいましたよね。

そういう意味では、世界中でさまざまな紛争や戦争があった中で、少なくとも日本ではそういうことがなかったということで見れば、世界から見れば日本っていうのは幸せな30年間だったと思いますね。海外に取材に行けば行くほど、ああ、日本てなんて幸せな平和な国だろうと思いますよ。

――幸せな30年間、といっても実感がないですね。

ないですね。実感はないけれども、こうして新しい年を多くの人が迎えられるっていうこと自体、実は世界の中で見れば日本というのは平和だったし、恵まれていたと思いますよ。 昭和の時代は戦争で彩られていましたからね。昭和って64年、まあ63年と7日間なんですけれども、本当に、第二次世界大戦をはさんで全く変わりましたよね。 その前は本当に、日本はさまざまな戦争をして、多くの犠牲者が出た。 戦後、非常に平和な時代が続き、それが平成になっても続いてきたんだと。

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昭和はね、ひと言でくくれないんですよ。ところが平成はひと言で言えば、まあとにかく戦争なかったんだよねって言える時代ですよね。

――平和ではありましたが、閉塞感が漂っていた時代とも言えますね。

それで言うと、既成のイデオロギーというのが、もろくも崩れていったという時代だと思うんですね。 昔は社会主義とか共産主義が光り輝いて見えていた人たちがいたわけですけれども、それが色あせてしまった。そして一方で、資本主義が素晴らしいと言っていた人たちもいた一方で、格差が広がった。 しかも、このところ世界的に金利が非常に下がってますよね。そもそも資本主義っていうのは、金融の「金利」というのがあってこそ発展するんですよね。

融資を受けて新しい仕事をする、そして金利を付けてお金を返さなければいけない、ということは、常に成長していかなければ、金利の分のお金を返すことができないわけですよね。この金利があるから経済は発展してきた。

ところが今、世界中でどんどんどんどん金利が低下してしまって、ほとんどゼロに近いような状態になってしまっているってことは、つまり資本主義が発展しなくなってきているという証左でもあると思うんですよね。そういう時に資本主義がどうあるべきかっていうところでも、資本主義経済が素晴らしいんだって言っていた人たちの中にも反省が起きている。どちらのイデオロギーも色あせてしまった、そういう時代だったと思います。

新たな時代には新たな動き

――答えがないなかで、新しい時代にどう向き合って行くべきと考えますか

難しいですよね。とても難しい質問だと思うんですけれども。

例えばアメリカで、自分の国さえよければいいという人が出てきている。ヨーロッパでも、それこそイギリスだって、EUから離脱してイギリスファーストっていう考え方になったり、いろいろ混乱が広がってますよね。

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自分の国さえよければいいんだという考えが世界にわあっと広がっていく中で、しかし日本は今のところ、日本さえよければいいんだってことはしてないですよね。やっぱり国際協調が必要だということをやっている。これがギリギリ歯止めになっているのかなと思います。

一方で、アメリカでもヨーロッパでも「自分の国さえよければいい、というわけじゃないよね」という動きが出てきましたね。

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物理学に作用・反作用っていう考え方がありますが、何かが起きると必ずそれに対する反作用が起きるんですよ。平成の30年間っていうのは、東西冷戦が終わってグローバリズムが大きく広がった、世界が1つの大きなマーケットとなった、という作用が起きた。 そしたらその結果、ものすごく格差が広がってしまって、「自分の国さえよければいい」という反作用が起きた。それが現在だと思うんですね。すると、作用が起きて反作用が起きれば、またそれに対する反作用がこれから起きる。新しい時代、また新しい動きが出てくる、それを見るのが楽しみだなって思っていますね。

――新しい時代は、どんな時代になってほしいですか

「内和外平」です。

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うち、国内はもっとそれこそ聖徳太子じゃないですけど、“和をもって”あってほしいし、外は平和になってほしいということですね。 日本国内でも今、さまざまなことで対立が起きたり、特にネット上でさまざまなヘイトスピーチが出てきたりですね、政治的にきちっと真正面から対立するのではなく、単なる揚げ足取りであったり、単なる憎しみの言葉を投げつける、そういう世の中になってきていると思うんですよね。それではやっぱりいけないわけで、意見の違いは違いとしながら、余計な対立ってのはやめたほうがいいんじゃないかという思いがあります。 外=世界はもう、平和であってほしい。そもそも平成というと、やっぱり外も平和であってほしいという意味の元号ですから。今度こそ世界が平和になってほしいという、本当にこれは願望ですね。

――新しい時代を担う若い世代にメッセージをお願いします。

今いくつもの大学で大学生を相手に授業をしているわけですね。そうしますと非常にはっきり2つに分かれてるんだなと。 ごく一部の学生たちは、これから世界で活躍したいと、こう思っている。中には、高校時代に、進学先として海外の大学を選ぶ若者たちも出てきているんですね。そうやって世界で活躍するにはどうしたらいいんだろうかって考えている人たちがいる一方で、多くの人が何でわざわざ海外に行くのと。海外に行こうとすると、親からそんな危険なところ、行くのやめなさいって言われたり、日本国内で全部済むんだからいいじゃないと言われたり、という、非常に内向きの若者たちが増えているという感じがするんですね。留学生も全体としては減ってきているというところがあります。

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若者たちにはですね、もう少し冒険をしてほしいと思うんですよ。若い間だからこそできる冒険、もちろんこれは必ず海外に行きなさいという意味ではないですよ、ただ、自分の殻にこもっているんではなく、もっといろんなことに挑戦してみてほしい、チャレンジして冒険してみてほしいと思いますね。既成概念にとらわれることなく、あるいはステレオタイプな物の見方に左右されることなく、自分の目で見て判断するんだ、人の言ったことを、ああそうなんだってそのまま鵜呑みにしないで、自分の目で見て判断する。そういう行動力と判断力を持った若者になってほしいと思います。

【プロフィール】
池上 彰(いけがみ・あきら)
ジャーナリスト。1950年生まれ。1973年にNHKに入局。1994年から「週刊こどもニュース」のお父さん役をつとめ、2005年にフリーランスに。ニュースや時事問題をわかりやすく伝える解説者として、テレビ番組などで活躍。著書も多数。