新語・流行語大賞からみる「平成」

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毎年発表されている新語・流行語大賞をたどってみると、震災や政治、スポーツ選手の活躍など平成の時代に起きた出来事や世相が浮かび上がってきます。

「新語・流行語大賞」は昭和59年に始まり、8回目の平成3年から年間大賞が発表されています。
このときの年間大賞は、お笑いタレントのチャーリー浜さんのギャグ、「…じゃあ~りませんか」でした。よくとしの平成4年は長寿の双子の姉妹、「きんさん・ぎんさん」。平成5年はこの年から始まったサッカーの「Jリーグ」が選ばれました。

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阪神・淡路大震災のあった平成7年には、「がんばろうKOBE」のほか、「無党派」と、大リーグで活躍した野茂英雄投手を指す「NOMO」が選ばれています。

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オリンピックなどスポーツに関連した言葉が目立ち、平成8年にはアトランタオリンピックの女子マラソンで銅メダルを獲得した有森裕子選手の「自分で自分をほめたい」、サッカーワールドカップ日韓大会が開催された平成14年には「W杯(中津江村)」、平成16年にはアテネオリンピックで金メダルを獲得した競泳の北島康介選手の「チョー気持ちいい」などが受賞しています。
平成30年の「そだねー」もオリンピックをきっかけに流行した言葉でした。

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衆議院選挙が行われた年には、平成17年の「小泉劇場」、平成21年の「政権交代」と選挙結果を表した言葉も選ばれています。

東日本大震災のあった平成23年には、「絆」や「帰宅難民」、「3.11」「風評被害」と震災や原発事故に関する言葉がトップテンに並び、年間大賞は「日本中に希望と勇気を与えた」として、サッカーの女子ワールドカップで優勝した「なでしこジャパン」が選ばれました。

30回目となる平成25年には、「今でしょ!」「お・も・て・な・し」「じぇじぇじぇ」「倍返し」とテレビを通して流行語になった4つの言葉が年間大賞に選ばれています。

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一方、情報通信技術の進歩を反映して、平成12年には「IT革命」が年間大賞に選ばれているほか、平成7年の「インターネット」、平成13年の「ブロードバンド」、平成23年の「スマホ」などがトップテンに入っています。

このほか、雇用や暮らしをめぐる社会問題としては、平成15年の「年収300万円」や平成18年の「格差社会」、平成21年の「派遣切り」、平成26年の「マタハラ」などがトップテンに選ばれました。

俵万智さん「時代を象徴していく言葉を大事に」

新語・流行語大賞の選考委員を20年近く務めている歌人の俵万智さんは平成の30年間に生まれた新語や流行語について、「今に定着している言葉が多く、日常の言葉になっていて感慨深い。平成はいろんな価値観、新しいものの見方が生まれてどんどん定着していった30年だったと思います」と話しました。

また、「昔はお茶の間のみんなが歌を共有していた風景がありましたが、言葉もみんなが使っていた時代からそれぞれの価値観、文化的な思考が細分化して接する情報もそれぞれ違ってきた。そういった中で『みんなの流行語』が見えづらくなり、言葉に対して十人十色の感想を持たれる。でもそれこそが、言葉の今だと思います」と指摘しました。

そのうえで、「言葉が伝わる速さはどんどんスピードアップし、その裏返しとして廃れるのも速くなりました。その中でこそ、時代を象徴していく言葉を大事にしていきたいと感じています」と話していました。

平成 各年の新語・流行語大賞「『現代用語の基礎知識』選 ユーキャン新語・流行語大賞」より

平成30年(2018年)

年間大賞

  • そだねー

    ロコ・ソラーレ

トップテン

  • eスポーツ

    一般社団法人日本eスポーツ連合

  • (大迫)半端ないって

    受賞者辞退

  • おっさんずラブ

    テレビ朝日ドラマ制作部「おっさんずラブ」チーム

  • ご飯論法

    上西 充子さん(法政大学キャリアデザイン学部教授)/紙屋 高雪さん(ブロガー・漫画評論家)

  • 災害級の暑さ

    気象庁

  • スーパーボランティア

    受賞者辞退

  • 奈良判定

    受賞者なし

  • ボーっと生きてんじゃねーよ!

    NHK番組「チコちゃんに叱られる!」チコちゃん

  • #MeToo

    私も#MeTooと声を上げた全ての人

ノミネート

      過去の新語・流行語大賞