カプセル回収の「6段構え」
カプセルは日本時間の2020年12月6日、午前2時から午前3時ごろにかけて、オーストラリア南部のウーメラという村の近くにある砂漠に落下させる予定です。
カプセルは秒速12キロで大気圏に突入し、高度1万メートルでパラシュートを開くと同時に位置を知らせる「ビーコン」を出しながら緩やかに落下します。
カプセルが落下する範囲は、どんなに正確に制御しても、100キロ以上の誤差は出るとされています。
このカプセル内の貴重なサンプルを絶対に回収するため、「6段構え」の態勢で待ち受けることにしています。
第1段の構え
第1段は、大気圏を落下してくるカプセルが高温になって光る様子を地上に設置した観測機器で測定して落下地点を割り出します。
第2段の構え
第2段として、雲がでて、光るカプセルを地上から観測できない場合に備えて、NASAの航空機を飛ばすよう依頼して、雲の上からも観測します。
第3段の構え
第3段は、「ビーコン」の受信です。
カプセルは高度1万メートルまで落下すると、パラシュートを開き、同時に位置を知らせる電波信号、「ビーコン」の発信を開始します。
この「ビーコン」を受信するアンテナを地上の5か所に設置してカプセルの位置を割り出します。
第4段の構え
また、第4段として、地上に4つのレーダーを設置します。
パラシュートを開いたカプセルをレーダーで検知して落下位置を探ります。
第5段の構え
第5段はヘリコプターによる捜索です。
カプセルが地上まで到達すると、地上に設置した「ビーコン」の受信機や「レーダー」では探知できなくなります。
そこで登場するのがヘリコプターです。
「ビーコン」の受信機を搭載して、上空から信号を捉えます。
第6段の構え
第6段はヘリコプターを補完するために飛ばす「ドローン」です。
ヘリコプターよりも小回りのきくドローンを飛ばし、上空からの映像でカプセルを見つけ出します。
回収チームは、「これでもか!」という6段構えを用意していて、万全の態勢でカプセルの帰還を待ち受けています。