メッシ “世界で一番ボールと友達”
「たぶん、世界で一番ボールと友達な男じゃないですか」
NHKサッカー解説の森岡隆三さんがメッシ選手を評した時に思わず出たことばです。

卓越したボールコントロールが数々のスーパープレーの礎になっていると説明してくれた直後でした。

そのことばを強く感じさせられたのが日本を破ったクロアチアとの準決勝。
1点目はみずからペナルティーキックを決めました。
2点目は中盤で足を伸ばしてボールにさわり、味方のカウンターにつなげたことで生まれました。
そして、会場がわいた3点目。

緩急をつけた後に巧みなフェイントで右サイドを崩してからの決定的なパスで3点目をアシストしました。

(NHKサッカー解説 森岡隆三さん)
「機動力とかアジリティーの部分もすぐれている。イメージを具現化するフィジカルもある。『何でそんなところが見えていてた』みたいなスペースの見つけ方とかもある。本当に流れている時間の違いを感じますよね。だから、どういう脳の回路になっているのかまず知りたい」
エムバペのすごさは
一方、フランスのエース、エムバペ選手。

実はフランス1部リーグのパリサンジェルマンでメッシ選手とともにプレーしています。
特長として、まっさきにあげられたのが「スピード」。

そのスピードを維持しながらのボールタッチも巧みで、こうした高い技術によって、得点もアシストもこなせるといいます。

(森岡隆三さん)
「速い、うまい、強い。チャンスメークできてゴール前でも仕事ができて、もう本当パーフェクトだと思いますよ。何かずるい感じですよね。全部思いどおりになっている気がする。パリサンジェルマンでメッシともやって、どんどん何かいいエッセンスを受けて、成長しての今大会だと思う」
技術だけでなく意識の高さもエムバペ選手のすごさを支えていると感じたといいます。それが1次リーグでのオーストラリアとの試合でした。

(森岡隆三さん)
「にこにこ気持ちよさそうにプレーしていたんですけど、1本ボールをコントロールしたら、もうゴールだろうなっていう決定機に近い時にコントロールミスしたんですよ。そこから笑顔が消えたんです。何か自分に対してものすごく怒っていて。自分に対するストイックさっていうか自分のプレーに対する何かこだわりというか、もっともっとうまくなりたいみたいなのが、何かあのシーンで、すごくかいま見えた気がした」
フランス “高い総合力”

直前でベンゼマ選手など、主力選手が抜けるという打撃を受けながら、ここまでイングランドや勢いのあったモロッコを破って勝ち上がってきたフランス。その総合力の高さは揺るぎないと言います。

(森岡隆三さん)
「本当に恐ろしいチーム。デシャン監督はポジションで優位性を作りながら試合の構図を作るより、エムバペ選手のいいところを生かそうとしている」
優勝予想は…
世界的なスターの2人。ここまで5得点も同じでランキングのトップで並びます。決勝では、どちらが得点王になるのかというところも注目されます。

「最後の大会になるだろう」と集大成として臨むメッシ選手がワールドカップで初めての栄光をつかむのか。

今や世界のトップ選手に上り詰めたエムバペ選手を擁するフランスが2連覇を成し遂げるか。
その予想について森岡さんは、みずからの思いを交えながら語ってくれました。

(森岡隆三さん)
「予想でいえばフランスかな。総合力でということになります。ただ、願望でいえば、アルゼンチンに勝ってもらいたいかな。メッシ選手にはワールドカップで、やっぱりいい思いしてもらいたいな、なんて勝手に思っています」
NHK放送予定
決勝はルサイルスタジアムで日本時間の19日午前0時開始予定です。
NHKは、総合テレビとBS4K、ラジオ第1で中継し、NHKプラスで同時配信します。
