旧軍や軍閥 かたくなに否定

「拝謁記」には、戦前のような軍隊や軍閥をかたくなに否定する昭和天皇の姿も記されていました。

目次

「捧げ銃」に警戒感

昭和26年4月2日の拝謁では、昭和天皇が「軍備でもそうだ 自衛上侵略者がある場合必要なものに違ないが その軍が又昔しの軍のやうになつてハ困る其点が実ニ六ヶしい」と述べたと記されています。

警察予備隊 「捧げ銃」

昭和25年の朝鮮戦争勃発を受けて、連合国軍の指示で警察予備隊が発足しましたが、昭和27年1月11日の拝謁では、予備隊で旧軍と同じように銃を持っている時の敬礼の「捧げ銃(つつ)」が行われているのを見た昭和天皇が、田島長官に対して「ともすると昔しの軍にかへる様な気持をもつとも思へる」と警戒感をにじませ、「私は例の声明メッセージには反省するといふ文句ハ入れた方がよいと思ふ」と独立回復の際に出す国民向けのメッセージに戦争への反省の要素を入れなければならないと述べたと記されています。

また、日本が独立を回復した直後の昭和27年5月8日の拝謁では、国内政治の前途についての心配を語る中で、昭和天皇が「私は再軍備によつて旧軍閥式の再抬頭(たいとう)は絶対にいやだが 去りとて侵略を受ける脅威がある以上 防衛的の新軍備なしといふ訳ニはいかぬと思ふ」と述べたと記されています。

再軍備・改憲 一覧に戻る

TOPに戻る