習指導部の反腐敗の5年

虎もハエもたたく

習近平指導部はこの5年間、「虎もハエもたたく」というスローガンを掲げて、末端の役人から大物幹部まで地位を問わず摘発するなど汚職撲滅に力を入れてきました。

習近平氏

背景には汚職のまん延の深刻化に国民の不満が高まり、このまま放置すれば共産党が国民からの支持を完全に失うのではないかという危機感がありました。中国国営の新華社通信によりますと、この5年間で次官級以上の幹部280人余りと、局長級の幹部8600人余りを汚職で摘発したということです。また党の規律違反や違法行為で何らかの処分を受けた党員は134万人以上にのぼったとしています。このほか、役人の汚職撲滅のためとして、視察や会議の簡素化や倹約することなどを定めた8項目の規定を公布し、綱紀粛正を図っています。

周永康氏

ただ、汚職撲滅には権力争いの側面もあります。3年前には、最高指導部である政治局常務委員の経験者は汚職で摘発されないという長年の不文律を破り、江沢民元国家主席に近いとされた周永康前政治局常務委員の党籍剥奪や逮捕の決定を発表し、その後、無期懲役の判決が言い渡されました。

郭伯雄氏(左)令計画氏(右)

また江氏に重用され、軍の前の制服組トップだった郭伯雄氏や、胡錦涛前国家主席の側近だった令計画氏など大物幹部を次々と汚職で摘発しました。

巨額の汚職を行ってきた高級幹部の相次ぐ摘発は国民の多くが支持する一方で、習主席が権力基盤を強化するため、政敵を失脚させるという側面もあったと受け止められています。