コロナワクチン、激しいアレルギー反応=アナフィラキシーなど副反応の不安は?危険性は?コロナワクチンの安全性に関するQ&Aをまとめました。

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    Q.ワクチンを接種すると、どんな副反応が起きる?

    A.
    ワクチンを接種すると、発熱や接種した部分が腫れるなどといった副反応が起きることがあります。

    感染症に詳しい国立三重病院の谷口清州院長によりますと、発熱や腫れなどのワクチンの副反応は、免疫を活性化させるという「主反応」が起きていることの裏返しで、免疫の機能が働いていることの現れだということです。

    新型コロナウイルスのワクチンでもどのような副反応が出るのか知っておくことが大切です。

    日本の厚生労働省やアメリカのCDC=疾病対策センターによりますと、日本で現在使われているファイザーのワクチンとモデルナのワクチンでは、一般的な副反応として、接種した場所の痛み、頭痛、倦怠感、筋肉痛などが報告されているということです。

    こうした症状はほとんどの場合、数日のうちに収まるということです。

    これとは別に今回のワクチンでは接種後にごくまれに重いアレルギー反応、アナフィラキシーが起こることが知られていますが、ワクチンの専門家によりますと、アナフィラキシーが起きてもアドレナリンを注射するなど適切に対応すれば、命に関わることはないということです。

    また、原因はよく分かっていないもののワクチンの種類によって異なる副反応が出ることも報告されています。

    このうちファイザーやモデルナのワクチンは「mRNAワクチン」という種類のワクチンですが、ごくまれに心筋炎が起きることがあると指摘されています。

    これについて日本の厚生労働省は「軽症の場合が多く、心筋炎や心膜炎のリスクがあるとしても、ワクチン接種のメリットの方がはるかに大きいと考えられています」などとしています。

    アストラゼネカのワクチンではごくまれではあるものの血栓症が起きることがあるとされています。海外の調査では、高齢者に比べて若い世代の方が起こりやすいとされていて、国内では原則、40歳未満には接種しないことになっています。

    (2021年8月26日時点)

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    Q.ワクチンの副反応、メーカーごとの情報は?

    A.
    2021年8月25日に示された厚生労働省の研究班の資料によりますと、日本国内で承認されているワクチンの一般的な副反応は次のようになっています。

    ●ファイザーのワクチン

    ・「疼痛(とうつう)」 1回目接種後 92.6%、2回目接種後 89.5%
    ・「けん怠感」 1回目接種後 23.2%、2回目接種後 68.9%
    ・「頭痛」 1回目接種後 21.4%、2回目接種後 53.1%
    ・「かゆみ」 1回目接種後 8.0%、2回目接種後 11.9%
    ・「38度以上の発熱」 1回目接種後 0.9%、2回目接種後 21.3%

    ●モデルナ

    ・「疼痛(とうつう)」 1回目接種後 85.4%、2回目接種後 87.2%
    ・「けん怠感」 1回目接種後 26.2%、2回目接種後 83.1%
    ・「頭痛」 1回目接種後 16.7%、2回目接種後 67.3%
    ・「かゆみ」 1回目接種後 5.3%、2回目接種後 13.3%
    ・「38度以上の発熱」 1回目接種後 2.4%、2回目接種後 61.9%

    アメリカのCDC=疾病対策センターなどによりますと、いずれのワクチンでもこうした副反応は、通常は接種後、数日で消えるということです。

    ●アストラゼネカ

    アストラゼネカのワクチンについては、国内では原則、40歳以上を対象に2021年8月下旬から接種が始まりました。

    ワクチンの添付文書によりますと2万4000人余りが参加した臨床試験では、主な副反応は次のようになっています。

    ・「疲労」 1回目接種後 49.6%、2回目接種後 26.8%
    ・「頭痛」 1回目接種後 48.6%、2回目接種後 26.7%
    ・「筋肉痛」 1回目接種後 40.3%、2回目接種後 18.9%
    ・「38度以上の発熱」 1回目接種後 7.1%、2回目接種後 1.2%

    ファイザーやモデルナのワクチンとは異なり、1回目の方がこうした副反応が出やすい傾向となっています。

    (2021年8月26日時点)

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    Q.“接種後に死亡”とは?

    A.
    新型コロナウイルスのワクチンを接種した後に亡くなったケースがあり、国はその人数を公表しています。

    これまでにワクチンが原因で亡くなったと判定されたケースはありませんが、「ワクチンが原因で亡くなった」と誤解してSNSなどで拡散されていて 厚生労働省は誤った情報が広がっているとして注意を呼びかけています。

    厚生労働省によりますと、ワクチン接種を受けた後に亡くなった人は、2021年7月25日の時点で
    ▼ファイザーが828人で 100万人あたり19人、
    ▼モデルナは6人で100万人あたり2.2人でしたが、
    これまでのところ、ワクチンが原因で死亡したと判定されたケースはなく、
    厚生労働省は接種体制に影響を与える重大な懸念は現時点で認められないとして引き続き接種を進めるとしています。

    新型コロナウイルスのワクチンを接種した後で体調不良などがあった場合には、「副反応の疑い」として国に報告されます。

    「副反応の疑い」として報告されるケースには、ワクチンを接種した人に出たあらゆる症状が含まれていて、
    ▼接種の翌日に急病になったとか
    ▼接種した日の夜に持病が悪化して亡くなったなど
    接種と関係があるか分からなかったり、すぐには判断できなかったりするケースも含まれ、
    専門家部会で接種を受けたことが体調不良や死亡に関係があるかどうか、慎重に調査が行われています。

    一方で、「接種後に死亡した」ケースについて、SNSなどでは「ワクチンが原因で死亡した」として拡散されることがあり、厚生労働省はウェブサイトで「『接種後の死亡』と『接種を原因とする死亡』は全く意味が異なります。『接種後の死亡』にはワクチンとは無関係に発生するものを含むにも関わらず、誤って『接種を原因とする死亡』として、SNSやビラなどに記載されている例があります」と説明し、誤った情報に注意を呼びかけています。

    新型コロナワクチンの接種を終えた人の割合が、2021年8月下旬の段階で65歳以上の高齢者の 80%を超え、全ての人口で見ても40%を超える中、接種した後に様々な要因で亡くなる人はいますが、 専門家はワクチン接種によって死亡のリスクが上がっているとは言えないとしています。

    厚生労働省の人口動態調査によりますと、日本国内ではおととしにはおよそ138万1000人、 1日平均ではおよそ3780人が亡くなっています。

    死因で最も多いのが
    ▼がんでおよそ37万6400人、1日平均でおよそ1030人、
    続いて
    ▼心疾患がおよそ20万7700人、1日平均でおよそ570人、
    ▼老衰がおよそ12万1900人、1日平均でおよそ330人、
    ▼脳血管疾患がおよそ10万6600人、1日平均でおよそ290人などとなっています。

    副反応の疑いがあると報告された事例について分析を行う厚生労働省の専門家部会のメンバーで、東京医科大学の濱田篤郎特任教授は「専門家部会ではワクチン接種後に起きた死亡の頻度と、ワクチンを打っていない人で自然に起きる死亡の頻度と比較しているが、ワクチンを打ったあとに起きる死亡の方が頻度が低く、接種によって死亡のリスクが上がっていないということが推測できる。アメリカなどでの検証でも現時点ではワクチン接種と死亡の間に関係が認められたケースは出ていない。検証するには多くのデータが必要で、今後もデータの分析をより精緻に行う仕組みの改善を進めていくべきだ」と話しています。

    厚生労働省も「国内外で注意深く調査が行われていますが、ワクチン接種が原因で何らかの病気による死亡者が増えるという知見は得られていません」としています。

    (2021年8月24日時点)

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    Q.「ワクチン接種で不妊の可能性」などの誤った情報をどう考えればよい?

    A.
    新型コロナウイルスのワクチンに関する誤った情報やデマがSNSなどで拡散されています。

    その中に、ファイザー社の元職員が「ワクチンを接種すると不妊になる可能性がある」などと主張したというものがありますがどう考えればよいでしょうか?

    2020年12月ごろから、SNSを中心にファイザー社の元職員が「ワクチンによって体内で作られた抗体が胎盤のたんぱく質に悪影響を与え、不妊になる可能性がある」などと述べたとする情報が広がりました。

    この情報は、SNSを中心に拡散されましたが各国の保健当局や専門家はワクチンで不妊になるというのは科学的根拠のない誤った情報で妊娠を考えている女性や妊娠中の女性も接種できるとしています。

    新型コロナワクチンについて最新情報を提供するウェブサイト「CoV-Navi」を運営している木下喬弘医師によりますと、「胎盤の形成に関わるたんぱく質は、新型コロナウイルスの表面のたんぱく質と形が似ていて、ワクチンで作られた抗体によって攻撃される」という誤った情報がもとになっているということです。

    アメリカの新型コロナウイルスの研究者が実際に検証したところ、胎盤の形成に関わるたんぱく質と新型コロナウイルスのたんぱく質は形がほとんど似ておらず、ワクチンによって作られる抗体は胎盤に関わるたんぱく質を攻撃しないことが分かっているということです。

    また、厚生労働省によりますと、新型コロナのワクチンには、排卵や妊娠に直接作用するホルモンや、卵巣や子宮に影響を与えることが知られている化学物質は含まれていません。

    動物実験でもワクチンを接種したラットで、問題なく妊娠、出産したことが確認されているとして、厚生労働省は「国内で使用されているどのワクチンも不妊の原因となる科学的な根拠は報告されていない」と注意を呼びかけています。

    さらに、アメリカのCDC=疾病対策センターも新型コロナのワクチンが妊娠に影響を及ぼす科学的な根拠はなく、まだデータは少ないものの、接種後のモニタリングが行われている中で、接種した妊娠中の女性や赤ちゃんに対する安全上の懸念は見られていないとしています。

    そして、妊娠中の女性は、新型コロナウイルスに感染した場合、重症化するリスクが妊娠していない女性より高いとした上で「妊娠中の女性や将来、妊娠を考えている女性、それに、男性を含めて子どもを持とうとしている人もワクチンを接種できる」としています。

    (2021年8月10日時点)

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    Q.ファイザーワクチン 12歳から15歳の効果と副反応は?

    A.
    ファイザー社製の新型コロナウイルスのワクチンは、現在、日本でも12歳以上が接種の対象となっています。

    このワクチンの添付文書には、12歳から15歳までを対象とした臨床試験のデータが掲載されています。

    それによりますと新型コロナウイルスに感染したことがない1983人のうち、ワクチンを接種した1005人では接種後に感染した人はいなかったのに対して、偽薬と呼ばれる偽のワクチンを投与した978人では16人で感染が確認されたということです。

    このデータからは12歳から15歳までのワクチンの有効性は100%となります。

    また、アメリカのCDC=疾病対策センターのウェブサイトにまとめられた臨床試験のデータによりますと、12歳から15歳のこのワクチンの副反応は、次のようになっています。

    ・注射した部分の痛みが1回目の接種後で86.2%、2回目の接種後で78.9%
    ・38度以上の発熱が1回目の接種後で10.1%、2回目の接種後で19.6%
    ・疲労感が1回目の接種後で60.1%、2回目の接種後で66.2%
    ・頭痛が1回目の接種後で55.3%、2回目の接種後で64.5%

    一方で、強いアレルギー反応のアナフィラキシーは、この時点では報告がなかったということで、そのほかの深刻な副反応もみられていないということです。

    ただ、発熱や頭痛などの比較的軽い副反応は高齢者に比べて若い世代のほうが強く出る傾向がみられ、例えば38度以上の発熱は、いずれも2回目の接種で、12歳から15歳まででは19.6%だったのに対して、18歳から55歳では15.8%、56歳以上では10.9%などとなっています。

    また、日本小児科学会では2021年6月16日に子どもへのワクチン接種に対する考え方を公表しています。

    この中では、健康な子どもへのワクチン接種について、感染対策で子どもの生活がさまざまな制限を受けていることや感染した場合まれに重症化することなどを挙げて接種する意義はあるとしました。

    ただ、子どもは新型コロナウイルスに感染しても軽症が多いことなどから、ワクチンを接種する際には子ども本人と養育者がメリットとデメリットを十分に理解していることや、接種の前からあとまできめ細やかな対応を行うことが必要だとしています。

    (2021年6月16日時点)

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    Q.アナフィラキシーと呼ばれる激しいアレルギー反応が起きるケースは?

    A.
    新型コロナウイルスのワクチンを接種したあとのアナフィラキシーは、すでに接種が始まっているアメリカなどで報告されています。

    アメリカのCDC=疾病対策センターの報告によりますと、アナフィラキシーの症状が報告されたケースは、次のとおりです。

    ▼アメリカの製薬大手ファイザーなどが開発したワクチンでは、2020年12月23日までに1回目の接種を受けたおよそ190万人のうち21人。

    ▼アメリカの製薬会社モデルナのワクチンでは、2021年1月10日までに1回目の接種を受けたおよそ400万人のうち10人。

    症状が出た人の中ではふだんから何らかのアレルギーがあった人が多く、経過が分かっている人は全員が回復したということです。

    報告の中でCDCは、ワクチンでアナフィラキシーが起こることはまれだとした上で、「アナフィラキシーは命を脅かすおそれがあり、早急な治療が必要だ。ワクチンの接種会場には症状を緩和する薬剤、『エピネフリン』の投与ができるなど、必要な設備と訓練されたスタッフが必要だ。ワクチン接種を受けた人には、会場を離れたあとでも、アレルギー症状の兆しがあればすぐに医療ケアを受けるよう説明すべきだ」としています。

    アナフィラキシーは重大な副反応ですが、エピネフリンを注射するなど、すぐに対応すれば命に関わることはないとされています。

    厚生労働省はウェブサイトで、「接種後にもしアナフィラキシーが起きてもすぐに対応が可能なよう、予防接種の会場や医療機関では、医薬品などの準備をしています」と説明しています。

    (2021年2月12日時点)

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    Q.“接種後に死亡”したケース 厚労省は因果関係を「評価できない」「評価中」としているがどういうこと?

    A.
    新型コロナウイルスのワクチンを接種した後で、死亡したケースが報告されていますが、厚生労働省は因果関係については「評価できない」か「評価中」としています。どういうことなのでしょうか。

    ワクチンを接種した後で体調不良などがあった場合には「副反応の疑い」として国に報告されます。

    この中には、ワクチンを接種した人に出たあらゆる症状が含まれ、接種と関係があるか分からなかったり、すぐに判断できなかったりするケースも多くあります。

    この「副反応の疑い」について厚生労働省はウェブサイトで「『接種後の死亡』と『接種を原因とする死亡』は全く意味が異なります。『接種後の死亡』にはワクチンとは無関係に発生するものを含むにも関わらず、誤って『接種を原因とする死亡』として、SNSやビラなどに記載されている例があります」と説明し、接種後に亡くなったケースについて接種が原因とする誤った情報が広がっているとして注意を呼びかけています。

    また厚生労働省は「国内外で注意深く調査が行われていますが、ワクチン接種が原因で何らかの病気による死亡者が増えるという知見は得られていません」としています。

    新型コロナウイルスのワクチンの効果や副反応などについての最新情報を提供するウェブサイト「CoV-Navi」を運営している木下喬弘医師は「いま日本で使われているワクチンについては、死亡の原因になるような病気の頻度が、自然に発生する頻度よりワクチンを打った後に多いのかどうかということが非常に精密なメカニズムで調べられている。現在のところ、心筋炎以外には、特定の病気が増えていることはなく、その心筋炎もコロナに感染して起きる心筋炎より軽く済んでいる」と話しています。

    そのうえで「ワクチン接種のように普段の生活でなかなかないことのあとで起きたことはすぐに原因として結びつけてしまう心理が働く。ワクチン接種との因果関係についてどのように評価されたのかというところまでの情報をわかりやすく発信することも必要だ」と話しています。

    (2021年7月2日時点)

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    Q.長い時間がたってから影響が出てくるのでは?

    A.
    新型コロナウイルスのワクチンは1年に満たない非常に短い期間で開発されたこともあり「長い時間がたってから影響が出てくるのではないか」と心配する声があります。厚生労働省は、日本で使われている「mRNA」ワクチンについて、短期間で分解され、人の遺伝情報に組み込まれるものではないとしています。

    これまでさまざまな感染症に対するワクチンの接種が行われてきましたが、アメリカのCDC=疾病対策センターは、これまで接種が行われてきたポリオやB型肝炎、風疹など現在承認されているさまざまなワクチンでは、副反応は接種してから1時間以内から長くても6週間以内に起きているとしています。

    新型コロナウイルスワクチンの成分の「mRNA」について厚生労働省は、「mRNAを注射することでその情報が長期に残ったり、精子や卵子の遺伝情報に取り込まれることはないと考えられています」としていて、体の中に入ると数分から数日で分解され、人の遺伝情報、DNAに組み込まれるものではないと説明しています。

    また、国際的な科学雑誌「ネイチャー」によりますと、mRNAワクチンが臨床試験で最初に人に投与されたのは15年前の2006年だということです。

    国立国際医療研究センターの忽那賢志医師は、厚生労働省のウェブサイトで「mRNAワクチンは新しいプラットフォームのワクチンではありますが、インフルエンザウイルスなど他のウイルスのmRNAワクチンは何十年も前から研究されており、長期的な副反応は認められていません」と説明しています。

    (2021年7月2日時点)

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    Q.「ワクチンを打つと不妊になる」「妊娠中にワクチンを打つと流産する」などの情報が出回っているが、本当なの?

    A.
    新型コロナウイルスのワクチン接種が進められる中、「ワクチンを打つと不妊になる」「妊娠中にワクチンを打つと流産する」などといった、根拠のない情報がSNSなどで拡散されています。厚生労働省なども否定していて、専門家は「情報の出所を確認して、誤った情報に惑わされないでほしい」と呼びかけています。

    ●“ワクチンで流産”厚労省が否定

    厚生労働省は2021年6月、新型コロナウイルスのワクチンに関する情報をまとめたウェブサイトに、「ご注意ください」として誤った情報への注意を促すメッセージを掲載しました。

    この中では「ワクチン接種が原因で何らかの病気による死亡者が増えるという知見は得られていません」「接種を受けた方に流産は増えていません」としていて、厚生労働省はSNS上でデマを含む誤った情報が広がっていることを受けて文書を掲載したと説明しています。

    ●ワクチン接種、妊婦への影響は?

    妊婦に対するワクチン接種の影響については、アメリカのCDC=疾病対策センターのグループが、2020年12月から2021年2月までにファイザーかモデルナのワクチン接種を受けた16歳から54歳までの妊婦、3万5691人で影響を調べた初期段階の研究結果を論文に発表しています。

    それによりますと、流産や死産になった割合や生まれた赤ちゃんが早産や低体重だった割合は、ワクチン接種を受けた妊婦と新型コロナウイルスが感染拡大する以前の出産で報告されていた割合と差がありませんでした。

    また、ワクチンを接種した妊婦で生まれたばかりの赤ちゃんの死亡は報告されていないとしています。

    一方で、妊娠している女性が新型コロナウイルスに感染すると同世代の女性よりも重症化する割合が高いことが報告されていて、日本産科婦人科学会などは2021年6月、▼ワクチン接種によって母親や赤ちゃんに何らかの重篤な合併症が発生したとする報告はなく、▼希望する妊婦はワクチンを接種することができるとしたうえで、「ワクチン接種するメリットが、デメリットを上回ると考えられている」などとする声明を出しています。

    ●“ワクチンで不妊”も否定

    また「ワクチンを接種すると妊娠できなくなる」という情報も出回っていて、新型コロナウイルスワクチンの効果や副反応などについて最新情報を提供するウェブサイト「CoV-Navi」を運営している木下喬弘医師は、根拠がなく、誤った情報だと指摘しています。

    木下医師によりますと「胎盤の形成に関わるたんぱく質は、新型コロナウイルスの表面のたんぱく質と形が似ていて、ワクチンで作られた抗体によって攻撃される」という誤った情報がSNSで広まったのが元になっているということで、アメリカの新型コロナウイルスの研究者が検証したところ、胎盤の形成に関わるたんぱく質と新型コロナウイルスのたんぱく質は形がほとんど似ていなかったということです。

    木下医師は「抗体は胎盤の形成に関わるたんぱく質を攻撃しないことがわかっている。自分だけでなく将来の子どもへの影響を心配する気持ちは非常によく分かるが、正しい情報を集めてもらいたい」と話しています。

    ●精子の減少も見られず

    さらに、ワクチンを接種した後で男性の精子の量にも変化はなかったとする研究も出されています。

    アメリカのマイアミ大学が行った研究の論文によりますと、25歳から31歳の成人男性45人について、ファイザーのワクチンを接種する前と2回目の接種を受けてから2か月以上たったあとで精子の量や濃度、運動量を比較したところ、有意な減少は見られなかったとしています。

    ●誤った情報での判断避けて

    根拠のない情報がSNSなどで広がっていることについて、木下医師は「あらゆるワクチンが開発されるたびに、『接種すると不妊になる』といった誤った情報が世界各国で流されてきた。ワクチンの成分と妊娠のメカニズムは結びつかない。誤った情報をもとに接種しない判断をすると、接種率が下がって感染がおさまりにくくなるだけでなく、本人や周りの人が感染して健康を害してしまうこともある。人の命が奪われることもあるので、厚生労働省などが出している情報を確認して判断してほしい」と話しています。

    (2021年7月2日時点)

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    Q.「ワクチン接種で遺伝情報書き換え」の情報、真偽は?【デマに注意】

    A.
    「ワクチンを打つと体内に長期間成分が残り、遺伝情報が書き換えられる」という情報についても厚生労働省や各国の保健当局が否定しています。

    国内で接種が行われているファイザーとモデルナのワクチンは、メッセンジャーRNA(mRNA)ワクチンで、遺伝情報を伝達する物質、「mRNA」が体内に残り、長い時間がたってから影響が出るのではないかと心配する声がありますが、厚生労働省は、「mRNA」は体内で数分から長くても数日で分解されるとしています。

    また「mRNA」は人の遺伝情報、DNAが入っている細胞の核の中には入れないうえ、mRNAからDNAは作られず、人のDNAに組み込まれることはないため、遺伝情報が書き換えられるという情報を否定しています。

    (2021年7月29日時点)

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    Q.「ワクチンで感染」の情報、真偽は?【デマに注意】

    A.
    「ワクチンによって高齢者が新型コロナに感染し、高齢者施設で相次いで亡くなった」という誤った情報も見られますが、厚生労働省は明確に否定しています。

    国内で接種が行われているワクチンは、メッセンジャーRNA(mRNA)ワクチンというタイプで、ウイルスそのものが含まれておらず、ワクチンから新型コロナウイルスに感染することはありません。

    厚生労働省は「ワクチン接種が原因で何らかの病気による死亡者が増えるという知見は得られていません」としています。

    また厚生労働省は、国に報告されるワクチンを接種した後に死亡したケースについて、ワクチンの接種とは無関係に発生するものを含むにも関わらず、SNSなどでは「接種を原因とする死亡」と広がっているケースがあるとして注意を促しています。

    (2021年7月29日時点)

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    Q.「ワクチンにマイクロチップ」の情報、真偽は?【デマに注意】

    A.
    「ワクチンにマイクロチップが入っていて、人々を管理する」という陰謀論がSNSなどで出ていますが、ワクチンの成分は公開されていて、マイクロチップやその原料となる金属は含まれていません。

    ワクチンの成分は厚生労働省やアメリカのFDA=食品医薬品局など各国の保健当局や会社のウェブサイトでも公開されています。

    この中にはマイクロチップやその原料となる金属が含まれていないことは明らかです。

    アメリカのCDC=疾病対策センターは、ワクチンを配送するための箱には位置を追跡するセンサーが装備されているものの、ワクチンそのものには装備されていないと説明しています。

    また「ワクチンを打つと、磁石や金属がくっつくようになる」というデマもSNSで出ています。

    アメリカのCDC=疾病対策センターはウェブサイトで、新型コロナウイルスのワクチンには、金属が入っておらず、磁気を帯びさせるような物質は含まれていないとしています。

    そして、ワクチンを接種したから磁気を帯びるようになることはないと明確に否定しています。

    (2021年7月29日時点)

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    Q.副反応 インフルエンザと比べると?

    A.
    新型コロナウイルスのワクチンのうち、日本で最初に接種が始まったファイザー製のワクチンの場合、予防接種の実施に関するアメリカの諮問委員会によりますと、ワクチンを接種したおよそ99万7000人のうち、1回目の接種では
    ▽接種部位の痛みを訴えた人が67.7%、
    ▽疲労が28.6%、
    ▽頭痛が25.6%、
    ▽筋肉痛が17.2%、
    ▽発熱が7.4%、
    ▽関節の痛みが7.1%、
    ▽悪寒と吐き気がそれぞれ7%、
    ▽腫れが6.8%で報告されました。

    アメリカ・CDC=疾病対策センターによりますと、こうした症状は接種のあと1日から2日以内に起こることが多く、数日で消えることが多いということです。

    こうした症状は、インフルエンザのワクチンで報告されている副反応とも共通しています。

    厚生労働省によりますと、一般的なインフルエンザのワクチンを接種したあとに起こる副反応として、接種した部分に赤みやはれ、それに痛みなどの症状が10%から20%の人で出るということです。

    このほか、発熱や頭痛、それに寒気やけん怠感の症状の出る人が5%から10%いるということです。

    また、厚生労働省の専門部会の資料によりますと、2019年から2020年にかけてのシーズンに医療機関から報告されたインフルエンザのワクチンの副反応が疑われたケースで重篤だったのは93件で、このうち5人が死亡したということです。

    激しいアレルギー 発生の頻度は?

    また、海外では、新型コロナウイルスのワクチンを接種したあとに「アナフィラキシー」と呼ばれる激しいアレルギーが起こったケースがあったと報告されています。

    予防接種の実施に関するアメリカの諮問委員会の資料によりますと、アナフィラキシーが起こる頻度は100万回の接種につき5回だったということです。

    インフルエンザのワクチンでもアナフィラキシーが報告されていますが、頻度はおおむね100万人に1人程度だとされていて、新型コロナウイルスのワクチンのほうが多くなっています。

    ワクチンの専門家によりますと、アナフィラキシーが起きた場合でもアドレナリンを注射するなどして適切に対応すれば、命に関わることはないということです。

    (2021年2月22日時点)

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    Q.「筋肉注射」で接種を行うと、痛みが強いのでは?

    A.
    新型コロナウイルスのワクチンは筋肉注射を行うように開発されているものが多く、痛みが強いのではないかという懸念も出されていますが、専門家は筋肉注射だからといって必ずしも痛みが強いわけではないと指摘しています。

    筋肉注射は、皮下脂肪のさらに奥にある筋肉に打つ注射の方法で、注射針を上腕部に直角に刺して接種します。

    国内ではインフルエンザなどの予防接種で皮膚と筋肉の間に打つ皮下注射が行われていますが、筋肉注射の方がワクチンの成分の吸収が早いと考えられています。

    日本ワクチン学会の理事長で福岡看護大学の岡田賢司教授によりますと、海外では通常のワクチンでも筋肉注射が一般的だということです。

    そして、筋肉注射であればすべて痛みが強いわけではなく、ワクチンに含まれる成分などによるほか、痛みの感じ方には個人差も大きいということです。

    ただ、今回接種が予定されている新型コロナウイルスのワクチンについて海外からは痛みが強いという報告もあり、事前の説明や、接種時にうまく気を紛らわせるなど、工夫が必要だとしています。

    (2021年2月12日時点)

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    Q.接種したら、すぐに帰宅してもいい?

    A.
    アメリカの製薬大手ファイザーなどが開発した新型コロナウイルスのワクチンについて、厚生労働省は、海外で接種を受けた人でまれに重いアレルギー反応が報告されていることから、接種のあと少なくとも15分間は経過を観察するよう自治体に求めることにしています。

    厚生労働省によりますと、ファイザーのワクチンについて、アメリカでは2021年1月18日の時点で、20万回の接種につき1件の割合で、接種をした人に「アナフィラキシー」と呼ばれる重いアレルギー反応が出たことが報告されています。

    このうち90%は、接種から30分以内に発生していたということです。

    これを受けて厚生労働省は、接種を行う自治体に対し、過去に重いアレルギー反応があった人については接種後、30分間経過を観察するよう求めることを決めました。

    そのほかの人も、少なくとも15分間は経過を観察し、症状が出た場合は直ちに救急処置を行うとしています。

    (2021年2月15日時点)

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    Q.ワクチンから感染することはある?

    A.
    日本国内で接種の準備が進められている新型コロナウイルスのワクチンは遺伝子ワクチンと呼ばれるタイプで、ワクチンから新型コロナウイルスに感染することはありません。

    このワクチンはウイルスそのものは使わず、人の体内でウイルスのたんぱく質を作るために設計図に当たる「mRNA」と呼ばれる遺伝情報が含まれた物質を投与します。

    mRNAは、不安定で分解しやすい物質で、たんぱく質が作られた後は分解されてしまい体内に残ることはないほか、遺伝子には入り込まないため、安全性が高いとされています。

    ワクチンによって感染してしまうケースはポリオなど、毒性を弱めたウイルスを使った「生ワクチン」などではまれにありますが、現在、使われている新型コロナウイルスのワクチンには「生ワクチン」はなく、ワクチンから感染することはありません。

    (2021年2月15日時点)

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    Q.接種前後の体調や行動は?

    A.
    ワクチンの接種に際して、体調がすぐれない場合などには控えるようすすめられることがあります。

    厚生労働省は▼37.5度以上など明らかに発熱している人や体調が悪い場合などは接種を控え、▼持病のある人や治療中の人は接種前の診察の際に医師に相談するよう呼びかけています。

    そして、接種を受けたあとは、アレルギーが出ないか確認するため15分以上施設で待ち、体調に異常があった場合は医師に連絡するよう呼びかけています。

    その後、接種した当日は、入浴は問題ないということですが、注射した部分をこすらないようにして、激しい運動を控えることが必要です。

    ワクチンに詳しい北里大学の中山哲夫 特任教授によりますと入浴や日常生活の範囲内での深酒にならない程度の飲酒は問題がないとしています。

    一方、接種に際しては接種することへの不安が引き金になってめまいや過呼吸などの症状が出ることがあるほか、集団接種を行う際にはまわりの人にも不安が広がるおそれもあります。

    政府の分科会メンバーで川崎市健康安全研究所の岡部信彦 所長は、不安を感じたときに相談できる体制を作っておく必要性を指摘しています。

    (2021年2月16日時点)

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    Q.アストラゼネカワクチンと血栓の関係は?

    A.
    アストラゼネカのワクチンは、「ウイルスベクターワクチン」と呼ばれるタイプで、新型コロナウイルスのたんぱく質を作る遺伝子を無害な別のウイルスに組み込み、そのウイルスごと投与します。

    このワクチンで、接種したあと血栓ができたケースが報告されていて、2021年4月7日に公表されたEMAの調査結果では「血栓は非常にまれな副反応としてリストに加えられるべきだ」として、ワクチンと血栓の間に関連性がありうるという認識が示されました。

    それによりますと、血栓は60歳未満の女性で接種から2週間以内の報告されるケースが多く、脳や腹部の静脈などで起き、血小板の減少を伴うこともあるなどとしています。

    イギリスの規制当局は、5月12日までにイギリス国内でこのワクチンを1回接種した人が2390万人、2回接種した人は900万人いてこのうち、血小板の減少を伴う血栓症になったのが309人、そして56人が死亡したと報告しています。

    血栓が起きる頻度は接種100万回あたり、12.3回だとしています。

    このワクチンの海外での添付文書には、接種後に血小板の減少を伴う血栓が極めてまれに確認されていて、死亡例もあることが記載されています。

    血栓が起きる割合は高齢者よりも若い世代で高いとされ、イギリス政府の諮問委員会は予防的な措置として40歳未満には別のワクチンの接種を勧めるとしていて、ほかにも年齢制限を設けた国や接種を中止した国も出ています。

    血栓ができる原因は特定されていませんが、各国の研究グループから血を固める「血小板」の働きを高める抗体が増えていることが報告されていて、血を固まりにくくするヘパリンという薬を投与したあとに、血小板が減り、逆に血栓ができてしまう「ヘパリン起因性血小板減少症」と似ていると指摘されています。

    WHO=世界保健機関は2021年4月16日の声明で、感染が続く国ではワクチンを接種するメリットはリスクをはるかに上回るとした上で、各国は感染状況やほかのワクチンを入手できるかといった事情を考慮して判断すべきだとしています。

    (2021年5月21日時点)

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