疑問・不安Q&A

新型コロナウイルスに感染したときの症状やウイルスの特徴、治療薬や予防法などに関する疑問・質問に丁寧に分かりやすく答えるQ&Aです。

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    症状は?

    Q.
    症状があり、不安な人はどうすればいい?(5月6日時点)
    A.

    厚生労働省は、新型コロナウイルスのPCR検査に向けた相談の目安について、「37度5分以上の発熱が4日以上」などとしてきたこれまでの内容を見直し、息苦しさや強いだるさといった症状があればすぐに相談するよう呼びかけることになりました。詳しくはこちらのページ「初期症状・緊急性の高い症状・受診の目安」でお伝えしています。

    (2020年5月6日時点)

    Q.
    感染しても症状が軽い人の治療は?(4月3日時点)
    A.

    厚生労働省は重症の患者を優先して治療する必要があるとして、軽症や症状がみられない人については自宅や宿泊施設で療養してもらう体制に移行する方針です。東京や大阪など感染者が急増している地域の医療機関では受け入れがひっ迫しているからです。

    ただ、厚生労働省は、当初、軽症であっても重症化するリスクが高い高齢者や妊婦、基礎疾患がある人などは対象に含めないとしています。また、宿泊施設で療養してもらう人は高齢者や医療従事者、福祉や介護の職員と、それぞれ同居している人などを優先するということです。

    宿泊施設は都道府県が用意するとし、自治体に対してはホテルや公共施設などを1棟、または1フロア単位で確保したうえで、食事の提供までを含めた人員を確保するなど準備を進めるよう求めました。

    一方、自宅で療養してもらう人については、高齢者などと同居している場合は生活空間を完全に分けたうえで、自治体は電話などで健康状態を把握し、症状が悪化した時には速やかに適切な医療機関を受診できる体制を整備するよう求めています。

    (2020年4月3日時点)

    Q.
    乳児や子どもが感染して重症化することは? (4月1日・2日時点)
    A.

    山梨県内に住む0歳の女の子が3月31日、心肺停止の状態で山梨大学医学部附属病院に搬送され、PCR検査で新型コロナウイルスの感染の陽性が確認されました。女の子には肺炎の症状があり、集中治療室で治療を受けています。一方、アメリカ東部コネティカット州で生後7週間の女の子が意識がない状態で病院に搬送されたあと死亡し、その後、新型コロナウイルスに感染していたことが確認されました。

    中国の小児科の病院や大学などのグループがアメリカの医学雑誌の電子版で発表した研究によりますと、新型コロナウイルスへの感染が確認されたり、感染した疑いがあったりした子ども合わせて2000人余りの症状を調べたところ、1歳未満の乳幼児など年齢が低いほど重症化する割合が高かったことがわかりました。

    グループではことし1月中旬から2月上旬までに中国国内で新型コロナウイルスへの感染が確認されたり、症状などから感染した疑いがあったりした18歳未満の子ども、合わせて2143人について症状などを分析しました。

    その結果、症状の重さは、▽軽症の子どもが全体のおよそ半数にあたる1091人、
    ▽中等症の子どもが全体のおよそ39%にあたる831人、また、▽無症状の子どもが94人となりました。

    一方で、およそ6%にあたる127人が重症化し、このうち2人が死亡していました。

    子どもが重症化する割合を年齢別に分析すると、
    ▽1歳未満が10.6%、
    ▽1歳から5歳が7.3%、
    ▽6歳から10歳が4.2%、
    ▽11歳から15歳が4.1%、
    ▽16歳以上が3%となり、年齢の低い子どもほど重症化する割合が高くなっていました。

    研究グループでは「子どもたちの症状は大人に比べると重くはなかったが、幼い子ども、特に乳幼児は新型コロナウイルスの感染により、重くなりやすい」と結論づけています。

    子どもの感染症に詳しい愛知医科大学の森島恒雄客員教授は「子どもは重症化しにくいと言われてきたが、最近、海外からは特に3歳未満の子どもが重症化したケースの報告が出てきている。子どもが感染しても絶対に安全だとは言えず、特に保育所や幼稚園など小さな子どもを扱う施設での予防策の徹底が重要だ」と話しています。

    (2020年4月1日・2日時点)

    Q.
    若い人が感染して重症化することは? (3月31日時点)
    A.

    新型コロナウイルスに感染し、若い人でも重症化するケースがあることが分かってきました。海外では持病がなかった20代の女性が死亡したケースが報告されているほか、国内でも比較的若い世代で重症化するケースがあり、治療に当たっている医師は当面、カラオケなど感染が拡大しやすい場所を避けるよう呼びかけています。

    新型コロナウイルスに感染して重症化しやすいのは高齢者や持病のある人とされていますが、今月、イギリスで持病がなかった21歳の女性や、フランスでも16歳の少女の死亡が伝えられるなど、若い世代でも一部で深刻な症状になることが分かってきています。

    国内でも比較的若い世代で重症化するケースがあり、国立国際医療研究センターの忽那賢志医師は、これまで治療に当たった30人以上のうち、40代前半で重い持病はなかったのに重症化した男性がいたことを明らかにしました。

    忽那医師によりますと、男性は最初の数日は発熱やせきの症状だけでしたが、1週間ほどたつと重症の肺炎で呼吸状態が急速に悪化し、人工呼吸器が必要になったということです。

    男性は現在は回復しているということですが、忽那医師は「若いから自分は大丈夫ということではなく、重症化することはある」と指摘しています。

    若い世代の感染について、WHO=世界保健機関は50歳未満でも入院するケースが相次いでいるとしているほか、アメリカではCDC=疾病対策センターが20歳から44歳の2%からおよそ4%が集中治療室で治療を受けていると報告しています。

    (2020年3月31日時点)

    Q.
    重篤な症状となっても、回復に向かった人は? (3月5日時点)
    A.

    新型コロナウイルスによる肺炎が悪化し、重篤な症状となった患者のうち、人工心肺装置を使った治療を受けた人が少なくとも15人いることが専門の学会の調査で分かりました。このうち4人は、この治療を終えて回復に向かっているということです。

    新型コロナウイルスに感染すると、WHOによりますと、およそ80%の人は軽症で済みますが、6%程度の人は肺全体に炎症が広がって重篤な症状になるとされています。

    こうした患者は酸素がとりこめなくなるため、血液中に直接酸素を送り込んで肺の機能を一時的に代行する「ECMO」という人工心肺装置を使った治療を受けますが、日本集中治療医学会や日本救急医学会などが全国およそ300の医療機関を対象に調査したところ、3月3日の時点でこの治療を受けて生存している患者が少なくとも15人いることが分かりました。

    新型コロナウイルスには効果が確認された薬はなく、ECMOを使いながら対症療法を行ううちに、患者自身の免疫によってウイルスが排除されるのを待つということで、学会によりますと、4人はこの治療を終えて回復に向かっているということです。

    一方で、この治療には経験豊富な医師の判断が必要だとして、学会では全国のECMOの台数や利用状況を把握して、専門の医師がいる病院に患者を転院させるなどの取り組みを進めるとしています。

    学会でECMOの治療についてまとめている竹田晋浩医師は「ECMOを使った治療は非常に難しく、適切に行う必要がある。1人でも多くの患者を救うために取り組みを強化したい」と話しています。

    ECMOで弱った肺を休ませ対症療法

    ECMOを使った治療を受けている1人、70代の男性は2月中旬、発熱などの症状が出たあとで検査した結果、新型コロナウイルスに感染していることが分かりました。

    男性は入院して人工呼吸器を使った治療を受けていましたが、肺の機能がさらに悪化したため、ECMOを使う治療に切り替え、1週間以上、この治療を続けています。

    治療の際には、首から入れた管を通じて体内から血液を取りだしたあと、ECMOの装置を使って肺の代わりに酸素を溶け込ませ、足の付け根に入れた管で体内に戻します。

    治療に当たっている医師によりますと、1分間でおよそ4リットルの血液を入れ替えることができるということで、弱った肺を休ませている間に対症療法を行い、ウイルスが体内から排出されるのを待つということです。

    病院では、専門の医師や看護師が血栓ができていないかなど、患者の状態を確認しているほか、臨床工学技士が装置のトラブルに対応する、24時間体制で治療に当たっています。

    (2020年3月5日時点)

    Q.
    感染した場合の症状は? (3月1日更新)
    A.

    WHO=世界保健機関などの専門家チームが中国で行った共同調査の報告書が公表されています。この報告書では、2月20日までに中国で感染が確認された5万5924人について、症状の特徴などの詳しい分析が明らかにされています。

    それによりますと、感染者からみられた症状は次の通りです。

    • 発熱 87.9%
    • せき 67.7%
    • けん怠感 38.1%
    • たん 33.4%
    • 息切れ 18.6%
    • のどの痛み 13.9%
    • 頭痛 13.6% など

    感染すると平均で5日から6日後に症状が出るとしています。

    感染者のおよそ80%は症状が比較的軽く、肺炎の症状がみられない場合もあったということです。

    呼吸困難などを伴う重症患者は全体の13.8%、呼吸器の不全や敗血症、多臓器不全など命に関わる重篤な症状の患者は6.1%だったということです。

    重症や死亡のリスクが高いのは60歳を超えた人や高血圧や糖尿病、それに、循環器や、慢性の呼吸器の病気、がんなどの持病のある人だということです。

    逆に子どもの感染例は少なく、症状も比較的軽いということで、19歳未満の感染者は全体の2.4%にとどまっていて、重症化する人はごくわずかだとしています。

    子どもの感染について報告書では多くが家庭内での濃厚接触者を調べる過程で見つかったとしたうえで、調査チームが聞き取りを行った範囲では、子どもから大人に感染したと話す人はいなかったと指摘しています。

    またこれまでに日本国内で感染が確認された患者の治療に当たってきた、国立国際医療センターの忽那賢志医師によりますと、患者に共通していた症状は、鼻水やのどの痛み、それにせきが出て、37度以上の発熱や全身のけん怠感が1週間程度続くことだとしています。

    中には1週間後に熱が高くなることもあり、インフルエンザやほかのウイルス性の感染症より症状が続く傾向があるとしています。

    (2020年3月1日更新)

    Q.
    子どもは重症化しやすい? そうではない? (2月21日更新)
    A.

    新型コロナウイルスについては、中国でも感染した子どもが重症化しやすいという報告はありません。

    中国の疾病予防センターで対策にあたっているチームが2月11日までに中国本土で感染が確認された4万4672人の詳しいデータを分析したところ、10歳未満の子どもで死亡したケースはなく、10代では死亡は1人だったということです。

    また、中国の武漢大学などのグループの報告では、中国本土で新型コロナウイルスに感染した生後1か月から11か月までの乳児は2月6日までに9人いて、いずれも重症にはならなかったということです。

    子どもの感染症に詳しい愛知医科大学の森島恒雄客員教授は、「WHOや中国も注目してきたと思うが、これまで子どもが重症化しやすいという報告は出ていない。このウイルスは通常のコロナウイルスと似ている部分があり、ふだんからかぜにかかる機会が多い子どもは免疫がある可能性もある」と話しています。

    一方で、「感染を広げるという意味では子どもは学校や保育園などで感染が広がりやすいため注意が必要だ。いつも以上に手洗いの徹底や、部屋の換気をよくするなどの対策を行ってほしい」と指摘しています。

    (2020年2月21日更新)

    Q.
    感染しやすい年齢層は? (2月12日時点)
    A.

    WHOによりますと、感染している人はこれまでのところ主に成人だということですが、小さな子どもから高齢者まで幅広い世代で報告されているということです。

    WHOは、重症になりやすい人として、持病のある人に加えて、高齢者を挙げています。

    (2020年2月12日時点)

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    感染力は? ウイルスの特徴は?

    Q.
    太陽の紫外線や除菌用のオゾンガスは、新型コロナウイルス対策に効果があるの? (5月28日時点)
    A.

    感染症学が専門の広島大学の大毛宏喜教授に聞きました。紫外線については特定の波長を高い強度であてると、病気の原因となるウイルスや細菌などの感染力を失わせる効果が期待できるということです。

    効果の高い波長の紫外線を照射する装置がすでに実用化されていて、新型コロナウイルスにも効果が期待できるということで、実際に広島大学病院では、新型コロナウイルスの患者が退院したあとの病室にこうした装置で紫外線を照射しているということです。

    一方、日光の場合は同じ紫外線でも、さまざまな波長が含まれていることや、強度が高くないことなどから、専用の装置と同様のウイルスを壊す効果は期待できないのではということでした。

    また、オゾンガスについては、国内の大学などのグループが5月、高濃度のオゾンガスの中に新型コロナウイルスを1時間ほどさらすと、感染力がなくなったという実験結果を報告しています。

    大毛教授によりますと、この実験で用いられたオゾンガスの濃度は1ppmから6ppmで、人がいる場所でそのまま使うと有害だとされる高い濃度だということです。

    一般に除菌や消臭などの用途で市販されている装置では人体に害が出ないよう、オゾンの濃度は高くないとみられ、こうした濃度のオゾンガスでも新型コロナウイルスに有効かどうかは今のところ確認できなかったということです。

    また消費者庁は、オゾンガスの発生装置に限らず、新型コロナウイルスに対する予防効果を掲げた商品については、科学的根拠がある商品かどうかそれぞれのメーカーなどに確認してほしいとしています。

    (2020年5月28日時点)

    Q.
    ウイルスは肌に付いた状態でどれくらい生き続けるの?体内で無症状のまま生存し続けるの? (5月21日時点)
    A.

    感染症学が専門で聖マリアンナ医科大学の國島広之教授に聞いたところ、ウイルスは生きた動物の細胞に感染して、細胞の中に入り込まないと増えることはないとのことです。

    新型コロナウイルスは主に鼻や口などの粘膜から感染し、のどや肺の細胞などでも増えることが知られています。手や足などの肌についただけの状態ではウイルスが増えることはできません。

    ただ、ウイルスがついたままの手で目や鼻、口などを触ると感染してしまいます。肌についたウイルスは石けんで洗い流すことで取り除けますので、顔を触る前には必ずしっかりと手を洗うか、アルコール消毒液などを使って清潔を保つようにしましょう。

    また、ウイルスの中には水ぼうそうを引き起こすヘルペスウイルスなどのように、病気が治まってからもずっと体の中に残り続けるタイプのものもあります。ただ、一般的にコロナウイルスは、こうしたウイルスとは違って感染して症状が出たとしても最終的には免疫の働きにより体の中から無くなります。

    (2020年5月21日時点)

    Q.
    新型コロナウイルスが死滅する温度はどれくらい?調理するとウイルスはどうなるの? (5月21日時点)
    A.

    新型コロナウイルスの性質についてはまだよく分かっていないこともありますが、温度との関係については最新の研究結果が報告されています。

    感染予防が専門で東京医療保健大学大学院の菅原えりさ教授によりますと、新型コロナウイルスは、▽37度では1日たっても存在していましたが、▽56度では30分以内に、▽70度では5分以内に検出できなくなったということで、温度が上がるほど短時間で死滅する傾向がみられたということです。少なくともしっかりと加熱調理すれば死滅すると考えられるということです。

    菅原教授は「これまでのところ加熱したかどうかに関わらず、食品を介して感染した事例は確認されていない。そのうえでしっかりと加熱していれば、食品は安心して食べることができる。それよりも食事など、手を顔付近に持って行くような状況の時は、必ず事前に手をしっかりと洗ってほしい」と話しています。

    (2020年5月21日時点)

    Q.
    食品の袋にウイルスがついていた場合、電子レンジで温めると消えますか? (5月21日時点)
    A.

    電子レンジは電磁波を使って、食品に含まれる水の分子を振動させることで熱を生じさせて食品を温めます。

    感染予防が専門で東京医療保健大学大学院の菅原えりさ教授によりますと、電子レンジで十分に加熱すれば食品自体は安心して食べられるとしたうえで、「必ずしも袋の外側まで温度が上がるとはかぎらないので、食品の袋にウイルスが付いていた場合、感染力を失うかどうかはわかりません。調理の前後や食べる前などに、こまめに手洗いをすることが重要です」と話しています。

    (2020年5月21日時点)

    Q.
    新型コロナウイルスはどのような環境で増えるのでしょうか。私たちの体の中に入らなければ増えないのでしょうか。 (5月13日時点)
    A.

    感染症学が専門の聖マリアンナ医科大学の國島広之教授に聞きました。それによりますと、病気の原因となる微生物には「ウイルス」や「細菌」などがあります。

    このうち「細菌」は生物としての最低限必要な「細胞」でできていてそれ自身で増えていくことができます。

    一方、ウイルスは細菌よりはるかにサイズが小さく、遺伝子とそれを包む殻などはあるものの細胞はなく、ウイルスだけでは増えることができません。ウイルスは人や動物などに感染し、感染した相手の生きた細胞を利用することではじめて増えることができます。つまり、新型コロナウイルスの場合も壁などに付着したウイルスがその場で増えることはありません。ただ、付着したウイルスは一定の期間、感染力を持ったままその場に残ることが分かっています。

    アメリカの研究グループの実験では新型コロナウイルスはステンレスやプラスチックの表面に付着すると徐々に感染力を失うものの2日から3日程度、残っていたということです。

    國島教授は「ドアノブや手すりなどによく手が触れる出勤時や帰宅時、それに食事の際に手洗いやアルコール消毒を徹底することが感染を予防するうえで大切です」と話しています。

    (2020年5月13日時点)

    Q.
    大正時代の「スペインかぜ」では、流行の第2波、第3波があったと聞きます。新型コロナウイルスでも似たようなことは考えられるのでしょうか? (5月13日時点)
    A.

    今から100年余り前の1918年から世界的に流行した「スペインかぜ」は当時の「新型インフルエンザ」で、WHO=世界保健機関によりますと、当時の世界人口のおよそ4分の1にあたる5億人が感染し、4000万人が死亡したと推定されています。

    スペインかぜは1918年の春ごろから世界的な流行が起きていったん夏に収まりましたが、その年の秋に第2波として、再び感染が拡大、さらに翌1919年の初めから第3波が起きるなど世界中で大きな流行を繰り返しました。

    この中で最も被害が深刻だったと考えられているのは1918年の秋からの第2波で、全世界で少なくとも2000万人以上が亡くなったとみられています。

    また、日本国内でも1918年の秋から1921年の春までに流行が3度あり、あわせた患者数はおよそ2380万人で、およそ39万人が死亡したと当時の内務省が記録しています。

    このうち、1918年秋から始まった国内最初の流行では、患者はおよそ2120万人、死者数がおよそ26万人と最も大きくなりましたが、日本にとっての第2波となった1919年秋からの流行ではおよそ240万人が感染し、死者はおよそ13万人で規模は比較的小さかったものの、致死率は最も高かったということです。

    専門家は、新型コロナウイルスでもスペインかぜと同様に、第2波や第3波が来るおそれがあると指摘しています。

    感染症に詳しい東京医科大学の濱田篤郎教授は現在の感染が落ち着いても、ことしの秋以降に大きな流行が起きるおそれがあるほか、その前でも緊急事態宣言が解除された場合に多くの人が移動したり、各国からの渡航制限が解除されると感染が収まらない海外からウイルスが持ち込まれたりすることで、流行が起きるおそれがあるとしています。

    濱田教授は「新型コロナウイルスがスペインかぜと同じような流行の仕方をするのか断言できないが、今後も流行を繰り返す可能性は高い。現在、新たな感染者数は減りつつあるが、こうした状況でも油断せずに感染対策を意識した生活を続けこの間に医療体制の増強をはかるなど備えることが重要だ」と話しています。

    (2020年5月13日時点)

    Q.
    冷凍食品や冷蔵食品についた新型コロナウイルスは冷凍庫や冷蔵庫の中でどうなるのでしょうか? (5月13日時点)
    A.

    感染予防が専門で東京医療保健大学大学院の菅原えりさ教授に聞きました。新型コロナウイルスの性質についてはまだよくわかっていないものの、よく似たコロナウイルスの一種、「SARS」のウイルスについては国際的な研究の結果が報告されているということです。

    それによりますとSARSウイルスはマイナス80度にした環境では3週間程度、残っていましたが、56度という比較的高い温度になると、短時間で多くのウイルスが死滅したということです。

    こうした研究を踏まえると、新型コロナウイルスも熱に弱いものの、低温環境には比較的強い可能性があるということです。

    菅原教授は「仮に冷凍食品などの包装材にウイルスが付着していた場合、冷凍庫や冷蔵庫の中では長い間、残ると考えられる。包装材にはウイルスが付着している可能性があると考え、冷凍庫や冷蔵庫に食品を入れる際には表面を消毒したり、調理する前後にはよく手を洗ったりしてほしい。食品自体はよく加熱すれば安心して食べられる」と話しています。

    (2020年5月13日時点)

    Q.
    物の表面に付着したウイルスはどのくらい生きているの? お金のやり取りで感染することは? (4月30日時点)
    A.

    新型コロナウイルスは物の表面に付着した場合、どれぐらいの期間、残るのかについてNIH=アメリカ国立衛生研究所などの研究グループが論文を発表しています。

    物の表面に付着したウイルスは時間とともに大幅に減っていきます。銅では4時間後、ボール紙では24時間後にはウイルスは検出されなくなりました。

    一方で、プラスチックでは72時間、ステンレスでは48時間たってもウイルスが残っていたということです。

    お金の場合、紙幣は紙でできています。また、硬貨は銅などで造られています。

    感染症の制御に詳しい愛知医科大学の三鴨廣繁教授は「付着するウイルスの量によっても状況は違ってくるが、感染した人がウイルスがついた手で紙幣や硬貨をさわった場合、一定期間、ウイルスは残っている可能性はあると考えたほうがよい。感染を予防するには、 お金をさわったら、口や鼻に触る前にせっけんを使った手洗いやアルコール消毒液などでの手指消毒を徹底することが重要だ。また、お金だけではなく、購入したものを触ったあとも同様の予防策をとってほしい」と話しています。

    (2020年4月30日時点)

    Q.
    歯磨きは新型コロナウイルスの感染予防にも有効? (4月23日時点)
    A.

    東京医科歯科大学の砺波健一講師に聞きました。それによりますと、一般的なかぜのウイルスなどの場合、ヒトの口の中では、だ液がウイルスの周りを取り囲んで、ウイルスの感染を防ぐ役割を果たしていると考えられています。

    しかし、歯磨きをしていないと口の中にばい菌が増え、このばい菌から出た酵素の働きで、ウイルスに感染しやすい状態になることがわかっているということです。

    このため、歯磨きをしてばい菌を取り除くことが感染予防につながると考えられています。

    砺波講師によりますと、新型コロナウイルスについて同じような効果があるかはわかっていませんが、一般的には歯磨きは予防につながることが期待できるということです。

    砺波講師は、「歯磨きで重要なのは、食べかすを取ることではなく、歯にこびりついたプラークと呼ばれる白っぽい細菌の集まりを取り除くことです。感染を予防するためにも毎日欠かさず歯磨きを行って欲しい」と話しています。

    (2020年4月23日時点)

    Q.
    感染して亡くなった人のうち、持病があった人の割合は?喫煙者の割合は? (4月16日時点)
    A.

    中国の疾病予防センターがまとめたデータによりますと、持病などの情報が詳しく分かっていて新型コロナウイルスにより死亡した400人余りのうち
    ▼高血圧の人は39.7%
    ▼心臓など循環器の病気の人が22.7%
    ▼糖尿病が19.7%
    ▼慢性の呼吸器の病気の人が7.9%
    ▼がん患者が1.5%となっています。

    またこうした持病がある人が感染して亡くなる割合、致死率は、
    ▼循環器の病気の人は10.5%
    ▼糖尿病が7.3%
    ▼慢性の呼吸器の病気が6.3%
    ▼高血圧が6%
    ▼すべてのがんが5.6%としています。

    喫煙者については亡くなった人に占める割合など詳しいことは分かっていませんが、WHO=世界保健機関は、
    ▼たばこを吸うときにウイルスが手から口に移り、感染する可能性が高まることや
    ▼肺に持病があったり、肺の機能が落ちていたりするため、重症化するリスクがあることを指摘しています。

    (2020年4月16日時点)

    Q.
    蚊を通じて感染するの? (4月16日時点)
    A.

    WHOはウェブサイトの中で「新型コロナウイルスは蚊を通じて感染することはない」と明記し、「これまでに新型コロナウイルスが蚊によって感染することを示す情報や科学的な証拠はない」と説明しています。

    そのうえでWHOは新型コロナウイルスは呼吸器に感染するウイルスで主な感染経路はせきやくしゃみなどで飛び散った飛まつや鼻水などだとして、感染を防ぐためには手洗いや手の消毒、それにせきやくしゃみの症状がある人との接触を避けるよう、注意を呼びかけています。

    (2020年4月16日時点)

    Q.
    免疫の仕組みや大切さは? (4月16日時点)
    A.

    ヒトをはじめとする動物の免疫システムは体の外から入ってくるウイルスや細菌などの異物を見つけて攻撃し、取り除く仕組みです。

    中でもウイルスとたたかう際に大きな役割を果たしているのが白血球の一種の免疫細胞で「抗体」と呼ばれるたんぱく質を大量に作り出してウイルスを撃退します。このためウイルスに感染しても体の中でウイルスが増殖するのを抑え、病気になるのを防ぐことができます。

    一方、新型コロナウイルスのように新しいウイルスが入ってきた場合は免疫細胞が間に合わずにウイルスが増殖し、病気になってしまいます。

    ただヒトの免疫の仕組みは抗体だけではありません。血液の中にはさまざまな種類の免疫細胞があり、こうした細胞が働けば抗体が間に合わない場合でも重症化するのを防いだり、回復を早めたりする効果が期待できるということです。

    免疫細胞医学が専門の千葉大学大学院、本橋新一郎教授によりますと、「バランスのよい食事や十分な睡眠は免疫細胞に栄養を行き渡らせて免疫が正常に働くために必要なことなので、ふだんから心がけてほしい」と話していました。

    (2020年4月16日時点)

    Q.
    ウイルスは変異している? (4月2日時点)
    A.

    3月初め、中国の研究チームは世界各地の患者から採取された100余りのウイルスの遺伝子配列を分析し、新型コロナウイルスには「L型」と「S型」の2つのタイプが存在すると報告しました。

    それによりますと、「S型」はコウモリが持っているコロナウイルスにより近い遺伝子の特徴を持っているとしています。また、「L型」はヨーロッパなどで多く検出されているタイプで、「S型」と比べて新しいウイルスとみられるということです。

    これについて、新型コロナウイルスの性質を調べている立命館大学生命科学部の伊藤將弘教授は、「コロナウイルスは変異しやすいため、感染者が増えてウイルスが増殖を繰り返せば変異は起きると考えられる」と指摘しました。

    一方で、こうした遺伝子の変異が感染力など、ウイルスの性質を変化させる可能性については、「現時点でウイルスの性質が大きく変わったというデータはない。遺伝子にL型とS型の違いがあったとしても症状の重さなどに関係するのかどうかは、まだ十分に情報が集まっていない。国によって重症度や致死率は異なっているが、高齢化率や文化の違い、それに食文化の違いなどヒトの側に原因がある可能性も考えられる。今は対策としては▽手洗いや▽密閉、密集、密接の環境を避けるなど、これまで通りの予防法をできる限り徹底するよう努めることが重要だ」と指摘しています。

    (2020年4月2日時点)

    Q.
    熱やせきの発症前でも感染を広げる? (4月2日時点)
    A.

    新型コロナウイルスに感染した人は、熱やせきなどの症状が出る前でもほかの人にウイルスを広げてしまうことを裏付ける研究をシンガポールの研究グループが発表し、集会や人混みを避け、自宅にとどまって人との距離を取る一人一人の取り組みが感染対策として重要だとしています。

    シンガポールの研究グループが、アメリカCDC=疾病対策センターが発行する報告書に発表した研究成果によりますと、シンガポールで発生した新型コロナウイルスの感染例について感染経路を詳しく検証したところ、7つの集団感染で自覚症状がない人からほかの人に感染したとみられる例が見つかりました。

    自覚症状がなかった人は、人と接触した数日の間にせきや発熱、鼻水などの症状が出始めていて、研究グループはこうした発症前の潜伏期間にウイルスが飛まつなどを介してほかの人に感染したとみています。

    また、検証した集団感染の中には歌の教室で感染が広がったケースが複数あり、せきなどの症状がなくても声を張り上げるなどして飛まつが生じ、感染した可能性があるとしています。

    研究グループは新型コロナウイルスが潜伏期間でも別の人に感染することが裏付けられたとみて、すでに症状のある人を隔離するだけでは対策として不十分で、一人一人が集会や人混みを避けることが重要だとしています。

    (2020年4月2日時点)

    Q.
    人工心肺装置を使った高度な治療の状況は? (4月1日時点)
    A.

    新型コロナウイルスによる肺炎が悪化し、重篤な症状になった患者のうち、これまでに少なくとも40人が人工心肺装置を使った高度な治療を受け、およそ半数の19人が回復に向かっていることが専門の学会の調査で分かりました。一方で、6人は死亡しており、治療の限界も明らかになってきています。

    新型コロナウイルスに感染して症状が悪化し、肺が機能しなくなると、「ECMO」と呼ばれる人工心肺装置を使って、血液中に直接、酸素を送り込む治療が必要になり、亡くなったコメディアンの志村けんさんもこの治療を受けていました。

    日本集中治療医学会や日本救急医学会などが全国の医療機関を対象に調べたところ、3月30日の時点で少なくとも40人がこの治療を受けていたことがわかりました。

    このうちのおよそ半数の19人は、この治療を終えて回復に向かっていて、学会では、長期的に見ると、重篤化しても70%程度の人は治療によって回復するとみています。一方で、肺の機能が回復しないなどの理由で6人が亡くなっていて、治療の限界も明らかになってきています。

    現時点で国内では500人以上に対してこの治療ができるとみられ、学会で治療についてまとめている竹田晋浩医師は、「経験の少ない医療施設向けに研修を行うなど、体制の拡充をさらに進めていきたい」と話しています。

    (2020年4月1日時点)

    Q.
    新型コロナウイルスにペットの犬が感染することは? (3月26日時点)
    A.

    これまでに、香港政府が、新型コロナウイルスへの感染が確認された人が飼っていた犬2匹から検査で陽性反応が出たと発表しています。

    2匹の犬は、それぞれ別の飼い主が飼っていて、いずれの犬も症状は出ていないということです。

    このうち詳しい検査状況がわかっている1匹は、鼻と口の中から取ったサンプルから弱い陽性反応が見られた一方、血液中の抗体を調べる検査の結果は陰性だったということです。

    一方で、香港政府や、家畜の伝染病を監視している国際機関OIE=国際獣疫事務局は、ペットの動物が新型コロナウイルスの感染源になるという証拠はないと強調しています。

    香港での報告を受けて、東京都獣医師会は、ペットの飼い主に冷静な対応を呼びかけました。

    そして、もし、飼い主が新型コロナウイルスに感染し、世話ができなくなった場合は、ペットの体の表面にウイルスが付いているおそれがあるので、お湯が飛び散らないようにペットにシャンプーした上で、家族などまわりの人に預けてほしいとしています。

    (2020年3月26日時点)

    Q.
    新型コロナウイルスの感染はどうなったら「終息」するのか? (3月19日時点)
    A.

    国の専門家会議の副座長でWHO=世界保健機関で感染症対策の指揮にも当たった経験のある地域医療機能推進機構の尾身茂理事長によりますと、「終息」は感染の連鎖が止まり、感染者がいなくなることを指すということです。

    WHOの基準に照らして、一定期間、新たな感染者が確認されなかった場合、「終息宣言」が出されることがあります。

    たとえば、2003年に中国やアジア各地を中心に感染が広がったSARSの場合、最初の患者が確認されてから8か月後にWHOが終息を宣言しました。

    一方で、特定の地域や国で外出自粛などの対応をとることで感染の広がりを一定期間抑えることができ、いったん「収束」することがあります。

    ただ、その後、地域の外から持ち込まれたウイルスによって感染が再び広がることもあり、たとえば、毎年流行する季節性のインフルエンザの場合、冬に感染が拡大し、いったんは収まるものの、終息はしていません。

    また、ワクチンや治療薬は、感染の広がりや重症化を抑えるのに有効な手立てですが、ワクチンや治療薬があることと、感染症が終息するかどうかとは直接関係はないということです。

    新型コロナウイルスについて尾身理事長は「これからも継続的な対応で感染を抑える対応を積み重ね、完全な終息を目指すことになる」と話しています。

    (2020年3月19日時点)

    Q.
    感染力は? (2月12日時点)
    A.

    感染力は「1人の患者から感染が何人に広がるのか」ではかります。新型コロナウイルスは現在のところ、せきやくしゃみなどに含まれる飛まつによって広がると考えられていて、感染した人、1人から広がるのはWHOでは1.4人から2.5人、中国の疾病予防センターが出した初期の患者の報告では2.2人としています。

    感染力が極めて強いはしかは12人から18人、2003年に中国やアジア各地を中心に広がったSARSは感染が拡大しているときに3人程度、インフルエンザは2人から3人とされています。

    今後、変わる可能性はありますが、今のところ、インフルエンザと同じぐらいの感染力です。感染力は予防対策を取ることで下げることもできます。

    (2020年2月12日時点)

    Q.
    感染した場合、重症化の割合は? (2月21日更新)
    A.

    中国の疾病対策センターで対策にあたっているチームは、2月11日までに感染が確認された4万4672人について分析したデータを発表しています。その分析結果は次の通りです。

    • 軽症 80.9%
    • 重い肺炎や呼吸困難など重症 13.8%
    • 呼吸器の不全や敗血症、多臓器不全など命に関わる重篤な症状 4.7%

    全体の致死率は2.3%で、WHOは、およそ9.6%だったSARSなどに比べると致命的ではなく、新型コロナウイルスに感染しても全員が肺炎になる訳ではなく、多くの人の症状は軽いとしています。

    重症化した人の多くは高齢者や持病のある人で、一般の感染症と同様、免疫が弱くなっている人などは注意が必要です。

    (2020年2月21日更新)

    Q.
    感染した場合の致死率は? (3月1日更新)
    A.

    WHO=世界保健機関などの専門家チームが中国で行った共同調査によりますと、2月20日までに中国で感染が確認された5万5924人のうち、死亡したのは2114人で、全体の致死率は3.8%となっています。

    致死率は高齢になるほど高く、80歳を超えた感染者の致死率は21.9%と5人に1人に上っています。

    また、合併症の患者は、以下のように致死率が高くなっています。

    • 循環器の病気がある人 13.2%
    • 糖尿病 9.2%
    • 高血圧 8.4%
    • 慢性の呼吸器の病気 8.0%
    • がん 7.6%

    また、感染拡大が最も深刻な湖北省武漢は、致死率が5.8%なのに対し、その他の地域では、0.7%と大きな差が出ています。

    さらに、ことし1月1日から10日までに発病した患者の致死率は17.3%となっているのに対し、2月1日以降に発病した患者の致死率は0.7%と低く、感染拡大に伴って医療水準が向上した結果だと分析しています。

    (2020年3月1日更新)

    同じコロナウイルスの感染症で、2003年に中国やアジア各地を中心に広がったSARSは致死率がおよそ9.6%でした。

    WHOは、新型コロナウイルスの致死率はSARSに比べると致命的ではないとしていますが、分母にあたる感染者の数が多くなれば、当然、重症化する人、亡くなる人の人数は増えますので警戒は必要です。

    また、今回の新型コロナウイルスの致死率が最終的にどれほどの値になるかはまだ分からないという指摘もあります。把握されていない感染者が数多くいるのではないかという見方もあるからです。いずれにしても感染をできるだけ広げない対策が引き続き必要です。

    (2020年2月21日時点)

    Q.
    感染して入院したあと、回復した患者の経過は? (2月18日時点)
    A.

    新型コロナウイルスに感染して入院しても回復する患者がほとんどで、各国からは、回復した患者の経過が相次いで報告されています。

    このうち、アメリカのCDC=疾病対策センターなどのグループは、武漢から帰国した後にせきや発熱の症状を訴えたあと新型コロナウイルスへの感染が確認された35歳の男性のケースを医学雑誌に報告しています。男性は、入院したあと、39度を超える熱やせきが出たため、解熱剤やたんを取り除く薬で対応していましたが、肺炎の症状が出たため、酸素吸入やエボラ出血熱の治療用に開発が進められた薬で対応したということです。このあと男性の症状は大幅に改善し、呼吸などはほぼ正常に戻ったとしています。

    また、カナダのトロント大学などのグループがイギリスの医学雑誌に報告した、発熱とせきの症状が出て感染が確認された56歳の高血圧の男性のケースでは、肺炎の症状もありましたが、発熱が断続的に5日間続いたあと熱は下がり、退院したということです。

    さらに、タイの大学の医師らがアメリカの医学雑誌に報告した、バンコクの51歳の男性のタクシー運転手が中国人観光客から感染したとみられるケースでは、発熱やせきなどの症状が1週間以上続いたということです。男性は、高血圧と糖尿病の持病があり、発熱と軽い呼吸困難の症状が出ましたが、病院に入院して治療を受けた結果、1週間あまり後に退院したとしています。

    (2020年2月18日時点)

    Q.
    潜伏期間でも感染するのか? (2月12日時点)
    A.

    潜伏期間については、これまでにさまざまな報告がありますが、平均5日前後、最長で2週間とされています。例えば、インフルエンザの場合、2日から4日程度とされているので、新型コロナウイルスは感染の疑いがある人と接触した場合、注意が必要な期間が長くなるということです。

    また新型コロナウイルスについては、症状が出ていないのに感染が確認されたケースも報告されています。

    明らかな症状が出ていないのに感染を広げることは、インフルエンザでも知られていることで、周りでだれもせきをしていないのにインフルエンザになったというケースもあります。同様のことが新型コロナウイルスでも起こるとみられています。

    2月4日、北海道大学の研究グループは、中国などで追跡調査できている52人のデータを解析し、患者の2人に1人が潜伏期間中の患者から感染した可能性があることを指摘しました。

    これは、新しい患者が出てくるスピードが発症した人だけから感染したと仮定した場合より早かったことから、導き出された推定です。

    潜伏期間とは言っても発症直前だった可能性や、すでに弱い症状が出ていた可能性もあり、今後、新たなデータが出てきた場合、さらに分析が期待されます。

    特にこの時期は、新型コロナウイルスとは関係なく、通常のかぜやインフルエンザ、それに花粉症などでせきやくしゃみが出る人は少なくありません。

    少なくとも患者との接触があったなどで感染の可能性がある場合や、少しでもせきやくしゃみが出るという人は、知らず知らずのうちに広げてしまうのを防ぐため、マスクをするなどの注意が必要です。

    (2020年2月12日時点)

    Q.
    感染ルートに「エアロゾル」の可能性も?「エアロゾル」とは? (2月19日時点)
    A.

    中国の保健当局、国家衛生健康委員会は、新型コロナウイルスの診断や治療の方法に関する新たなガイドラインを2月19日に発表しました。

    それによりますと、これまでに主な感染ルートとして挙げていた「飛まつ感染と濃厚接触による感染」に加えて、「密閉された環境で、長時間、高濃度の『エアロゾル』にさらされた場合には、『エアロゾル』感染がおきる可能性がある」と指摘しました。

    「エアロゾル」はごく小さな粒子のことで、これまでのガイドラインでは、「エアロゾル」による感染についてはまだ明らかになっていないとしていました。

    これについて、感染症の対策に詳しい東北医科薬科大学の賀来満夫特任教授は、「エアロゾルは飛まつよりも小さい粒子のことで、空気中に一定の時間漂うことがあるが、医療現場で患者に気管内挿管を行うときなどとても特殊な環境だけで発生することが知られている。中国の保健当局も、『密閉された環境』で『長時間、高濃度』のエアロゾルにさらされた場合とかなり条件をつけた上で感染の可能性に触れている」と指摘しました。

    そして、「エアロゾル感染は電車やオフィスの中など通常の生活空間で起きるものではない。今回の新型コロナウイルスの感染予防としては、とにかく飛まつ感染や接触感染に注意して対策してほしい」と話しています。

    (2020年2月19日時点)

    Q.
    感染した場合、特に注意が必要な人は? (2月12日時点)
    A.

    WHOによりますと、今回の新型コロナウイルスで死亡したのは、高血圧や糖尿病、心臓病など免疫を低下させるような持病があった人が多かったということです。

    現在は国内で新型コロナウイルスが流行している状況ではありませんが、新型コロナウイルスに限らず、インフルエンザなど一般的な感染症でも免疫が弱くなっている人は注意が必要です。

    具体的には、高血圧や糖尿病、心臓病といった持病がある人や、リウマチなどで免疫抑制剤を使っている人、高齢の人などです。

    持病の程度がどのくらいだと重症化しやすいかについては、はっきりと分かっていません。また新型コロナウイルスではこれまで特にリスクが高いという情報はありませんが、一般的に妊娠中の女性はウイルスに感染しやすく、万が一肺炎になった場合に重症化しやすいということです。

    さらに乳幼児についても新型コロナウイルスでどういった症状が出るのかデータはありませんが、いずれにしても自分で手洗いを徹底したり、人混みを避けたりなどの予防対策を取るのが難しいため注意が必要だということです。

    (2020年2月12日時点)

    Q.
    厚生労働省が対策班を設けた「クラスター」とは (2月25日更新)
    A.

    厚生労働省によりますと、「クラスター」とは感染した人たちの集団のことを指します。

    2月13日に東京都内に住む個人タクシーの男性運転手の感染が確認された後、男性の周辺で感染者が相次ぎました。男性が屋形船で開かれた新年会に参加していたことが明らかになり、ほかの参加者や屋形船の従業員などの調査を進めたところ、次々と感染が確認されたということです。一連のつながりで感染が確認された人たちの集団を「クラスター」と呼ぶということです。厚生労働省によりますと東京都のケースでは「クラスター」が発生した疑いがあるということです。

    また2月13日に和歌山県で感染が確認された医師の周辺でも同僚や家族などで感染者が相次ぎました。このケースでも「クラスター」が発生した疑いがあるということです。

    厚生労働省は感染拡大の防止には「クラスター」が次の「クラスター」を生み出すことを防ぐことが、極めて重要だとしています。

    (2020年2月25日更新)

    Q.
    感染経路が追跡できない人が出てきた場合、対策はどう変わる? (2月13日時点)
    A.

    新型コロナウイルスについて、感染経路が追跡できない人が出てきた場合、国内ですでに一定の感染者がいる可能性があります。専門家は、感染経路が追跡できない患者が出た場合は水際対策よりも重症の患者への医療態勢をしっかりと確保する対策が重要だと指摘しています。

    国内では、これまで検疫や感染地域からの入国制限のほか、チャーター機で中国 武漢から帰国した人の経過観察など、国内で感染を広げないための水際対策が中心となっていました。

    感染経路が追跡できない感染者が出た場合について、WHOで感染症対策を指揮してきた東北大学の押谷仁教授は「国内ではすでに相当数の感染者がいて、今後、見つかる患者の数が増えるおそれがある」として、今後は水際対策よりも重症の患者を集中的に治療できる医療態勢の整備を迅速に進めることが重要だと指摘しました。

    具体的には、各地の医療機関で集中的な治療が行えるベッドの数や重症者が出た場合に必要となる人工呼吸器の数などを確認することが必要だとしました。

    一方で今回の新型コロナウイルスは症状が軽い人が多いとされていて、軽症の人が医療機関に集中すると、病院の機能がまひして、重症者への治療に影響が出るおそれがあるとして、軽い症状の場合は原則として自宅で療養する必要があるとしました。

    また高齢者や持病のある人が重症化のリスクが高いとされていることから、感染の機会を減らす工夫として、高齢者施設の面会を制限することや、持病のある人が病院に出入りするのを減らすため、1度に長期間分の薬をあらかじめ処方することなどの対策も重要だとしています。

    また不安になる人も多く出るとみられるため、電話相談などができる窓口を充実させることや、この病気に対する情報を国が適切に提供していくことも必要になるとしています。

    感染症対策に詳しい東京医科大学の濱田篤郎教授は「現段階でもどこで感染したのか、解明することは大事だが、国内でほかにも追跡できない患者が出る可能性はあり、医療体制を早急に整える必要がある」と話しています。

    (2020年2月13日時点)

    Q.
    コロナウイルスとは
    A.

    コロナウイルスは、電子顕微鏡で見ると、太陽のまわりを「コロナ」というガスが取り巻いているような形をしているところから名付けられたウイルスで人や動物に感染します。

    人に感染して、一般的に流行するものは4種類あるとされていて、国立感染症研究所によりますと、せきや発熱、鼻水などが出る、通常の「かぜ」のうち、流行期には35%がコロナウイルスによるものだとされています。

    このほかに、感染すると重い肺炎を引き起こすなど、重症化しやすいコロナウイルスがこれまでに2種類確認されています。

    2003年に中国やアジア各地を中心に感染が広がった新型肺炎、「SARS」(サーズ)を引き起こしたコロナウイルスと、2012年にサウジアラビアで最初に確認された、重い肺炎を引き起こす「MERS」(マーズ)のコロナウイルスです。

    今回、確認されたコロナウイルスはこれまでに見つかっているコロナウイルスとは異なるため、WHO=世界保健機関は「新型」だとして、中国の保健当局からのデータをもとに患者の症状やウイルスの性質を分析し、リスクの評価を進めています。

    これまでに、ウイルスの遺伝子の型はSARSのウイルスと似ている点が多いことが分かっており、専門家は、現時点ではSARSより感染力や病原性は低いとみられるものの、今後、ヒトからヒトへ感染しやすいよう遺伝子が変化しないか監視する必要があると指摘しています。

    Q.
    「SARS」とは
    A.

    2003年に中国やアジア各地を中心に感染が広がった新型肺炎、「SARS」は、当時は知られていなかったコロナウイルスによって引き起こされました。

    SARSのコロナウイルスは、コウモリが持つウイルスがハクビシンにうつったあと、人に感染するようになったと考えられています。

    SARSは2002年の11月に中国南部の広東省で最初の患者が確認されましたが、中国の保健当局がWHOに報告したのは3か月近くたった翌年、2003年の2月で、この時点で305人が発症し、このうち5人が死亡していたとされています。

    その後、2003年3月には旅行者を通じて広がったウイルスによってベトナムや香港の病院で院内感染が起きるなど、感染は拡大し、WHOはSARS=「重症急性呼吸器症候群」と名付けたうえで、「世界規模の健康上の脅威」と位置づけるに至りました。

    2003年4月になると、WHOは広東省と香港に対する渡航の延期を勧告するという強い措置に踏み切りましたが、WHOの当時の担当者はこうした措置の背景について感染者の増加に加え、「中国側が肺炎についての情報を提供しなかったことも背景にあった」と述べています。

    SARSのウイルスが特定されたのは2003年4月で、患者を隔離するなどの対応がとられた結果、WHOは2003年7月に「終息」を宣言しました。

    WHOの報告によりますと、この間、症状が出た人は中国やアジア各地、カナダなどで合わせて8000人以上、最終的に800人近くが死亡し、致死率はおよそ10%に上るとされています。

    SARSへの対応をめぐっては、当初、中国政府がWHOや各国の感染症担当者と情報を十分に共有しなかったことが感染拡大や対策の遅れにつながったと指摘されています。

    国立感染症研究所によりますと、SARSはせきや飛まつを介してヒトからヒトに感染し、医療従事者への感染が頻繁にみられたほか、死亡した人の多くは、心臓病や糖尿病などの持病がある人や高齢者だったということです。ただ、理由はよく分かっていませんが、2005年以降、人への感染は確認されていないということです。

    Q.
    「MERS」とは
    A.

    2012年にサウジアラビアで最初に確認された、重い肺炎を引き起こす「MERS」のコロナウイルスは、ヒトコブラクダが持つウイルスが広がったのではないかと考えられており、中東を中心に、韓国でも感染が広がりました。

    WHOによりますと、現在も中東を中心に患者の報告があり、去年11月末の時点でおよそ2500人が感染し、そのうち少なくとも850人が死亡したとされ、致死率は30%あまりとされています。

    一方で、国立感染症研究所によりますと、サウジアラビアで行われたおよそ1万人を対象にした大規模な調査では、0.15%の人がMERSの抗体を持っていたとされ、気づかないうちにMERSのコロナウイルスに、感染している人もいると見られています。

    感染者は、これまでに分かっている以外にも数万人いるものとされ、高齢者や持病のある人が重症化しやすいと考えられるということです。

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    ウイルス検査は?

    Q.
    「抗体検査」が注目されています。「抗体があること」とPCR検査の「陽性・陰性」との関係は? (5月7日時点)
    A.

    抗体検査は、ウイルスなどに感染したあとでそれを排除しようと血液中にある免疫を担う細胞が作り出す「抗体」というたんぱく質の有無を調べる検査です。血液を数滴採取し、キットを使って調べれば、短時間で感染した経験があるかどうか分かるとして注目されています。

    ただ、体の中で、抗体が作られるには時間がかかるため、感染してもすぐには検査で検出することができません。国立感染症研究所が市販されている抗体検査キットを使って、新型コロナウイルスに感染した人の血液を調べた調査では、ほぼ全ての検体から抗体が検出できたのは発症後2週間たって以降でした。

    抗体検査は、アメリカなどでは一般の人たちを対象に広く行われ始めていて、ロサンゼルス周辺ではおよそ4%ニューヨーク市では、4人に1人が抗体を持っていたと報告されていて、実際にはより多くの人が感染していたことを示しているのではないかと考えられています。

    ただ、こうした抗体検査には精度が十分か検証されていないという問題があるほか、対象となる人を完全に無作為で選んでいないケースもあり、感染の実態がどこまで正確に反映されているかわからないと指摘されています。

    これに対して、PCR検査では検査を行った時点で、ウイルスに感染しているかどうかが高い精度でわかります。このため、現在、世界各国で感染の有無を確認するために使われていて、PCR検査で陽性というのは、その時点で体内にウイルスがあることを示します。

    ただ、その状態では検査で調べる対象の抗体はまだできておらず、抗体検査では陰性になることが多いと考えられています。抗体ができた時点では、ウイルスが体から排除されていることもありその場合、PCR検査では陰性になります。

    一方で、現在、感染した直後に血液中に現れるとされる、別の抗体を検出できる検査の開発も進められ、実用化されればPCR検査の代わりになると期待されていますが、精度に関して課題があるとされています。

    (2020年5月7日時点)

    Q.
    新型コロナウイルスの検査で使われている「PCR検査」の精度は? (3月19日時点)
    A.

    新型コロナウイルスで使われているPCR検査は、のどや鼻の奥、それに気管支の分泌物などに含まれるウイルスの遺伝子を人工的に大量に増やして検出する検査法です。検査の精度を考える際には、検査自体の技術的な精度と、検体の状態などによるそれ以外の要因を検討する必要があります。

    感染症に詳しい川崎市健康安全研究所の岡部信彦所長によりますと、PCR検査自体は、ごくわずかな遺伝子でも検出できる非常に感度の高い検査法だということです。

    ただ、検体の取り方や検体をとる時期などによって、一定の割合で、偽陽性や偽陰性がでることがあるということです。

    岡部所長は、「PCR検査は非常に感度が高い検査だが、ウイルスの量などで偽陰性や偽陽性がでる可能性があるため、100%、正確な結果を出すことは難しい。特に新型コロナウイルスは新しいウイルスなのでウイルスの増え方など、まだ分かっていない部分があるのも事実だ。ただ、今ある検査では最も進んだ技術の1つで、国内では国立感染症研究所が定めた統一のガイドラインに基づいて検査が行われているため、全国的に精度は高く保たれている」と話しています。

    (2020年3月19日時点)

    Q.
    新型コロナウイルス検査への保険適用でどうなる? (3月6日時点)
    A.

    保健所を通さずに検査可能に

    検査はこれまで最終的に保健所の判断で実施されていましたが、今回の保険適用によって医師が必要と判断した場合は保健所を通さずに検査が可能になりました。

    そのねらいについて厚生労働省は、医師が感染を疑った人の検査を確実に実施するためとしています。

    ただし、院内感染を防止する観点などから当面の間、検査を実施できるのは全国におよそ860か所ある「帰国者・接触者外来」か同様の機能を持つ医療機関などに限られます。

    それ以外の医療機関では感染が疑われる患者が来た場合、原則、「帰国者・接触者相談センター」へ連絡することになっていますが、直接専門外来に患者を紹介しても差し支えないとしています。

    厚生労働省は発熱が4日以上続くなど感染が疑われる人に対しこれまで通り「帰国者・接触者相談センター」に相談してほしいと呼びかけています。

    また全国の都道府県などに医療関係者などで作る調整会議が設けられ、検査機関の空き状況を確認するなどして効率的に検査を進めるための調整を行います。

    検査の単価は最大1万8000円 自己負担なし

    検査の単価は最大1万8000円となり、窓口負担分も公費で補助されるため自己負担は発生しません。

    一方で、感染した人の濃厚接触者などについて保健所の判断で行う「行政検査」も引き続き実施されます。

    厚生労働省によりますと、全国で実施可能な検査件数は5日の時点で1日あたりおよそ4200件となっていますが、実際に実施された件数は先月18日以降、多い日でも1日およそ1600件にとどまっているということです。

    厚生労働省は今回の保険適用で民間の検査機関の積極的な参入を促すほか、地域間で検査を協力しあう調整も進めることで検査数は一定程度増える見込みだとしています。

    地域のクリニックは

    一方、地域の診療所の医師が感染を疑った場合も検査につなげられるかどうかは引き続き大きな課題となります。

    厚生労働省は、かぜの症状や37度5分以上の発熱が4日以上続く場合などは相談センターに電話するよう呼びかけていますが、センターに相談する前に身近な診療所を受診する人も少なくありません。

    しかし、診療所の医師が検査が必要だと連絡しても保健所が断るケースが相次でいると指摘されています。

    こうした状況に対し厚生労働省は、診療所の医師が検査が必要だとした場合、専門の外来につないでできるだけ検査を実施すべきだとしています。

    今後さらに感染が拡大すれば、多くの患者が地域の診療所を訪れることも想定され、院内の感染防止対策も課題となります。

    また、国は検査体制を拡大するため従来よりも検査時間を大幅に短縮できる簡易検査キットの導入などを急いでいます。

    (2020年3月6日時点)

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    治療薬は? ワクチンは?

    Q.
    「アビガン」という薬の治療効果は? (4月2日時点)
    A.

    「アビガン」、一般名「ファビピラビル」は、もともとはインフルエンザの治療薬として、6年前、日本の製薬会社が開発した薬です。ただ動物実験で胎児への副作用が報告されたことから、妊娠中の女性などには使うことは認められておらず、ほかの薬が効かない新型インフルエンザに対して国が使用すると判断した場合に限って投与されることになっています。

    インフルエンザと同じような仕組みで増えるほかのウイルスに対しても効果が期待されることから、今回の新型コロナウイルスへの治療効果を調べる研究が世界各地で進められています。

    これまで中国政府は、2つの医療機関で行われた臨床研究の結果を公表しています。

    このうち広東省深センの医療機関が、80人の患者にアビガンを投与したところ、▽アビガンを投与しなかった場合は、ウイルス検査の結果が、陽性から陰性になる日数の中央値が11日だったのに対し、▽投与した患者では4日だったということです。また、患者のエックス線画像を調べたところ、肺炎の症状の改善が認められた患者の割合は、▽アビガンを投与しなかった場合では62%だったのに対し、▽投与した場合は91%だったということです。

    こうした結果から、中国政府は、アビガンを治療薬の1つとして、治療指針に正式に採用する方針を明らかにしています。

    日本でも、3月から愛知県の藤田医科大学病院などで軽症や無症状のおよそ80人を対象に、薬の投与によってウイルスの量が減るかどうか比較する臨床研究が行われています。

    また、3月31日、アビガンを製造している日本の製薬会社も国の承認を受けるための臨床試験を始めたと発表していて、効果や安全性が確認されれば、新型コロナウイルスの治療薬として国に承認申請を行う方針です。

    (2020年4月2日時点)

    Q.
    新型コロナウイルスに対する治療薬は? (2月12日時点 / 3月3日追加)
    A.

    今のところ、インフルエンザのタミフルやゾフルーザのような、ウイルスに対して直接、効果がある治療薬はなく、酸素吸入や脱水の際の点滴など「対症療法」で対応しています。

    国立感染症研究所によりますと、こうした治療を行っている間に患者自身が免疫を獲得してウイルスが排出されるのを待つということで、実際に多くの人が回復しています。

    特効薬はまだ開発されていませんが、すでに実用化されている別の病気の薬が使える可能性があるとして、実際に日本を含む各国で患者への投与が行われています。

    アメリカのCDC=疾病対策センターなどの研究グループは、新型コロナウイルスによる肺炎になった男性に、エボラ出血熱の治療薬として開発が進められてきた抗ウイルス薬を投与したところ、翌日以降、酸素吸入の必要がなくなり、発熱も治まるなど、症状が改善したとしています。

    また、タイの保健省は、中国人の患者に対しインフルエンザの治療薬とエイズの発症を抑える薬を組み合わせて投与したところ、コロナウイルスが検出されなくなり、症状に改善が見られたと記者会見で発表しました。

    日本国内でも、国立国際医療研究センターで、肺炎になった患者1人にエイズの発症を抑える薬を投与したということです。患者はその後、熱が37度台まで下がり、けん怠感は改善傾向になったほか、呼吸も改善したということです。

    ただ、これらの薬に効果があったのかはまだはっきりしておらず、いずれのケースでも、安全性や有効性を判断するにはさらなる臨床試験が必要だとしています。

    (2020年2月12日時点)

    ぜんそく治療薬で症状の改善見られた例も

    新型コロナウイルスに感染して肺炎になった患者に対して、ぜんそくの治療に使われる吸い込むタイプの薬を投与したあと、症状の改善が見られたという報告が日本感染症学会のウェブサイトに掲載されました。報告した医師らは患者の数が少ないため、今後、他の医療機関と共同で効果について調べるとしています。

    報告は、新型コロナウイルスの集団感染が起きたクルーズ船「ダイヤモンド・プリンセス」の乗客の治療を行った神奈川県立足柄上病院などのグループが日本感染症学会のウェブサイトに掲載しました。

    報告によりますとグループは、感染が確認され、肺炎になった患者3人に対して、免疫の働きを抑えるステロイドを吸入するタイプのぜんそくの治療薬、「シクレソニド」を本人の同意を得たうえで投与したということです。

    3人はいずれも65歳以上で重篤ではないものの酸素吸入をしていましたが、いずれも2月20日にシクレソニドを投与したあと、2日程度で改善が見られ、73歳の女性は退院したとしています。

    グループは国立感染症研究所から薬についての情報を受けて投与したということで、肺に届くまで吸入することでウイルスが増殖している肺の炎症を抑える効果が期待されるとしています。

    グループは、患者の数が少なく、効果を評価できないとしていて、今後、他の医療機関と共同で効果について調べるとしています。

    (2020年3月3日追加)

    Q.
    新型コロナウイルスへの感染を防ぐワクチンは? (2月12日時点)
    A.

    ワクチンは、事前に接種しておくことで感染を防いだり、発症しにくくしたりするものですが、新型コロナウイルスに対するワクチンは今のところありません。

    通常、ワクチンの開発では、ウイルスそのものを処理して毒性を無くしたり弱めたりしたうえで、免疫を十分に活性化する効果があるかどうかを動物実験などを行って調べます。

    動物で効果があると確認できれば、人に投与する臨床試験を行って、さらに効果や安全性を確かめます。

    国立感染症研究所は、通常の場合、ワクチンが開発されるまでには「年単位の時間がかかる」としています。

    実際に、同じコロナウイルスの一種による感染症で、2003年に中国やアジア各地を中心に感染が拡大したSARSや、中東を中心に感染が続く、重い肺炎を引き起こすMERSではワクチンは完成していません。

    こうした中、アメリカ国立アレルギー・感染症研究所は、新型コロナウイルスのワクチンの開発を進めていることを明らかにし、研究所のアンソニー・ファウチ所長は、1月28日の記者会見で「3か月以内に、ワクチンの効果や安全性を確かめるための臨床試験を始める」と述べました。

    この中で、アメリカの製薬ベンチャー企業、イノビオ社は、新型コロナウイルスの遺伝子の情報を使って、免疫を活性化させるたんぱく質を設計してワクチンとして投与するという新たな方法で、臨床試験を始めるまでの期間を大幅に短縮できるとしており、ことしの初夏には臨床試験を始められるとしています。

    さらに、WHOは、MERSの対策として開発を進めているワクチンが、新型コロナウイルスにも効果がないか探っていくとしていますが、実際に使えるようになるには、一定の時間がかかると見られています。

    (2020年2月12日時点)

    Q.
    【視聴者の疑問】新型コロナウイルスへの治療に使えるのではないかと注目される、エイズの発症を抑える薬や、インフルエンザの治療薬「アビガン」は、自分にも使ってもらえるのか。 (2月26日時点)
    A.

    エイズの発症を抑える薬は、新型コロナウイルスに感染した患者に対して、国内やタイなどで試験的に使われています。現在のところ、有効性は確認されてはおらず、一般的に使えるものではありません。

    また、「アビガン・一般名ファビピラビル」はウイルスの増殖そのものを防ぐインフルエンザの治療薬で、2014年に医薬品として承認されましたが、副作用の懸念があることから、ほかの薬が効かない場合に限って使用することになっています。

    感染症の問題に詳しい川崎市健康安全研究所の岡部信彦所長によりますと、新型コロナウイルスに感染しても重症で緊急性が高い場合にしか処方されず、有効性や安全性はまだ確かめられていないので、「希望すれば誰でも使えるというものではない」ということです。

    今後、臨床試験で有効性や安全性が確かめられれば使えるようになりますが、現在のところ、いつ使えるようになるかはわかりません。

    (2020年2月26日時点)

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    マスク 消毒 予防策は?

    Q.
    学校給食で子どもたちが配膳する際、どんなことに注意したらいい? (5月28日時点)
    A.

    感染症学が専門で聖マリアンナ医科大学の國島広之教授に聞きました。給食の前に、給食当番の子どもたちだけでなく、全員がせっけんでしっかりと手を洗うことが大切だということです。

    また、配膳の際に注意が必要なのはトングやおたまなどです。NHKはこれまで國島教授と共同で、ビュッフェ形式の食事を再現した実験を行っています。実験では、感染者に見立てた1人の参加者の手のひらにウイルスの代わりに蛍光塗料を塗って食事を続けたところ、30分後には参加した10人全員の手に塗料が付着していました。塗料はみんなが使うトングや容器のふたなどを介して広がっていました。

    給食の場合でも、配膳の際にトングやおたまに触るのは給食当番の児童や生徒にかぎり、しっかりと手洗いをしたり、マスクを着けたりすれば、感染のリスクは減らせるということです。

    また、給食を食べる際には教室の窓を開けたり、子どもたちどうしの距離をあけたりするなど密閉、密集、密接の3つの「密」を避けるようにしてほしいということです。

    國島教授は「給食を食べる時はマスクをすることができず、授業中などと比べて人がふれあう距離が近くなるおそれがある。換気や手洗いなどの対策を特に注意して徹底してほしい」と話していました。

    (2020年5月28日時点)

    Q.
    緊急事態宣言が解除されましたが、手洗いの徹底やアルコール消毒は続けたほうがいい? (5月28日時点)
    A.

    新型コロナウイルスは、いったん感染拡大が収まったとしても、再び流行するおそれがあります。

    韓国やシンガポールではいったん感染者の増加を抑えたものの、規制を緩めたあとに集団感染が発生したため、再び対策を強化せざるを得なくなったケースも出ています。

    こうしたことから新型コロナウイルス対策の政府の専門家会議は、5月14日に出した提言で、当分の間、常に再流行のリスクが存在するとして、緊急事態宣言が解除されたとしてもすべての都道府県で、人との距離の確保や、マスクの着用とともに、こまめな手洗いや手指の消毒の徹底といった基本的な感染対策を続ける必要があると強調しています。

    さらに、体温を毎日はかり、「密閉・密集・密接」のいわゆる「3つの密」を避けるなど、感染を防ぐための行動を「新しい生活様式」として定着させることを求めています。

    (2020年5月28日時点)

    Q.
    医師や看護師はマスクを付けていると思いますが、それでも感染したというニュースをみかけます。マスクに感染防止の効果、実際のところは? (5月7日時点)
    A.

    マスクが予防に役立つかどうかについてははっきりしたことは分かっていません。ただ、一般的な使い捨てマスクはウイルスが入ってくるのを十分に防ぐことはできないため、仮に予防の効果があったとしてもかなり限定的だと考えられています。

    医療の現場では、感染のリスクを少しでも下げるため、さまざまな専門的な対策と組み合わせてマスクを着用していますが、マスクだけでは大きな予防効果は期待できないとされています。

    集中治療の際などに使われる「N95」と呼ばれる医療用の高性能マスクはウイルスを遮断することができますが、つけると息苦しくなるなど使い方が難しく、事前に使用法を十分に習熟しておく必要があるとされています。また、どんなマスクでも。手を消毒する前に顔を触ってしまうと、感染のリスクは上がってしまいます。

    一方、マスクは感染した人がつけるとウイルスを広げるリスクが大きく減るとされています。

    新型コロナウイルスは主に飛沫で感染が広がり、症状が出る2日程度前から症状が出てすぐの時期に多くのウイルスが排出されることが分かってきています。

    マスクをつけるとせきやくしゃみで飛び散る飛沫をはじめ、「マイクロ飛沫」と呼ばれるような会話などで出てくるごく小さな飛沫も大幅に減らすことができるとされています。

    政府の専門家会議の尾身茂副座長は5月4日の記者会見の中で「マスクの評価はこれまで色々あったが、最近はWHOや海外を含めて大まかな合意ができてきた。ウイルスを広げるリスクを減らすため症状のあるなしに関係なくマスクをしてほしい」と話していました。

    (2020年5月7日時点)

    Q.
    医療機関などで使われている顔を覆うカバー「フェイスシールド」はマスクの代わりに使えるの? (4月30日時点)
    A.

    「フェイスシールド」は、顔全体を覆い、主に目の粘膜にウイルスが入り込むことなどを防ぐために使うもので、医療機関では必ず医療用マスクとセットで使われています。

    感染症の予防が専門で東京医療保健大学大学院の菅原えりさ教授によりますと、人に感染させないという観点からは、布製のマスクなどと同様に、近い距離で話をしなければならないときにつばなどが相手にかからないようにするといった効果はあるのではないかとしています。

    しかし、予防の観点からは、マスクをせずに「フェイスシールド」だけを使っても自分の手が鼻や口に触れるのを防ぐ効果はあるものの、空気中に浮遊するウイルスが口や鼻に入り込むことは防げないといいます。

    そのうえで「フェイスシールド」を使う場合にはウイルスなどが付着するおそれのある外側の表面を触らないことや、使用後は、アルコールで拭き取ったり洗剤で洗ったりして、そのまま放置しないことなど使い方に注意してほしいとしています。

    菅原教授は「感染予防には、外出の自粛など人との接触をできるだけ避け、頻繁に手を洗うことがもっとも有効な対策になる。こうした基本的な対策をまず徹底してほしい」と話しています。

    (2020年4月30日時点)

    Q.
    「布マスク」は繰り返し使えるとして配られていますが、洗濯する方法は? (5月7日時点)
    A.

    洗濯の注意点は「強く洗わないこと」です。厚生労働省によりますと、そのまま洗濯機で洗ったり、手でもむように洗ったりすると布マスクの繊維や耳にかけるゴムがいたむ可能性があるということです。

    では、どうするかというと、水と洗剤を入れたおけに布マスクを10分ほどつけたあと、手で軽く押し洗いしてほしいとしています。洗剤の量は製品によって違いますが、一般的には2リットルの水に対し、0.7グラム、小さいスプーンに半分ほどだということです。洗った後は、水だけ入れたおけにつけて十分にすすぎます。

    手洗いができない場合は、マスクの大きさに近いネットに入れて、洗濯機で洗ってほしいとしています。

    また、汚れが気になる場合は塩素系の漂白剤を使います。一般的には水1リットルに対し、漂白剤を15ミリリットルの割合で入れ、10分ほどつけたあと、水だけで漂白剤のにおいがなくなるまですすいでほしいとしています。漂白剤を使う際はゴム手袋などを必ずつけるよう呼びかけています。

    乾かす際には清潔なタオルで水気を取ったあと、陰干しで自然乾燥させます。

    厚生労働省によりますと、洗濯は1日1回行うのが望ましく形が崩れてきたら使用を避けてほしいとしています。

    厚生労働省は「外出する必要がある場合には自分は感染しているかもしれないという意識を持って、症状がなくてもマスクを着用し『3つの密』を避ける行動の徹底をお願いしたい」と呼びかけています。

    (2020年5月7日時点)

    Q.
    市販の「布用除菌剤」を手に吹きかけて消毒してもいい? (4月23日時点)
    A.

    布用の除菌スプレーを製造・販売している大手生活用品メーカーの「花王」と「P&Gジャパン」に取材したところ、布の除菌用に作られたものを手指の消毒に使うのは控えてほしいということでした。

    花王によりますと「製品は用途にあわせて作られているものですので、布用のものを手指に使用することはお控え下さい」ということでした。

    また、P&Gジャパンによりますと「布用スプレーはご家庭にある布製品を消臭・除菌し、爽やかに保って頂くための製品です。手やドアノブや、デスクといった硬い表面、空間に向けてのスプレーは、おすすめできませんので、ご遠慮下さい」ということです。

    厚生労働省は、新型コロナウイルスの感染予防対策では、「手洗いを丁寧に行うことで、十分にウイルスを除去でき、さらにアルコール消毒液を使用する必要はない」としています。

    顔を触ることを控え、帰宅したときや調理の前後、食事の前などこまめな手洗いを徹底することが重要です。

    (2020年4月23日時点)

    Q.
    国が消毒液の代わりにアルコール度数の高い酒を使ってもよいとしているようだが、使っても大丈夫? (4月23日時点)
    A.

    厚生労働省が消毒液の代わりとしてアルコール度数が高い酒の使用を認めているのは「医療機関や高齢者施設」などです。

    厚生労働省によりますと、アルコール消毒液などが品薄になる中、より徹底した消毒が求められる医療機関や高齢者施設などで、やむを得ない場合に限り、特例で使用を認めるとの通知を出したということです。

    この場合、対象となるのは、アルコール濃度が70%から83%の酒で、これより濃度が高い酒は殺菌効果が落ちるため薄めて使うよう求めています。一般の家庭に向けたものではないということです。

    また、酒を消毒用に使うには注意が必要です。感染予防が専門で、東京医療保健大学大学院の菅原えりさ 教授によりますと、飲むための酒を消毒で使うことは通常ないため、詳しくは分からないとした上で「一般的に飲む目的で作られた酒はアルコール以外の成分も含まれているため、通常は控えた方が望ましいと考えられる」ということです。

    では、一般の家庭でアルコール消毒液が無い場合、どうすればよいのでしょうか。

    菅原教授は「アルコール消毒をしなくても、手洗いを徹底することで十分な効果が得られる」と話しています。

    外出先から帰ったときや料理を作る前後、それに食事の前後など、せっけんを使ってこまめに手をしっかりと洗うことで、ウイルスは取り除けるということです。

    (2020年4月23日時点)

    Q.
    消毒に使えるという「次亜塩素酸ナトリウム」について教えてほしい。 (3月19日時点)
    A.

    次亜塩素酸ナトリウムは、ごく低い濃度でも、細菌や幅広いウイルスに対する効果がある消毒薬です。

    感染予防に詳しい、岩手医科大学の櫻井滋教授によりますと、家庭でよく使われる塩素系漂白剤に含まれているほか低い濃度のものが食品の衛生や哺乳瓶の消毒などにも使われているということです。

    濃度を0.05%に薄めた次亜塩素酸ナトリウムでドアノブや机の上などものの表面を拭けば、新型コロナウイルスの消毒に効果があると考えられるということでした。

    その際には、隅々まで届くように拭くことが重要で、スプレーなどで吹きつけただけではごくわずかな隙間ができてしまうため不十分だとしています。

    台所用漂白剤を販売している日用品大手「花王」ではキャップ1杯分にあたる25ミリリットルを1リットルの水で薄めると0.05%の次亜塩素酸ナトリウムの溶液をつくることができるとホームページなどで紹介しています。

    ただ、重要な注意点として、手や指などに使うと肌が荒れるなど皮膚をいためてしまう危険性があることや、高い濃度で広範囲に使うと有毒なガスが発生してしまうことがあるので、くれぐれも注意が必要だということです。

    (2020年3月19日時点)

    Q.
    手洗いが強調されているが、うがいは? 顔を洗ったり、ふいたりすることは? (3月19日時点)
    A.

    感染予防に詳しい、岩手医科大学の櫻井滋教授によりますと、実はうがいでかぜなどが予防できるかどうかは、科学的に十分に証明されていないということです。

    また、顔を洗うことについては清潔な手で顔を洗うのは付着しているかもしれないウイルスを洗い流すという意味で一定の効果があるのではということでした。

    ただ、顔や首をふく際も同じですが、使用するタオルやティッシュなどが清潔でなければ、逆にウイルスが付着してしまうおそれがあるということです。

    顔を不用意に触らないことがポイントだということで、たとえば、食事の際や、マスクやコンタクトレンズをつけたりはずしたりするとき、それにお化粧などで首から上に触れる場合は、直前にしっかりと手を洗うなどして清潔にすることが重要だということです。

    (2020年3月19日時点)

    Q.
    私たちができる対策は? (2月12日時点)
    A.

    コロナウイルスは、インフルエンザやかぜと同様に、せきやくしゃみなどの飛まつを通じて感染するとされています。

    このため、基本的な対策はインフルエンザなどと同じで、「手を洗うこと」と、「せきエチケット」です。

    手洗いについては、せっけんを手首までしっかりとつけ、流水で少なくとも20秒間は洗うことが効果的だとされています。

    指の間や爪の隙間までしっかりと洗います。頻繁に手洗いをしてください。

    すぐに手が洗えない場合は、アルコール消毒薬で手をふくのも有効です。

    この場合は、たっぷりとアルコール消毒薬を手につけ、ふき残しが無いように注意してください。

    また、ウイルスは目や口、それに鼻などから入ってきます。手をきれいにするまでは顔を触らないようにしてください。

    次にせきエチケットの徹底です。

    せきエチケットとは、せきやくしゃみをする時には口を覆うことです。このとき、手のひらで口を覆うのではなく、ティッシュやひじを使って抑えることが重要です。

    もし手のひらを使ってしまうと手にウイルスがついてしまい、ドアノブを触るなどして感染を広げてしまうおそれがあります。

    また、正しくマスクをつけることもせきエチケットになります。

    感染を広げない対策は、周囲の人を守るためだけではなく、流行が広がって医療機関が混乱してしまうのを避けるという意味で、自分自身を守ることにもつながります。

    このほかの対策としては、人混みを避けること、せきやくしゃみをしている人からは1メートル以上距離をとること、持病があるなど感染症のリスクが高い人は念のためにマスクを正しくつけることなどがあります。

    新型のウイルスに対しては、わかっていないことだけに目を向けるのではなく、わかっていることをしっかりと実践し、冷静に対応することが重要です。

    (2020年2月12日時点)

    Q.
    妊婦が注意すべきことは? (2月5日時点)
    A.

    中国を中心とした新型コロナウイルスの感染拡大を受け、日本産婦人科感染症学会は、妊婦や妊娠を希望する女性に対し、注意を呼びかける文書を出しています。

    この中では新型コロナウイルスによる感染症について、現時点では特に妊婦が重症化しやすいといった情報や胎児に障害が出たという報告はないとして、過度な心配は不要としています。

    ただ一般的に妊婦は肺炎になると重症化するおそれがあるため、注意を呼びかけています。

    予防策としては外出後や食事の前など、こまめに流水とせっけんで手洗いをすることやアルコールなどの消毒薬が効果があるとしています。ほかにも、

    • 発熱やせきなどの症状がある人との不必要な接触を避けること
    • なるべくマスクをつけること
    • 手や指を不用意に口や鼻などにもっていかないこと

    などを挙げています。

    文書をまとめた日本大学医学部の早川智教授は「マスクはあればしたほうがよいが、予防にはこまめにせっけんで手を洗い、自分のハンカチかきれいなペーパータオルでふくことがいちばん大切だ。また必要のない時には人混みに行かないことも心がけてほしい。妊婦は不安になる人も多いと思うが、感染症が流行するときにはさまざまなデマが発生するので正確な情報をもとに行動してほしい」と話しています。

    (2020年2月5日時点)

    Q.
    【視聴者の疑問】洗濯するとウイルスを取り除く効果はあるのか。また衣服にもアルコール消毒をするべきなのか。 (2月26日時点)
    A.

    感染予防が専門で、日本環境感染学会の菅原えりさ理事によりますと、コロナウイルスに関しては証明されていませんが、大部分のウイルスでは、通常の手順で洗濯を行えば衣服についたウイルスが物理的に流れてしまうので、アルコール消毒の必要はないということです。

    また、せきやくしゃみが広がるのを防ぐために口を覆ったハンカチなど、ウイルスが取り除けているか特に心配だという場合は、沸騰したお湯に15分から20分ほどつければよいということです。

    (2020年2月26日時点)

    Q.
    【視聴者の疑問】手洗いに使う消毒液の代わりにキッチン用のエタノールを使っても消毒の効果はあるのか。 (2月26日時点)
    A.

    エタノールはアルコールの一種で、手や指の消毒に使われる市販の消毒液は濃度が80%程度のものが多くなっています。日本環境感染学会の菅原えりさ理事によりますと、キッチン用のエタノールは、濃度が50%ほどのものが多く、現時点ではコロナウイルスへの効果があるか科学的には証明されていないということです。

    ただ、身の回りの掃除などで使う場合は、エタノールを吹きかけるだけでなく、布で拭き取ることが重要だということで、濃度が50%程度の製品でも何もしない場合に比べて有効である可能性があるということです。

    (2020年2月26日時点)

    Q.
    【視聴者の疑問】空気清浄機は新型のコロナウイルスの除去に効果があるのか。 (2月26日時点)
    A.

    コロナウイルスの感染を絶つという意味では、いまのところ、空気清浄機の効果は証明されていないということです。

    (2020年2月26日時点)

    Q.
    【視聴者の疑問】満員電車の窓は開けた方がよいのか。 (2月26日時点)
    A.

    感染症に詳しい愛知医科大学の森島恒雄客員教授によりますと、新型コロナウイルスは、せきなどの飛沫に含まれてしばらく空間をただよう可能性が否定できないため、窓を開けて換気し、ウイルスを室外に出すことが重要で、部屋の空気は一日数回は入れかえるのが望ましいということです。

    満員電車の場合、駅で乗り降りする場合に一定程度、空気は入れかわる可能性がありますが、窓を開けても危険ではない状態であれば、窓を開けて空気を入れ換えてもよいとしています。

    ただ、実際に窓を開けても良いかどうかについては、各鉄道会社の指示に従って下さい。

    (2020年2月26日時点)

    Q.
    【視聴者の疑問】感染しても重症化しなくてすむように、免疫力を下げない方法ってあるのか? (2月26日時点)
    A.

    愛知医科大学の森島恒雄客員教授は、基本的には、栄養や休養を十分にとるほか、脱水状態にならないよう水をこまめにとってほしいと話しています。

    また、心配しすぎて家の中で動かないでいるのもよくないということで、人混みをさけながら散歩したり、軽い運動をしたりすることで血行をよくしてよく眠れるようにすることも大事だとしています。

    (2020年2月26日時点)

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    人との接触とは?

    Q.
    「接触を8割減らす」とはどの程度の接触のことを指しているの?「濃厚接触」とは違うの? (4月30日時点)
    A.

    厚生労働省クラスター対策班のメンバーで北海道大学の西浦博教授は、感染拡大を抑えるために減らす必要のある「接触」の例として短くても屋内で交わされる会話や体が触れ合う身体的な接触を挙げています。

    感染のリスクが低い屋外での散歩やジョギングなどの活動は「接触」に含まないとしていますが、週末の公園などで多くの人が集まると、接触する機会が増え、感染が広がりやすいいわゆる「3つの密」のうち、「密集」や「密接」の条件が満たされることになります。

    このため、西浦教授は「屋外の公園であってもたくさん人が集まって長い時間を過ごすようでは本末転倒になってしまう。ほかの人と接触する場は避けてほしい」と注意を呼びかけています。

    一方で「濃厚接触」については、国立感染症研究所が「患者が発症する2日前から、1メートル以内で15分以上接触した人」などが「濃厚接触者」にあたると定義しています。

    一方で、患者がマスクの着用や手の消毒など周囲を感染させない対策を取っていた場合は濃厚接触した人にはあたらないとしています。

    (2020年4月30日時点)

    Q.
    濃厚接触者の定義は? (4月21日時点)
    A.

    新型コロナウイルスに感染した人の「濃厚接触者」について国は定義を見直し、「発症の2日前から1メートル以内で15分以上接触した人」などと改めました。濃厚接触者は保健所の健康観察の対象となりますが、今回の変更で全国的に増加する見通しです。

    新型コロナウイルスの感染者が確認された場合、保健所は「濃厚接触者」を特定して発熱などがないかを確認する健康観察を行い、必要な場合はウイルス検査を実施するとともに外出を控えるよう求めています。

    厚生労働省が所管する国立感染症研究所は濃厚接触者の定義を見直し公表しました。

    それによりますと、これまでは発症日以降に接触した人が対象となっていましたが、これを「発症の2日前から接触した人」に拡大しました。その一方で、これまで「2メートル以内を目安に会話などをしていた人」としてきた定義を、「1メートル以内を目安に15分以上接触した人」に変更しました。

    厚生労働省によりますと、これらの定義に該当しても感染者がマスクの着用や手の消毒など周囲を感染させない対策を取っていた場合は原則、濃厚接触者にはならないということです。

    WHO=世界保健機関が3月20日に濃厚接触者の定義を同じように改めたことを受けての対応だということです。

    (2020年4月21日時点)

    Q.
    「人との接触を8割減らす」とは具体的にどういうこと? (4月9日時点)
    A.

    シミュレーションを行った厚生労働省のクラスター対策班のメンバーで北海道大学の西浦博教授によりますと、減らす必要がある接触とは、屋内で行う会話などで、屋外で行う散歩やジョギングなどは感染のリスクが低いため、含まれないということで、「屋内でのちょっとした会話も減らすべき接触と考えて欲しい」と話しています。

    そして「8割減らす」とは具体的にどういうことなのでしょうか。西浦教授は「ふだん10人に会っていたとしたら、8人とは会わないようにするということだ。さらに、感染リスクが高いと分かっている夜の接待飲食の店や飲み会で使う居酒屋、ライブハウスやスポーツジムなどでの接触は、100%に近い形で減らしてもらいたい」と呼びかけています。

    また、新型コロナウイルス対策にあたる政府の専門家会議の尾身茂副座長は「夜の接待飲食の店や、『密閉・密集・密接』の環境での接触は10割、外出は8割減らす。1日に5回出かけていたとしたら1回にする。仕事ではまずは4割減らして、6割、8割と段階的に接触を減らす。全体で、人と人との接触を8割減らしてもらいたい」と話しています。

    西浦教授によりますと接触を8割減らすことができれば2週間ほどで1日の感染者数が伸びが止まりはじめ、さらに2週間たった1か月後には目に見える効果が出ると期待できるということです。

    一方で、接触の減り方が不十分で7割や6割程度にとどまると効果が出るまでに2か月や3か月という長い期間がかかってしまうということです。

    (2020年4月9日時点)

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    そのほか

    Q.
    結核予防のBCGを接種している国では亡くなる人が少ないと聞くが本当か? (4月9日時点)
    A.

    BCGは、ヒトの結核菌に近いウシの結核菌を弱めて作られた結核を予防するワクチンで日本ではすべての0歳児を対象に定期接種が行われています。

    BCGの接種は国や地域ごとに異なっていて、アメリカやイタリアなど海外では一律の接種を行っていないところもあります。

    最近、海外の研究者から、BCGの定期接種を行っているところでは新型コロナウイルスで亡くなる人の数が少ない傾向にあるのではという指摘が出ていて、オーストラリアやオランダなどでは新型コロナウイルスの感染や重症化の予防とBCGが関係しているのかを調べる臨床研究が行われています。

    これについて日本ワクチン学会は4月3日見解を示しています。

    それによりますと新型コロナウイルスに対してBCGが有効かどうかは科学的に確認されておらず、現時点では推奨されないということです。

    また、最近、新型コロナウイルスへの効果を期待して接種を希望する人が出てきているとして、BCGは主に乳幼児のためのワクチンで高齢者が接種することについては効果や安全性が確認されていないと指摘しました。

    その上で、本来の適応とあわない接種が増えた結果、乳児への安定した供給が影響を受ける事態を避けなければならない。としています。

    日本ワクチン学会の岡田賢司理事長は、「BCGが新型コロナウイルスに効果があるかどうかを研究する意義はあると思うが、日本人ではすでに多くの人が一度は接種しているため、海外とは状況が異なる。現在、ワクチンの発注が通常の3倍になっていて、出荷制限がかかっている。本来の目的である、乳幼児の重症の結核を防ぐことができなくなるリスクがあることを知ってもらいたい」と話しています。

    (2020年4月9日時点)

    Q.
    どんなケースが「不要不急」にあたる? (4月2日時点)
    A.

    “不要不急”の外出自粛を呼びかけた東京都の小池知事は、記者会見で「その日でないとだめな用事かどうか」を判断の基準にしてほしいと呼びかけています。

    具体的には、▽公園での花見については不要不急だとした一方、▽病気の人が病院を受診する場合や、▽生活必需品を買うためにスーパーやコンビニなどに行くことは、必要なことだとして、自身で不要不急の外出にあたるかどうかを判断してほしいとしています。

    また、散歩について、新型コロナウイルス対策の国の専門家会議は、3月19日に出した提言で、外出機会を確保することは日々の健康を維持するために重要で、1人での散歩や限られた人数での散歩などは感染リスクが低いとしています。

    (2020年4月2日時点)

    Q.
    イタリアで死者が急増している理由は? (3月26日時点)
    A.

    感染の爆発的な拡大が続くイタリアでは、25日までに感染者の数が7万人を超え、死亡した人は7500人余りと中国の2倍以上になっています。

    イタリアではハグやキスなどの習慣が感染拡大を加速させた可能性も指摘されています。

    イタリアで死者が急増した理由についてWHO=世界保健機関の担当者は「イタリアで高齢化が進んでいることも理由かもしれない。大勢の患者が病院に押し寄せ、医療水準が保てていない環境もあると思う」と述べ、高い高齢化率や、患者の急増により医療の限界を超えてしまった可能性を指摘しています。

    海外の感染症に詳しい東京医科大学の濱田篤郎教授によりますと、イタリアでは、以前から財政緊縮策の影響で医療機関の閉鎖が相次ぎ、もともとベッドの数や医師や看護師の数が不足していたとみられるということです。

    その上で、濱田教授は「日本はイタリアに比べて医療体制が充実しているため、すぐにイタリアのような事態になることは考えにくい。ただ、爆発的に感染が拡大すれば医療体制がひっ迫することは予想される。国や自治体が主導して、医療機関どうしの連携を充実させたり、重症患者のためのベッドをあらかじめできる限り確保したりするなど最悪の事態を想定した対応を早急に進める必要がある」と話しています。

    (2020年3月26日時点)

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